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カテゴリ:心・あがり症・摂食障害・うつ・帯状疱疹
本当は怖い家庭の医学(診察日:7月22日 )より
「本当は怖い物忘れ~巧妙なるワナ~」 Y・Sさん(女性)/68歳(発症当時) 銀行員 Y・Sさんは、半年前に夫と死別。 もともと生真面目な彼女は、たまに娘が様子を見にきても 寂しい素振りも見せず、趣味の生け花に打ち込んでいましたが、 ある日、娘婿の名前をど忘れしてしまいました。 それから半月後、今度はそれまであまりなかった 肩こりを感じるようになったY・Sさん。 1週間後 なぜか食欲がわかず用意したものを食べきれない。 それだけではなく夜なかなか寝付けない。 全ては年のせいだと思い込んでいました。 そして1ヵ月後 娘にあげたことをすっかり忘れ ネックレスを探し回っていました。 認知症が頭をよぎりますが病院に行く勇気はありません。 そして半月後 キレイ好きだったのになぜか面倒で片付けることができません。 さらに趣味の活花にも全く興味が沸きません。 ついに見るも無残に散らかり異臭を放つ部屋。 今まで見たこともない母の姿に 認知症を疑い病院へ しかし認知症ではありませんでした。 (1)物忘れ (2)肩こり (3)食欲不振 (4)不眠 (5)片付けられない (6)趣味をやめてしまう 病名 ⇒ 老年期うつ病 <なぜ、物忘れから老年期うつ病に?> 「老年期うつ病」とは、その名の通り、高齢者に起きるうつ病のこと。 最悪の場合、自ら命を絶つこともある心の病です。 この10年、毎年3万人を超えている日本の自殺者。 その3分の1は、60歳以上の人です。 そして彼らを死に追いやった最大の原因こそ、 この老年期うつ病だと考えられるのです。 発症の引き金となるのは、何らかの「大きな環境の変化」。 Y・Sさんの場合は、夫の死による喪失感が原因だったと考えられます。 とはいえ、環境の変化だけで、誰もがこの病になるわけではありません。 彼女には、この病になりやすい、もう1つの大きな要因がありました。 それが性格。生真面目で几帳面な人ほど、 環境の変化によるストレスをまともに受け、この病を発症しやすいのです。 では、最悪の事態を招かないために、出来ることはないのでしょうか? それは、この病の3つの特徴を知り、早期発見すること。 第1の特徴は、物忘れなど認知症によく似た症状が出ること。 この病になると、脳で様々な情報をやり取りする神経伝達物質が減少。 そのため、脳の機能が低下してしまいます。 結果、物忘れなど認知症によく似た症状が起きてしまうのです。 2つ目の特徴は、肩こりや食欲不振、さらには不眠といった体の異変が現れること。 脳の機能低下は、自律神経や内分泌系などにも大きな影響を与えるため、 内臓など全身の様々な異常を招いてしまうのです。 そして3つ目の特徴こそ、きれい好きな人がすぼらになったり、 大好きな趣味をやめてしまうといった行動の変化。 こうした興味があったことをしなくなる行動の変化が、 この病の最も重要なサインなのです。 しかし、そうとは知らないY・Sさんも娘も、 すべては年のせいと片付けてしまいました。 これこそが、この病の大きな落とし穴。 老年期うつ病は、「物忘れ」や「肩こり」といった年をとれば誰にでも おきやすい症状から始まるため、見過ごしてしまうことが多いのです。 その後、Y・Sさんは、抗うつ剤の投与で病を克服。 今では元気に趣味の生け花に精を出す毎日です。 老年期うつ病は、薬によって治る病。 そのためにも、この病の特徴をよく知り、 早期発見することが何よりも大切なのです。 あなたは最近物忘れがひどくなってはいませんか? 肩こりや不眠に悩まされてはいませんか? そして何より あなたはまじめで几帳面な性格ではありませんか? <老年期うつ病問診> はい・いいえで回答 1)家事や仕事を人に任せられない 2)人と争うのが苦手 3)趣味などは徹底的にやる 4)人の頼みを断れない 5)変化に富んだ人生は苦手 6)責任感が強い 7)よくよい人だと言われる 「はい」が多いほど老年期うつ病になりやすい 老年期うつ病になりやすい性格 「メランコリー親和型性格」 人に気を遣い 対立を嫌い 秩序を重んじる「良い人」 「執着気質」 几帳面でまじめ 責任感が強く なんでも徹底的にやり通す 今回の問診は両方の特徴を合わせて7つの項目にした。 問診で5つ以上「はい」があるとレッドゾーン。 もう1つ重要なのが「几帳面度」 今回はゲスト患者の部屋の写真から 部屋の状態で几帳面度をチェックした。 老年期うつ病問診でレッドゾーンでも 写真から過度な几帳面さが見られなればなりにくい。 人に気を遣う部分と いい加減な部分で うまくバランスが取れている人もいる。 問診でも部屋の様子からもレッドゾーンの場合 几帳面が強く 秩序が乱れると ストレスからうつになりやすい。 真面目さが高じ 仕事のやり過ぎから 疲弊してうつになる危険性がある。 適度に手を抜き リラックスすることが大切。 <うつ病の対処法> 1)うつ病になりやすい性格かどうか知る 2)早期発見する 病院は精神科か心療内科を受診する。 うつ病は薬で治る病気。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.25 21:02:05
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