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カテゴリ:目・眼瞼痙攣・耳・のど
みんなの家庭の医学(2011/5/3放送)より
長引く治らない症状 本当の原因をもう一度探ります! 名医のセカンドオピニオンスペシャル セカンドオピニオンとはなかなか治らない1つの病に対し 今までの医師だけでなく他の医師に違った角度から診断を求めるもの。 それこそが今までの長引く身体の不調を解決する大きな手がかり。 <のどの悩み(1)> O・Kさん(55歳・男性) 8人の部下を従え、猛烈に働く 中堅アパレルメーカーの営業部長。 部長になってからも自ら営業に出向き、 絶妙なトークで次々と商談をまとめ上げる。 症状(1)「弱々しいかすれ声」 仕事の成功を祝い、部下たちとカラオケに繰り出し、 いつものように大盛り上がり。 しかし翌朝、普通に声を出しているつもりなのに、 弱々しいかすれ声になってしまいます。 症状(2)「身体がだるい」 のどの痛みや熱はないものの、なんとなく身体がだるいような気が。 「風邪なら引き始めが肝心」と思い、 念のため近所の内科を受診しました。 【ファーストオピニオン】 風邪による声のかすれ 風邪薬が効いたのか、翌日にはすっかり身体のだるさが取れたO・Kさん。 ところが、あの弱々しいかすれ声は全く変化なし。 仕事に支障をきたすわけにはいかないと、一日に何度もうがいをし、 タバコも一時禁煙。でも、一向に治る気配はありません。 最初の診察から1週間、得意先と商談をしている時のこと。 かすれ声が悪化し、途切れ途切れに。 もはや相手が聞き取れないほどになってしまったのです。 こうしてO・Kさんが訪れたのが、生井明浩先生 (はくらく耳鼻咽喉科 アレルギー科クリニック院長)が 当時勤務していた日本大学医学部付属練馬光が丘病院 耳鼻咽喉科でした。 診察では問診の後、のどの診察。 続いて、のどの外側、首筋の触診。 さらに、耳鼻科の必須アイテム「ファイバースコープ」を取り出し、 のどの奥深くを診察。こうして一通りの診察を終えた時、 先生は胸のレントゲン撮影を指示。 胸のレントゲンを見て、先生はある病を確信したのです。 【生井先生が導き出したセカンドオピニオン】 胸部大動脈瘤 胸部大動脈瘤とは、心臓から全身に血液を送り出している大動脈が、 こぶのように膨れ上がってしまう病。 原因は動脈硬化や血管の炎症など様々で、 50歳~80歳の男性に多く発症する。 O・Kさんの場合、塩分の摂りすぎによる高血圧に加え、 喫煙など日々の不摂生がたたり、 大動脈の湾曲した部分にコレステロールなどが沈着。 そのため動脈硬化を起こし、脆くなった血管が徐々に押し広げられ、 こぶのようになってしまったと考えられます。 なぜ、声のかすれから大動脈瘤を発見できたのか? かすれ声を聞いた瞬間、先生の頭をよぎったのは「声帯麻痺」の可能性。 そもそも声帯のヒダを動かす神経は、脳から左右別々に出て 胸の辺りで枝分かれし、声帯へと至っています。 このルートのどこかが圧迫されると、 脳からの指令は遮断され、声帯が麻痺してしまうのです。 声帯麻痺を引き起こす可能性のある病は20以上。 そこで先生はまず、ファイバースコープでO・Kさんの声帯をチェック。 すると、左側の声帯だけが動いていないことが判明したのです。 ここで、生井先生は原因を5つの病に絞込みました。 それは、胸部大動脈瘤、脳腫瘍、甲状腺がん、食道がん、肺がんの5つ。 いずれも生命に関わる恐ろしい病。 先生は、それぞれの病の可能性を問診や触診によって1つ1つ探っていきます。 そして、胸のレントゲン撮影によって大動脈瘤が大きく膨らんでいることを発見。 胸部大動脈瘤と診断することができたのです。 その後、O・Kさんはこぶのように膨らんだ大動脈を 人工血管に置き換える手術を受け、健康も、本来の声も取り戻しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.18 19:13:18
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