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テーマ:今日聴いた音楽(75620)
カテゴリ:CLASSIC
今日は、久々にクラシック行ってみましょうか?
ご紹介するのは、バッハのゴールドベルク変奏曲です。 バッハの作品の中でも演奏時間やその構成をも含めて かなりの大作であります。 映画「ハンニバル」でも、ピアノ演奏版ですが、曲の 一部が使われておりましたので、ご存じの方も多いかも 知れません。 おいらが、クラシック音楽を紹介するときに困るのが、作曲者 の事か、作品自体の事か、演奏者の事か、どれから書いたら良いのか、 或いは、どれも全部書いちゃうか?といつも悩む訳です・笑 全部をですね、詳しくご紹介しようとすると、とても、一つの エントリーだけで終わるハズも無いのですが、今日は、全部を短~く 入れてご紹介してみますわ・笑。 まず、曲にまつわるお話し。 作曲されたのは、1741~42年ということですから、今から、え~と、 約268年前です。日本だと、徳川吉宗の頃でして、暴れん坊将軍が 町中に出て暴れてた訳です。 もう、想像が付かないくらい果てしなく昔です。 これだけとってみても、改めて「バッハって凄いのね」となってしまう kado兄ィでございます。 この時期、「フーガの技法」という、これまたバッハの大作が同時進行 で作られておりましたんで、バッハがノリノリだった頃の作品と言うこと にもなりますね。 この曲は、ロシア大使だったカイザーリンク伯爵という方がいたそう なんですが、その方がひどい不眠症でどうにも寝られないので、長い夜 を慰めてくれる曲をバッハに書いてくれと依頼したのが元で作曲されま した。いわゆる「子守歌」を作ってくれって事ですな。 (ここで脱線しますと、子守歌として依頼されたゴールドベルグ変奏曲ですが、 後で音源聴いて頂ければ分かるのですが、こんなキンキン、シャンシャンした 音じゃあ、とてもじゃないですけど、おいらだったら寝られません。伯爵も 不眠症に拍車がかかったのでは無いか?と想像しております・笑) で、この頃のお偉いさんと言うのは、自分のところにお抱えの演奏者がおりま して、このカイザーリンク伯爵の元には、当時14歳のゴールドベルグ君が、 ご奉公してた訳です。このゴールドベルク君は、バッハの弟子だったんですね。 で、もともとバッハ自身は、この曲に「アリアと種々の変奏」というタイトルを つけていたのですが、この弟子の名前を取って「ゴールドベルグ変奏曲」と言う 通称になるのですが、一般的には、認知されています。 ただし、この説には、胡散臭いところもありまして、何せこの曲75分近い大曲で ある事や、非常に高度な演奏技術が必要なので、本当に14歳の少年に、この曲が 演奏出来たのか?と、論議になっている部分でもあります。 さて、このゴールドベルグ変奏曲ですが、先ほども書きました様に、楽譜に忠実に 演奏しますと、75分ほどの大作で、おいら中学生の頃に初めて聴いたのですが、 確かLPレコード1枚と半分というエライ中途半端な2枚組LPだったのを記憶して います。ただ、これは、一つの変奏曲に第1部(仮にA)と第2部(仮にB)があり、 通常はAABBと演奏されますが、これを演奏者の解釈によりABだけで演奏し切る と約35分~40分、AABという人もいるので、これで50分~55分、さらに 言うと、ABBみたいな方もいるので、これまた50分~55分と、まあ、一つの 楽曲に、ありとあらゆるバリエーションの録音が残されています。 これだけ、楽譜通りに演奏されない曲と言うのも珍しいです。 楽曲構成ですが、主題となるアリアという小曲に始まり、間に30の変奏曲を挟んで 最終曲が最初のアリアとなります。同じ曲で、30曲をサンドウィッチ状態にして いるんですね。 しかも変奏曲3曲ごとに9つのカノンを配置、このカノンは、同度から9度まで1度ずつ 音程を変えて作られています。さらには、第1変奏から第15変奏までを一つの区切りと して第16変奏を「序曲」としていて、楽曲全体を前半15曲、後半15曲に分けて対比 させています。 はあァァァァァァァァァ。。。。。 バッハって几帳面な方なのね・・・絶対にA型だなこりゃ。 ↓一覧表でみるとこちら アリア 第01変奏 3/4拍子 第02変奏 2/4拍子 第03変奏 12/8拍子 1度のカノン 第04変奏 3/8拍子 第05変奏 3/4拍子 第06変奏 3/8拍子 2度のカノン 第07変奏 6/6拍子 第08変奏 3/4拍子 第09変奏 4/4拍子 3度のカノン 第10変奏 2/2拍子 第11変奏 12/16拍子 第12変奏 3/4拍子 4度の反行カノン 第13変奏 3/4拍子 第14変奏 3/4拍子 第15変奏 2/4拍子 5度の反行カノン ------------------------------------ 第16変奏 2/2拍子 序曲 第17変奏 3/4拍子 第18変奏 2/2拍子 6度のカノン 第19変奏 3/8拍子 第20変奏 3/4拍子 第21変奏 4/4拍子 7度のカノン 第22変奏 2/2拍子 第23変奏 3/4拍子 第24変奏 9/8拍子 8度のカノン 第25変奏 3/4拍子 第26変奏 3/4拍子 第27変奏 6/8拍子 9度のカノン 第28変奏 3/4拍子 第29変奏 3/4拍子 第30変奏 4/4拍子 アリア もう、こうなると「設計図」ですわな。バッハの凄い所は、この設計図を 頭の中で描いてから、そこに必要なる音を組み込んでいく作業を淡々とこなし ていく様に見えるところな訳です。 一級建築士の資格でも取れたんじゃないですかね?笑 さ、そして、CDのご紹介ですが、数あるこの曲の録音の中から、今回は、 ヘルムート・ヴァルヒャ版です。 おいら、このヴァルヒャというオルガニスト兼チェンバリストが大好きなんですが、 もう、バッハ演奏のお手本みたいな人です。その一生をほぼ、バッハの演奏と研究に 捧げたと言っても過言では無い方でして、発表されているバッハのチェンバロ曲全曲を 生涯で1度、オルガン曲全曲を生涯で2度に渡って録音するという偉業を達成している 方でもあります。 さらに、ヴァルヒャの凄いのは、盲目の演奏者と言うことです。 つまり、全ての作品を暗譜して演奏する訳です。 少年時代は母親に、結婚してからは奥さんが、暗譜の手助けをしたのですが、 その暗譜の方法が信じられないんです。 オルガン曲で言うと、 1.左手パートを演奏してもらう 2.右手パートを演奏してもらう 3.足部ペダルパートを演奏してもらう 1.2.3を記憶して一つの音楽へと構成する・・・ はあァァァァァァァァァ。。。。。 ヴァルヒャって記憶力が半端無い方なのね・・・。 曲を作ったバッハも凄ければ、演奏するヴァルヒャも凄い訳です。 ヴァルヒャがバッハ演奏の模範とされるのは、彼の持つ身体的なハンデが作りあげ たものに他ならないと言えますよね。 母親や、奥様の力を借りて、一度、バッハの音楽をバラバラに分解する訳です。 それをヴァルヒャが再構築して行くのですから、これほど正しい演奏法は無いのかも 知れません。敢えて、敢えて、悪く言うならば、「面白味」には欠けます。 そこには意外性というものは、あまり見られません。 でも、このCDを最初に耳にすることで、彼以外の奏者が奏でる音が面白かったり 変わってたりと聞こえてくるんです。基本があっての、応用。応用のための基本です。 さあ、そんな堅牢な一大建築物の様なヘルムート・ヴァルヒャの演奏を少しだけ 聴いて今日はお別れです・笑。 この録音は、1961年のモノですから、約40年前のものですが、非常に優秀な録音です。 使っている楽器もいわゆる古楽器のチェンバロではなく、アンマーチェンバロという 現代チェンバロになります。古楽器のチェンバロに比べて、ややまろやかな音のする、 耳に心地良い楽器です。 たまには、クラシックも如何ですか? みなさんが眠くなったら、バッハの勝ちです・笑。 アリア→ 第一変奏→ 第二変奏→ 第三変奏→ ※おまけ この曲の楽譜が無料でDL出来るサイトをリンクしておきます。 譜面を追える方は、これを見ながら試聴されると、さらに興味深く聴けると思います。 アクセスしたサイトの四角いラインの引いた説明文の下に、 I accept this disclaimer, continue to download file というリンクがありますので、そこを左クリックするか、右クリック→対象をファイルに 保存で、PDFファイルが見られます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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