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カテゴリ:JAZZ/FUSION
待っておられた方が、どれほどいらっしゃるかは別にして(笑)、
ようやっとJAZZ/FUSION系のカテゴリーにも手を出してみようかと・・・。 数人の方に「JAZZ系は?」と聞かれていたのですが、なかなか 手を出せずにいたkadoです。こんにちは。 だって、だって、JAZZ/FUSIONのアルバム紹介って難しいん ですもん(泣)。 だって、だって、散々語り尽くされたアルバムとか紹介しづらいん ですもん。 だって、だって・・・(もういい?) いや、ちょびちょびと色んなJAZZのアルバムを聞いてはいたんですよ。 でもねえ、あまり深く考えずに、「カッコ良いメロディだなあ」とか「上手い なあ」とか、そんな聞き方ばっか・笑。 なので、恐らくアルバムを紹介しても、そんな感じの文章で終わって しまって、巷のコアなファンの方々の様には、語れんやろ?と・・・。 でも、よ~く考えたら、おいら、音楽評論家でもライターでも無いし、 これでお給料もらってる訳でもないので(笑)、「これ、いいっすよ」だけ でも、ええんでないかい?と至極、フツーの結論にいたりまして、 カテゴリー増設してみます。ついでに、CLUB/DANCE/DISCO系も 追加しちゃおうと思ってます。 で、そのJAZZ/FUSIONの、1回目は、マイルス・デイヴィスです。 って、さんざんフリ逃げしといて、いきなりマイルスかよっ!笑 と突っ込んでくださった、そこのアナタ、 はい、恐い物知らずなkadoです。 もうね、これだけ、文字でご本人の事もアルバムの事も語られる ミュージシャンって、他に居ませんよね。 例え、一度もマイルスを聞いた事の無い方でも、「マイルス・デイヴィス」 の名前は聞いた事があるでしょうね。音楽鑑賞が趣味って方なら、 それこそ間違い無く、一度は耳にする名前じゃないでしょうか? JAZZの巨人だとか、帝王だとか、ありとあらゆる最大級の言葉を尽くして、 誰もがマイルスを語る訳です。出てる書籍の量もハンパじゃなければ、 アルバムの数もハンパじゃなければ、音楽ブログで彼の記事を目に しない事はないし・・・・。 音楽ファンの誰もが、何かを語りたくなるアーティスト、それが 「MILES DAVIS」ってトコでしょうか? ただし、この御仁を本当は「JAZZ」というカテゴリーで、語ってはいけない 様な気がするんですよね。そんなカテゴライズが無意味に思える位、彼の 音楽の多様性は一口に話してはイケないんだと思っております。 あえて、カテゴライズするなら、そこには、「マイルス・デイヴィス」という カテゴリーが存在するんですわ。 ってな訳で、おいらも、これから、折りに触れて、そして、この先時間が、 かかったとしても、彼のアルバムと彼のサウンドの素晴らしさを 少~しづつでも紹介して行ければなと思っております。 さて、改めて、今日ご紹介するのは、彼の最晩年のライブを集めた ライブアルバム「Live Around The World」です。 01. In a Silent Way 02. Intruder 03. New Blues 04. Human Nature 05. Mr. Pastorius 06. Amandla 07. Wrinkle 08. Tutu 09. Full Nelson 10. Time After Time I 11. Hannibal Tp,Key : Miles Davis As,fl : Kenny Garrett Ts : Rick Margitza Key : Robert Irvine Key : Adam Holzman Key : Joey Defrancesco Key : Kei Akagi Key : John Beasley Key : Deron johnson Bs : Foley Bs : Benny Rietveld Bs : Richard Patterson Perc : Marilyn Mazur Perc : Munyungo Jackson Perc : Erin Davis Ds : Ricky Wellman マイルスが亡くなって5年ほどしてから発表されたアルバムです。 タイトルの通り、アメリカのロス・ニューヨーク・ハリウッド、スイスのモントルー、 日本の大阪までと、様々な場所のライブを集めて一枚の音源として発表した ものです。メンバーに楽器のダブりが多いのは、各所でメンバーが違う ためです。(曲ごとには、書きませんでした、しーません。) 各地の音源を集めたにもかかわらず、1ヶ所でのライブを収録したかの ように聞こえる、素晴らしい編集作業と録音です。 マイルスのオリジナルアルバムというのは、レコーディング活動を始めた 1949年から数えて約70枚、ブートレグという海賊盤的な物、サントラまで 含めると300枚以上あるといわれています。これだけ、膨大な枚数あると ショップ行ってもどれから買えば良いのか、どれから聞いたらいいか・・・ 特に、初めてマイルス聞いてみようと思われた方にとっては、途方に暮れ てしまいそうな枚数ですよね? で、おいらが思うに、もし、初めてマイルス聞いてみようと思われる方が いらっしゃいましたら、一番最近のアルバムからさかのぼって聞かれるのが 良いのでは?と思っております。 