まるで、今は僕のことが好きだとでもいうように、
彼が僕の頭をなでてくれている。
強引に引き寄せられて安心をして、
ますます、好きになっていってしまう。
「寒いね・・・。」
関係ないことをくちばしりながら、
今にもふりだしそうな空を見上げた。
気のせいだよ。
僕は心の中で思う。
彼が愛した人の真似をしているのだ。
そうでもなければ、
彼が僕に関心を持ってくれることすらなかっただろう。
「雪っておいしそうじゃない?」
言いながら、口を大きくあけてみる。
ひっこみじあんな前の僕なら、
とてもそうはできなかっただろう。
だから、
あなたが僕のことを好きなのは、気のせいだよ。
僕はまた空を眺めた。
泣きそうだからはやく雨にふられたい。
この瞳から涙があふれるまえに、
どうか神様。