|
カテゴリ:花粉症・アレルギー・鼻
みんなの家庭の医学(2012/3/13放送)より
続いてのお悩み お悩みの症状「アレルギー」 東日本大震災では被災地でのアレルギー対策を呼びかけるなど これまで2万以上を救ってきたアレルギー治療のエキスパート かくだこども&アレルギークリニック 院長 角田和彦先生のセカンドオピニオン 実際の症例「原因不明のじんましん」 検査の網をすりぬけた真犯人 47歳 女性 Yさん 子どもの頃から好き嫌いがなく 食べ物などのアレルギーも全くなかった ところがある日 小さな異変が・・・ 本日限りの特売品に誘われ近所のスーパーへ向かった時のこと 突然 くしゃみと鼻水が・・・ “変ね 風邪も引いたのかしら?” 以来時折 くしゃみや鼻水が出るようになったのです 1ヵ月後 更なる異変 その日は娘さんとお出かけ ショッピングにランチと休日を心から満喫 しかし 胸元や腕はもちろん 全身に真っ赤なじんまんしんが出ていた 早速かかりつけの病院を受診 「一番考えられる原因は薬や食べ物に対するアレルギーなんですが 何か薬を飲まれました?」と先生 「いいえ何も飲んでいません」 「症状を起こす前に何か食べましか?」 「パスタとシーフードサラダを食べました」 問診から医師が疑ったのは食べ物アレルギー 血液検査を行いその日食べたものの中で アレルギーの原因になりやすい食べ物のアレルギー反応を調べた 1週間後 血液検査の結果は 「海老や小麦あたりの食べ物に対するアレルギーを 疑っていたんですが どれも反応はでませんでした」 ファーストオピニオン「原因不明のじんましん」 血液検査は異常なしと診断されたが いつまたじんましんが出るかという不安はぬぐえなかった そのため ジンマシンが出た日に食べた 小麦やエビなどを控えるようになった しかし 喉もと過ぎれば熱さを忘れるもの 3ヶ月も経った頃には再び何も気にせず食べるようになった 事実 蕁麻疹などの症状は現れず “自分はあの時たまたま調子が悪かった” と自分を納得させていた まさかその油断が最悪の事態を招くことになるとは知らず ある休日 友人と一緒にランチバイキングを楽しんだ 夕方 友人と別れ最寄の駅へ 急げば電車の間に合うと階段を駆け上り何とかホームへ ホッと一安心したその時 激しい動悸と息苦しさに襲われた 満足に呼吸もできません 倒れこんでしまった彼女の腕や首には 再び蕁麻疹が赤々と浮き出ていた なんとか運んでもらったかかりつけの病院で 症状を抑える緊急処置が施された 処置のかいあってYさんの容体は安定 「急激なアレルギー症状が出た疑いがありますね」と先生 実際に蕁麻疹などアレルギー症状はある しかし原因は全くわからない 困惑しながら医師はこう切り出した 「アレルギーの専門医のいる病院をご紹介しますので 一度そちらで相談してみてください」 この専門医こそ角田先生だった 数日後 病院を受診 まず手渡されたのは生活環境・食生活問診票9枚 およそ200問に及ぶ問診票だった 実はこれこそ角田先生 独自 診察前 徹底問診票作成システム 本人だけでなく家族の食生活も詳しく記入する項目はもちろん 住宅環境や寝具の状態 暖房や空調器具について 使っている洗剤やお風呂の湯のことなど水周りの環境 数百あるアレルギーの原因を徹底的に突き止める いよいよ先生の問診が始まった 記入した問診票に目を通す先生 「駅のホームで症状が現れたということですが 症状が現れる前は具体的にどんな状況だったのでしょうか?」 「改札に入ったときに電車が来る時間になったので 急いで階段をのぼって電車に乗ろうとしたんです その時 急に息苦しくなって倒れてしまったんですけど」 続いて注目したのは「朝 起きた時間」 「この日の前の日は何時に寝られましたか?」 「確か12時ぐらいだったと思います」 「その日 寝不足だったり疲れていたりしませんでしたか?」 「はい 朝も早かったので」 この状況から「運動誘発性タイプのものだな」 <Yさんのアレルギー> 身体が疲れている状況 + アレルギーのある食べ物の摂取 + その後 運動 ↓ 発症する Yさんがバイキングの食べ物の中に原因があるはず! そこで先生は相談者が食べた30品目の中から 運動が引き金となるアレルギーの原因となる食べ物 小麦・マグロ・エビ・卵・牛乳・ナッツ・りんご・オレンジ 8つの食材に容疑者を絞り込んだ 続いて先生が着目したのは「最初の蕁麻疹の時に食べた物」 スパゲッティカルボナーラ・シーフードサラダ カルボナーラの食材で可能性が高い食べ物は 小麦・卵・牛乳 シーフードサラダで疑わしい食材はエビ・タコ 最初と2回目で共通する食材は 小麦・エビ・卵・牛乳 しかし前回の血液検査で 小麦・エビ・卵白・ミルク 4つの食材全て陰性だった 再び問診票に目を落とす先生 すると先生はついにアレルギーを引き起こしていた 驚きの真犯人を見つけた それは家族が習慣的に食べているパン食の項目と 本人が習慣的に食べているパン食の項目 家族 パン食 週7回 本人 パン食 週1回 家族は毎日食べているのに本人は週1回程度 これは食習慣の変化か? 「ご家族は毎日 パンを食べられていますね 以前はYさんも毎日パンを食べていたのではありませんか?」 「はい 確かに以前はパン食中心でしたが 最近は私だけ朝 ご飯食にしています」 そして先生が下した判断は 「もう1度血液検査をしましょう」 セカンドオピニオン 「グリアジンによる運動誘発型アレルギー」 これはグリアジンという成分の摂取とその後の運動 という2つの要因が重なり合うことで発症するアレルギーのこと 先生がアレルギーの犯人と考えたグリアジンという物質 いったい何に含まれていたのか? それは「小麦」 グリアジンは小麦に多く含まれるたんぱく質 しかし小麦は最初の血液検査では陰性されたはず 小麦に含まれるたんぱく質には2つの種類がある 塩水可溶性:アルブミン・グロブミン 不溶性:グルデン(グリアジン・グルテニン) 通常の血液検査で測定するのは塩水可溶性だけ なので再検査を実施して犯人を突き止めた 再検査の結果 グリアジンにアレルギー反応が出た グリアジンの検査ができるようになったのは2年ほど前 その前は一般の病院では検査できなかった 「グリアジン・アレルギー」 小麦アレルギーが陰性なのに 症状が出る人の中に多くいる可能性あり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.22 19:52:40
コメント(0) | コメントを書く
[花粉症・アレルギー・鼻] カテゴリの最新記事
|