何故か? それは、マイルスの晩年の音が、とても近代的かつ洗練されたサウンドで、 現代のサウンドに慣れている耳でも、全く古さを感じさせないからです。 言い換えれば必ずしもJAZZとは言い切れない、フュージョン的、ロック的、 そしてポップス的な、およそ音楽の全ての要素を盛り込んだ様なサウンド だからなんですね。とにかく「JAZZ」と言う言葉から受ける、気難しさとか、 理屈っぽさが、全く無いのです。 ドJAZZなサウンドだった60年前から、この「Live Around The World」な音に なって行く課程を逆走していった方が、若い方などにも、付き合い易い アーティストになるのでは?とおいらが勝手に考えているんですわ。 これには、賛否両論ありますし、晩年のアルバムがJAZZとは言い切れないと 書いてしまうおいらもコアなファンからお叱りを受けそうな問題があるとも思うの ですが、いきなり「マイルス・アヘッド」や「カインド・オブ・ブルー」といった50年 近く前の名盤と言われる音を聴いたとしても、なかなかとっつきにくいんでは 無いかなあ?と言う印象があるんですわ。 もし、マイルス初めての方が、「こんな感じなら聴けるかもしれない?」という、 「こんな感じ」が大事かなと思っております。 でも、そんなこたァ、大きなお世話かもしれませんね・笑 それと、もう一つ、このアルバムが聞きやすいのは、USチャートの常連だった、 マイケル・ジャクソンの"HUMAN NATURE"とシンディ・ローパーの名曲 "TIME AFTER TIME"がカヴァーされて収録されているからなんです。 誰もが知っているメロディをマイルスがどう料理するのか? この2曲を聴く為だけでも、このアルバムは「買い」かなと思っております。 もともとは、1985年に出された"You're Under Arrest" というアルバムに2曲とも 収録されていて、もちろん、その音源も良いのですが、それよりも、ライブなら ではの緊張感や音の空間を肌で感じられる、このライブバージョンは、本当に 素晴らしいですよ。 特に"TIME AFTER TIME"は、日本人でも知らない人は居ないんじゃないか? と思う程、メジャーな曲ですが、この曲がヒットしていた当時、マイルスが、タクシーに 乗った際にラジオから流れて来たそうで、運転手に「こりゃ、誰の何て曲だ?」 って聞いたそうなんですねww 爆発的ヒットだったこの曲の、何をも知らないっつーのが、マイルスらしいのですが、 すぐさまそれをカヴァーして、しかもオリジナルに意外と忠実に演奏していると言う のが、いかに、マイルスが、この曲に惚れ込んだか、そして、この楽曲の持つ メロディに、どれほどのチカラがあるかを証明している様な逸話だと思いますね。 それでは、そのマイルス・デイヴィス渾身の「タイム・アフター・タイム」を 聴いてみませんか?いつもの事ですが、バンドメンバーがマイルスの 一挙手一投足から目を耳を逃すまいとする張り詰めた緊張感と哀愁 たっぷりのメロディとの対比が涙なくしては見られない映像です。 ♪♪♪ Miles Davis "Time after time" どんな楽曲もライブでは、テーマを崩しまくって、その場、その時のフィーリング のまま、吹きまくるのがマイルス・デイヴィスと言う人のおいらの印象なのですが、 このライブは、本当にオリジナルの良さを極力残しつつ、ファンキーなサウンドを 展開している点で、本当に素晴らしいですね。 それとね、この演奏をお聴きになってお気付きかと思いますが、正直、かなり、 グダグダな部分があるのは否めない訳です。 ただ、彼が、肺炎による呼吸機能不全で亡くなった事を考えると、この映像の頃は、 かなりマイルスの体が病魔に蝕まれていたのではないか? 相当辛かったんじゃないかな?と想像してしまうんですね。 でも、その音のかすれ、外れ、息切れですら「味」として、そして「凄み」として、聞かせ てしまう所に、マイルスのマイルスたる所以があるのでは?と思ってしまうのです。 マイルス・デイヴィスという人は、「停滞」する事を最も嫌う人でして、ステージ衣装も、 じゃんじゃん変化してましたし、車も常に最新型、付き合う女性も常に最新型(笑)、 それが良いかどうかは別にして(再笑)。 そして、それは、当然ながらサウンドにも反映されていた訳で、電子楽器が台頭すれば それを取り入れ、ラップやヒップホップが流行ればそれも取り入れ、世界的に流行って いた音楽があれば、躊躇なくバンドメンバーに音を出させて、常に新しい音を探り創造 することを止めないアーティストでした。それに付いていけない、多くのリスナーが彼の 元を去ったのですが、離れたと同じ数だけ新しいリスナーを取り込む事の出来る人でも あった訳です。彼が、あるインタビューで答えた言葉があります。 「俺は、古い音が聴きたかったらレコードを聴いてくれと答える。 俺自身は、もうそこには居ないし、彼らのためじゃなく、自分に一番良い様に 生きなきゃならんのだから。」 最晩年の音が、最先端の音になった「Live Around The World」・・・・ もし、興味を持たれた方が、いらっしゃいましたら、是非、ご一聴の程を。 [Live Around The World]の試聴はコチラ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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