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カテゴリ:冷え性・低体温・湯たんぽ・静電気・体温
本当は怖い家庭の医学(診察日:11月20日 )より
『本当は怖い足の冷え~無知の落とし穴~』 H・Mさん(女性)/58歳 専業主婦 テレビドラマと食べることが大好きで、殆ど体を動かしていなかったH・Mさん。 前回の健康診断では、夫婦ともに総コレステロール値はほぼ同じ。 そのため、基準値をオーバーしていたものの、 夫から運動不足を指摘されても、タカをくくっていましたが、 最近、右足だけがひどく冷えるのが気になっていました。 3ヵ月後、ようやく日頃の運動不足を解消しようと 夫が日課にしているウォーキングを始めることにしたH・Mさん。 5分ほどで右足のふくらはぎに痛みを感じ歩けなくなってしまいました。 少し休むと痛みはおさまりまた歩けるようになりまた。 そんな彼女を更なる異変が襲い続けました。 (1)片足の冷え (2)足が痛んで歩けなくなる (3)靴ずれが悪化する (4)眠れないほど足が痛む。足がどす黒く変色していました。 診断 ⇒ 閉塞性動脈硬化症 <なぜ、足の冷えから閉塞性動脈硬化症に?> 「閉塞性動脈硬化症」とは、足の血管で動脈硬化が進行。 動脈が詰まることで、様々な症状が現われる病です。 最悪の場合は、片足の切断も余儀なくされます。 そもそも動脈硬化とは、血液中に過剰に増えたコレステロールが血管壁に蓄積。 血液の通り道が狭くなってしまう状態のこと。 とはいえ、総コレステロール値はH・Mさんも夫も同じくらい高かったはず。 実は本当に注意すべきは、「あと二つの」コレステロール値だったのです! 夫の場合、LDLと呼ばれるコレステロール量は 135とギリギリだったのですが、基準値内でした。 このLDLコレステロールこそ、血管壁に溜まり動脈硬化を引き起こすもの。 そのため、悪玉コレステロールと呼ばれています。 一方、夫のHDLと呼ばれるコレステロール量を見ると、 なんと基準値の2倍、80もありました。 実は、このHDLコレステロール、悪玉コレステロールが 血管壁に溜まらぬよう清掃車のように回収する働きがあり、 善玉コレステロールと呼ばれています。 つまり夫は、大量の善玉コレステロールが悪玉コレステロールを 回収していたため、動脈硬化を進行させずに済んでいたのです。 ところが、H・Mさんの場合は、悪玉コレステロール値が 非常に高くなっていた一方、カロリーの高い食生活によって 善玉コレステロールはごくわずか。 そのため、血管壁に溜まったコレステロールを回収できず、 動脈硬化が急速に進行してしまったのです。 しかし、そのことを知らなかったH・Mさんは、 「肝心なのは総コレステロール値」と、大きな勘違いをしてしまったのです。 こうした誤解を避けるため、日本動脈硬化学会が発表した 新たな病名こそ「脂質異常症」 「高脂血症」の診断基準の中から、総コレステロール値を削除。 名称を「脂質異常症」と改め、悪玉コレステロール、 善玉コレステロール、中性脂肪という三つの基準に絞り込んだのです。 もちろん、閉塞性動脈硬化症の原因は、脂質異常症だけではありません。 長年の喫煙や、糖尿病、高血圧などの要因にも注意が必要なのです。 あなたは最近 片足だけが冷えることはありませんか? 歩いたとき ふくらはぎが痛みませんか? そして何より 自分が「脂質異常症」かどうか きちんと把握していますか? 脂質異常症と診断される基準値 LDL(悪玉)コレステロール 異常値140mg以上 HDL(善玉)コレステロール 異常値40mg未満 中性脂肪 異常値150mg以上 ※2007年4月に日本動脈硬化学会が発表した新基準 上記のうち、1つでも当てはまれば、「脂質異常症」です。 悪玉を善玉に変える方法はある? すぐに病院や薬に頼るのではなくまずは自分の努力で! 適度な運動を行うことで善玉コレステロールが増加する。 食生活の改善も効果がある。 それでも改善しない場合は スタチンという薬が悪玉コレステロールの現象に効果的。 普通の冷え性と危険な冷え性の見分け方は? 足の冷え以外に一定の距離を歩くと足が痛い。 休むとまた歩ける。 でもその歩ける距離は一定。 このような「間けつ性は行」という症状があったら受診する。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 『開腹せずに大動脈瘤を治す最新治療』 T・Kさん(男性)/87歳 脂質異常症を長年放置したため、直径10cmという 巨大な腹部大動脈瘤が出来てしまったT・Kさん。 しかし、若い頃患った結核の後遺症で肺の働きが悪く、 全身麻酔に耐えることができないため、 開腹による治療は不可能と言われてきました。 ところが、2007年4月、厚生労働省が動脈瘤の新しい治療法に 保険を適用(開腹手術が推奨されない人に限る)。 その画期的な治療法にいちるの望みをかけ、 T・Kさんは東京慈恵会医科大学病院を訪れました。 腹部大動脈瘤 ⇒ ステントグラフト手術により救われる <開腹せずに大動脈瘤を治す最新治療「ステントグラフト手術」とは?> 「ステントグラフト手術」とは、ステントグラフトと呼ばれる 人工血管を、お腹を切らず体内に入れる最新治療です。 まず、足の付け根を通る2ヵ所の動脈から、道しるべとなるワイヤーを入れます。 次に、そのワイヤーを利用して、 ステントグラフトが入ったチューブを血管に差し入れます。 そして動脈瘤に到達したところでチューブだけ外すと、 形状を記憶したステントグラフトが広がるという仕組みです。 内部から人工血管を張ることで、動脈瘤の破裂を防ぐ、まさに最先端のワザ。 全身麻酔の必要がないこの手術だけが、T・Kさんに残された唯一の治療法なのです。 そして、この手術の日本一の名手こそ、 東京慈恵会医科大学病院血管外科、大木隆夫教授。 12年前に単身渡米、アメリカで最先端のステントグラフト手術の 開発に携わり、この手術法の第一人者に昇りつめました。 そして、全米の外科医1500人が見つめる公開手術で幾度となくメスを握るなど、 大木先生の卓越した技術は現在世界中で注目されています。 2007年10月19日、午前10時15分、手術開始。 最終的に、T・Kさんに投入されたステントグラフトは、計6つ。 今回の手術は、年間を通して一例あるかないかの記録的なものとなりました。 4時間近い壮絶な戦いの末、大木先生は見事、T・Kさんの命を救ったのです。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ■楽天「家庭の医学 DSで鍛える食材健康トレーニング」で検索 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.21 20:40:59
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