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カテゴリ:目・眼瞼痙攣・耳・のど
本当は怖い家庭の医学( 診察日:7月15日)より
「本当は怖い小さな文字の見えにくさ~忍び寄る仄暗い闇~」 N・Nさん(男性)/59歳(発症当時) 銀行員 今から8年前、銀行の中間管理職として 細かい数字が並ぶ書類と格闘する毎日を送っていたN・Nさん。 ある日、書類を目で追っていると ピントが合わず、小さな文字を見えにくく感じました。 しかし よく見るとちゃんと見えました。 それ以来、たまに見えづらいことはあったものの、 昼でもデスクの蛍光灯をつけるなどの工夫でその場をしのいでいました。 数日後 またしても小さな異変が…食卓で醤油を取ろうとして 目の前にコップがあったのに気づかす落として割ってしまいました。 さらに近所を散歩していた時に 歩きなれた道であるのに ものにぶつかることが多くなっていました。 自分で年のせいだと決め付けていました。 夫婦の間では軽い笑い話に…それも会社の定期健診で問題がなく 近眼と老眼があるくらいでだったからです。 新たな症状が襲ったのは文字が見えにくくなってから1年後。 休日に友人と趣味のテニスをやっていた時 友人がサーブした瞬間 ボールが突然消えたように見えました。 底知れぬ不安を感じつつも メガネが合わなくなっていたからだと自分を言い聞かせました。 数日後 4年ぶりにメガネ店を訪れ医師のもと 視力・眼圧・視野検査等を受けたところ… (1)小さな文字が見えにくい (2)目の前の物に気付かない (3)よくぶつかるようになる (4)動いている物が見えにくい 病名 ⇒ 原発開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう) <なぜ、小さい文字の見えづらさから原発開放隅角緑内障に?> 「原発開放隅角緑内障」とは緑内障の一種で、 目の圧力が上がる事で視神経が傷つき、徐々に視野が狭くなっていく病。 最悪の場合、失明してしまう事もあります。 では、なぜこの病に冒されてしまうのでしょうか? そもそも目は、房水という水分によって、 その形を保つために一定の圧力を維持しています。 そして、この房水は線維柱帯と呼ばれる、 はけ口を通って血管に排出されていきます。 しかし、線維柱帯が何らかの原因で目詰まりを起こすと 房水は排出されづらくなり、眼の圧力が徐々に上昇。 その事で、視神経が圧迫され、傷ついてしまいます。 すると、視野が徐々に欠けてしまうのです。 しかし、実際の患者の目からは 欠けているような見え方をしている訳ではありません。 N・Nさんがコップを落とした時、コップだけが あたかも存在していないように見えていました。 緑内障患者は、無意識に両目で視野を補い合っているので、 全体像がちゃんと見えているように感じます。 実際は、視野が欠けている部分を認識できず、 そこだけ何も存在していないように見えるのです。 そしてN・Nさんの場合、症状はさらに進行。 動いているボールが視野の欠けている部分に入ったため、 あたかも消えたように見えました。 この瞬間、初めて見えている部分と 見えていない部分があるという事に気が付いたのです。 2006年、厚生労働省が発表した日本での失明原因の第1位は、緑内障。 その中でも現在急増しているのが、この「原発開放隅角緑内障」です。 家族に緑内障の患者がいる近視などの人は、リスクが高いと言われていますが、 現在のところ、はっきりとした原因は分かっていません。 だからこそ定期的な目の検診で、早期発見をするのが何より重要なのです。 緑内障の危険因子 ・家族歴 ・近視 ・高血圧 視力の悪さと緑内障は関係ある? 近視の場合は緑内障のリスクが2倍になる。 近視の方は注意が必要。 ゲスト患者の大島さんは視力が0.03と強度の近視なので注意が必要。 大島さんはレーシック手術で近視を治している。 レーシックはレーザー光線で角膜を削り近視を治す手術だが レーシック手術をしても近視特有の目の形は変わらない。 手術で近視が治っても緑内障のリスクはなくならない。 緑内障は治らない? 障害を受けた視神経は元には戻らない。 早期発見し治療を行えば病気の進行を止めることができる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.18 10:29:47
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