「あんじゅう」宮部みゆき
あんじゅう価格:1,890円(税込、送料別)【内容情報】(「BOOK」データベースより)さあ、おはなしを続けましょう。三島屋の行儀見習い、おちかのもとにやってくるお客さまは、みんな胸の内に「不思議」をしまっているのです。ほっこり温かく、ちょっと奇妙で、ぞおっと怖い、百物語のはじまり、はじまり。【目次】(「BOOK」データベースより)変わり百物語/逃げ水/薮から千本/暗獣/吼える仏/変調百物語事続★★★ 切ない 恐い 仲間三島屋変調百物語『おそろし』の続編です。前作の千代紙をあしらった可愛らしい装丁はまた違い。今回の『あんじゅう』は、全頁に挿絵つきです!凝ってますね…。おそろし価格:1,785円(税込、送料別)『逃げ水』は。ありとあらゆる「水」を枯らしてしまう男の子の話。白子様という(姿が可愛らしい幼女)山神様が、平太という丁稚奉公の男の子に憑いて…という話。一見、恐い話と思いがちなんだけど。白子様の気持ちを考えてあげると恐いだけでなかったです。『薮から千本』は。不吉とされる双子の女の子の話。忌み嫌われる双子、片方の「お梅」は叔母夫婦に養女に出されて育つ。しかし、「お花」が死んだ事により「お梅」を再び本家に戻そうと話が進んだ途端に、亡き姑の祟りが始まったと言う話。ゾッとする話だったんですが。「売り物の針を使って」という件から、これは亡霊の仕業ではなく生きている人間の仕業と聞いて、ゾッとしてきました。「お梅」の身体に発する疱疹の件も…。こうなってくると死んだ人よりも、むしろ生身の人間の方が恐いですね。表題作『あんじゅう』は『暗獣』と現すんですね。ウィキペディアで調べたけど何にも表記されてませんでした。(^_^;)宮部さんの完全なる俗語なんでしょうか?最初、トトロに出てくる「まっくろくろすけ」の事かと勘違い。どうやら似て非なる者のようです。本来、物の怪というと恐がって近づかないものなんでしょうが。加登屋夫妻は物の怪が「幼い子供」と認知し、可愛がります。二人の一匹で過ごす温かな家庭に、やがて「別れ」が…このお話は、じ~んとくるお話でした。『吼える仏』は。今回、一番、恐ろしいなぁと思える作品でした。自分達の里を守るべく、ある夫婦(妻は身篭ってた)を犠牲にしてしまった話。妻子を失ってしまった夫が仏心を悟り、木仏を作り出す話なんですが…。恐いよね…恐いよね…笑い出す木仏なんて。(T_T)今回。「三島屋変調百物語シリーズ」にレギュラーが増えたのでますます物語りが広がっていくそうでワクワクしました。