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カテゴリ:目・眼瞼痙攣・耳・のど
みんなの家庭の医学(2011/5/3放送)より
長引く治らない症状 本当の原因をもう一度探ります! 名医のセカンドオピニオンスペシャル セカンドオピニオンとはなかなか治らない1つの病に対し 今までの医師だけでなく他の医師に違った角度から診断を求めるもの。 それこそが今までの長引く身体の不調を解決する大きな手がかり。 <眼の悩み> S・Mさん(56歳・女性) 夫とともに洋菓子屋を営む。 不景気でなかなか伸びない売れ行きを解消するため、 今年からネットショップを開店。 すると、口コミで人気が広がり売り上げもアップ。 1日中、パソコンに向かう日々が続くように。 症状(1)「目の疲れ」 ある晩、仕事が終わらずS・Mさんが家で作業をしていた 時、長い間画面をじっと見ていると、 目がしょぼしょぼとして開けていられないのです。 毎日、長時間パソコンに向かっているせいだと思い、 この日は早く仕事を切り上げることに。 ところが翌日の朝、新聞を広げて読んでいると、 目の奥が重いような疲れた感じがありました。 目の疲れはその後も治まらず、ついにはパソコンの画面を 5分と見ることができなくなってしまったのです。 そこで、S・Mさんは近所の眼科を受診。 目の表面から奥に広がる網膜や血管まで、 徹底的に眼球をチェックした結果、問題点は見つかりませんでした。 【ファーストオピニオン】 眼精疲労 眼精疲労とは、ストレスやパソコン画面の見すぎなどによって 目の筋肉が疲労し、痛みやかすみなどがでる状態のこと。 S・Mさんの場合も、仕事で目を酷使したことで 眼精疲労が引き起こされたと考えられました。 早速、目の筋肉疲労に効果がある目薬を点眼し始めますが、 いくら目薬をさしても目の重いような感じは全く良くなりません。 症状(2)「二重が一重になる」 さらに1週間後、S・Mさんに新たな異変が。 二重だった目が、なぜか左目だけ一重になっていたのです。 とはいえ痛みなどはないため、そのまま放っておくことに。 症状(3)「物が二重に見える」 目の疲れを感じて1ヶ月、さらなる異変が。 上目づかいをした時に、パソコンの画面が二重に見えたのです。 やはり、以前よりも目の調子が悪くなっている… 不安になったS・Mさんは、再び眼科に駆け込みました。 すると、医師からセカンドオピニオンを受けるよう勧められます。 こうして彼女が訪れたのが、神経眼科のスペシャリストである 若倉雅登先生(井上眼科病院 院長)でした。 神経眼科とは、普通の眼科とは異なり、 眼球を動かす筋肉のバランスや動き、視神経まで検査する診療科です。 まずは、送られてきたカルテのチェックから。 確かにそこに病変はうかがえません。 それを踏まえて診察に入りました。 すると、先生は1本のペンを取り出し 「ペンの先を目だけで追いかけてください」と言って、 ペンを左右に動かし始めたのです。 そして、上下にペンを動かした時、若倉先生はある病を確信し、 血液検査を指示したのです。 【若倉先生が導き出したセカンドオピニオン】 甲状腺眼症 甲状腺とは、身体の新陳代謝に関わるホルモンなどを作る臓器。 詳しいメカニズムはわかっていないが、 甲状腺に腫瘍や炎症が発生すると誤作動を起こし、 特殊な抗体を作り始めてしまう。 すると、全身に分泌された抗体が、目にも到達。 眼球を動かしている筋肉が攻撃され、 炎症を引き起こしてしまうと考えられている。 なぜ、甲状腺眼症を発見することができたのか? まず、先生が見ていたポイントは、S・Mさんのまぶた。 実は、この病の大きな特徴は、 筋肉の炎症によってまぶたが腫れることにあります。 続いて先生は、まぶたの腫れが炎症であることを確かめるため、ペンを使いました。 ペンを上下左右に移動させることで、目の筋肉の動きをチェック。 そして、上に振り上げた瞬間、決定的症状を目撃。 それは、両目の位置が上下バラバラになってしまっていたこと。 これこそ、この病の特徴的な症状でした。 S・Mさんの場合、特に眼球の下の筋肉に炎症が進み、 腫れが大きくなっていたため、筋肉がひっかかり、 上にあげることができませんでした。 もしこのまま放置していたら、最悪の場合、 目が飛び出したようになることもあるのです。 早期に発見されたS・Mさんは、その後 ステロイド点滴を受けて症状が回復、手遅れにならずにすみました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.12 19:48:27
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