ハピふる!(2008/5/27放送)より
こちらハピふる!婦人科
「ピアスのような穴の正体は?」
=40代女性のお悩み=
耳の顔寄りのところに丸く小さな穴のようなものがあります。
こすると本当にうっすらなんですが
何かかが分泌されるらしくニオイがあります。
先日そのこすった手を息子の顔に近づけると
「臭い!うんちみたいなニオイがする」と言われビックリしました。
右耳だけに起こる現象なんですが
一体何が分泌されているのでしょうか?
東京医科大学病院・形成外科・松村一 准教授と生電話
この女性の穴は
先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)と思われる。
先天性耳瘻孔というのは耳の付け根の上に小さな穴が開いていること。
穴の中は数センチの管・細い袋の状態で枝分かれている場合もある。
なぜニオイがあするのか?
カラダの垢や分泌液などがたまってニオイの原因となる。
これは珍しいものなのか?
先天性の中では特に珍しいものではない。
日本人の約50人に1人がこの穴を持っていると言われている。
遺伝的な要素が強く 両親のどちらかが
先天性耳瘻孔だと高い確率で子どもに遺伝する。
お腹の中で顔や耳が形成される時に
組織がしっかりくっつかなかったことが原因。
耳の周囲にできることが多い。
この穴はふさいだ方がいいのか?
必ずしもふさいだ方がいいわけでない。
通常は自覚症状がなく 自分が先天性耳瘻孔だと気づかない人も多い。
ただし この穴が細菌に感染して炎症を起こしたり
中から膿が出てきたり赤く腫れ痛みが伴ったりすると
自然に治ることは少なく 治っても再発を繰り返してしまう。
炎症が治るのを待って手術で周囲の皮膚と共に摘出するのが一般的。
手術は大人ならば局所麻酔で30分程度。
健康保険が適用されるので自己負担額は1万円以下。