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カテゴリ:インフルエンザ・風邪・ノロ・肺炎・麻疹
きょうの健康(2006/12/4放送)より
漢方で対処「呼吸器の病気」 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ まずは 風邪を漢方で治した65歳の女性の例から 冷え性であり いつもどこか具合が悪く虚弱体質で 風邪を引くと治りにくい体質 今回も風邪をこじらせていしまいました。 消炎解熱鎮痛剤を服用するがなかなかよくならない。 微熱・だるい・頭が重い・口が渇くの症状が続く。 思い切って漢方薬治療に切り替えました 「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」 1時間後カラダが温かくなり 翌日には ほぼ元気になりまた。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ 日本呼吸器学会では 風邪や肺炎など呼吸の病気に対しての 漢方薬治療における医薬品の適正な使用法ガイドラインを発表しました。 これまで漢方薬をあまり使わなかった内科医でも 漢方薬を処方しやすくなりました。 ガイドラインはなぜ作られたのか? 1つは 患者からの要望が強かった。 もう1つは 漢方は症状にあわせた指針が必要であるため。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ <風邪の場合の西洋医学と漢方薬の違い> 風邪には大きく分けて ウイルス性と細菌性がある! 西洋医学では ・ウイルス性の場合は 消炎解熱鎮痛剤を使い ・細菌性の場合は 消炎解熱鎮痛剤に抗菌薬を併用する 漢方の場合は ・ウイルス性の場合は 消炎解熱鎮痛剤が漢方薬にかわる ・細菌性の場合は 漢方薬に抗菌薬を併用する 西洋医学と漢方はどこが違うのか? 西洋医学は 病気の原因を科学的に究明して的を絞った治療 東洋医学・漢方は 心身のバランスを整え 自然治癒力を高める 体全体をみた治療 風邪に対する効果 熱がある人に解熱鎮痛剤と漢方薬を投与して比較した場合 漢方薬を与えた患者は1日で熱が下がってくる。 全体でみた場合でも 漢方薬のほうが早く風邪が改善する。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ 漢方薬の特徴 ・複数の生薬を組み合わせる ・エキス剤と煎じ薬がある ・個人の自覚症状・体質や病態で使い分ける 漢方には病気を診断するための様々な概念がある。 その1つが「虚実」という。 これは生体エネルギーを測るものさしのようなもので 風邪ではこの虚実が重要な判断基準となる。 「実証」 ・体力充実 ・抵抗力が強い ・腎臓が丈夫 ・声が力強い 「虚証」 ・体力がない ・抵抗力が弱い ・胃腸が弱い ・声がか細い 実証では 生体の反応が強く 病気を外へ追いやろうとしている状態 虚証では 生体の反応が弱く 病気を外へ追いやる力が弱い状態 風邪の時は 実証であるか虚証であるかを診て 使う漢方薬が違ってくる 例えば 実証はエネルギーがあまっている状態なので 余分なエネルギーを削る漢方薬を使う。 一方 虚証ではエネルギーが不足している状態なので エネルギーを補うような体力を補うような漢方薬を使う。 同じ風邪を引いた時でも 家族の中でおじいちゃんおばあちゃんと 体力がある孫では 違う漢方薬を使うことになる。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ <初期の風邪には> 「 実証 」葛根湯(かっこんとう) 麻黄湯(まおうとう) 「中間証」小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 「 虚証 」桂枝湯(けいしとう) 麻黄附子細辛湯(まおうふしさいしんとう) 一番有名なのは「葛根湯」だが 全ての風邪にいいわけではない。 患者の体力にあわせて 漢方の風邪薬はある。 葛根湯は特に体力のある風邪の人に適している。 このようなことが漢方の治療に重要なこと。 主に実証の人が 熱が出たり節々が痛んだりしたら「麻黄湯」 多少体力がなく 鼻水やくしゃみがひどい人は「小青竜湯」 体力が低下した人は あまり高い熱は出ないで体が寒いという症状がでる時がある。 その時は体を温める薬である「桂枝湯」や「麻黄附子細辛湯」を使って 体を温めて風邪を治していく治療をする。 ☆*☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆*☆ <長引く風邪には> 風邪が長引けば 当然 症状が変わってくる。 咳やたんが取れないとか 食欲がないとか 体がだるいとか・・・ しかし そのような時でも やはり体力によって漢方薬は使い分ける。 「 実証 」小柴胡湯(しょうさいことう) 紫朴湯(さいぼくとう) 「中間証」柴胡桂枝湯(さこけしとう) 「 虚証 」柴胡桂枝乾姜湯(さこけいしかんきょうとう) もともと体力のある人が風邪が長引いた場合 咳やたんが取れないとか 体がだるいとか 口の中が苦くて食欲がないという時には「小柴胡湯」 口が苦い時は 舌を見ると真っ白くなったり 黄色くなってる。 いわゆる胃腸系統が悪い時に出るような症状。 それ以外に タンが喉に絡む症状があるときには「紫朴湯」 一方 多少体力が落ちている人 中間証くらいの体力の人は 食欲がないとか 微熱があるとか の症状の他に 汗をかきやすいという症状が出る。 これは体力が落ちている時に出る症状で「柴胡桂枝湯」を使う。 一方 もともと冷え性があって体力がない人の風邪が長引いた場合は 非常に疲れるとか 体がだるいとかが長引く時は「柴胡桂枝乾姜湯」 体力が低下するとそれが精神状態にも影響して不安とか眠れないという症状が出る。 そのような時は柴胡桂枝乾姜湯で体力不足を補ってあげることが必要。 この他に 咳が残った場合は? 咳は患者にとって辛い症状で とても体力を消耗する 「乾いた強い咳」麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう) 五虎湯(ごことう) 「タンが絡む咳」麦門冬湯(ばくもんどうとう) 麦門冬湯と柴胡桂枝湯を組み合わせて使ってもよい。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ 風邪で漢方薬を服用する時の注意 ・飲み合わせに注意 漢方薬にも多少副作用的なことはある 漢方薬を利用するときは 薬剤師や医師に相談する ・改善しない時は別の漢方薬 漢方薬はかなり即効性があるので 改善しない時は自分に合っていないと考えられるので 別の漢方薬を試してみる必要がある 風邪の場合は30分~1時間くらいで効果がでる ・高齢者は「虚証」から 高齢者は自分で元気だと思っていても 体力的にはある程度低下していると考えられる 強い薬ではなく体力が弱っている時の薬を使うとよい 今日のポイントは 「かぜの漢方薬は「虚実」で判断」 同じウイルスや細菌でも その人の体力や体質で 全く違う漢方薬が選ばれることになる 自分にあった漢方薬を選んで治療しましょう! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.09 21:29:59
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