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テーマ:車に関するお話(10525)
カテゴリ:アピオ河野社長のコラム
新聞の折り込みチラシに大手家電量販店のチラシが入っていた。フルHDの国内メーカーのムービーが26800円お1人様1台限りと書いてあり、ティッシュペーパーを買うわけじゃなかろうがあ、とナゼカ突然倉敷弁に戻りつつ考えた。 これじゃあいくら売っても売ってもメーカーも流通も部品メーカーもこの電気屋さんも誰も儲からないしいつのまにこんなに安くなっていたのか。 そして次のチラシはカーディーラーのモノ。エコカーという文字とマークそして減税という文字があちこちに散らばったチラシで、そこにはエコポイントが羅列されていた家電のチラシと載っている画像と販売価格の桁が違うだけであまり大差がない。昔からそうだったと言われればそうかもしれないこの数十年見慣れたクルマのチラシで果たしてどれほどの効果があるのか不思議だが、少なくとも私にはそこにかつてのクルマが持っていた夢や新しい何かを微塵も感じない。 幼稚園に通っていたある日の事、幼稚園内に軽自動車が突如(360ccの不動車)が恐らく遊具として置かれた。今からおもえば粋なはからいであった。今ならドアで手を怪我するとか、勝ってに子供が運転席に乗り込んで事故を誘発する恐れがあるなどという声があがってありえないだろうけども、当時はその不動車が置かれてみんな(含む私)喜んでハンドルを握り、ハンドル下のコラムシフトをがちゃがちゃ動かした記憶がある。なにせ全てが本物である。百貨店の屋上にある子供だましの乗り物とは雲泥の差だ。大人気でとにかく競ってその運転席に座った。とにかくクルマは憧れだった。 クルマは家族をのせてあの遠い山を越えて知らないところへ運んでくれる未来の乗り物。テレビ番組では世界の辺境の地をいく番組が砂煙を上げて疾走する姿に憧れた。 やはりクルマは砂煙をあげて疾走しなくちゃね。ふとモンゴルで見た砂煙をあげて疾走するジムニーの姿をみてクルマに憧れた頃を思い出した。 クルマには大別すると走行エリアの面で二つの領域に別けられる。ひとつは移動の手段、トランスポーターとしてのクルマ。しかもその領域は生活空間を結ぶ都市内での移動。あるいは都市間だったりする。いま自動車メーカーが一生懸命なのは主にこの都市内での移動でのクルマだ。都市という単語が大都市をイメージするなら、市町村という言い方でもいい。 そしてもう一方のエリアは画像のようなジムニーが疾走しているような大地だ。実際にはこの領域はジムニーであれば日本の狭い商店街の通りも山のあぜ道も、銀座でも六本木でもどこでも走れてしまう。一方で先に書いたチラシに出てくるクルマでは不安がある。最新の4駆だといわれても私は信頼できない。ましてやEVやハイブリッドカーではかなり厳しい。そもそも最近のクルマは都市部用だ。 心配なのは新幹線に乗るとECOで移動とJRの広告は謳っている。そうなのだ。都市部は電車で移動して国内の移動は新幹線で!と言われるとクルマではなかなか反論できないのであまりそこには触れない方がいいと思うのだが。 しかもはやくその矛盾に気づいた人から、都市部の人からカーシェアリングだとかますますクルマ業界衰退の話ばかりじゃないですか? もうそろそろ賢そうなふりをするのはやめてもっとオバカに行きたい自動車業界であります。だいたいカタカナを使う新しい単語ってロクなものはないんですが、同じ使うならエコロジーではなくエモーショナルで。 昔23年ほど前に、エモーショナルセッションという社内研修がありました。デザイナーの感性を刺激して商品開発にいかせ!というお題目だった気がしますが、早い話がデザインセンター内で籠もってアイデアスケッチを描くのではなく街に出たりカフェで討論したりと要するに遊びの時間だった様子で、私も憧れましたがとうとう私にはそのセッションが回ってくることはなかった恨み(笑)いや、思い出がこのエモーショナルというワードからは思い出します。 シャープの広告でエコノミークラスをもじったエコロジークラスで行こう!というのがありましたが、あれはなかなかいいコピーでしたね。しかしクルマにとってはエコロジーはもう浸透して新車開発にはベースとなっているはずですからさらに買いたくなる好奇心をそそり理由なく走りたい、ステアリングを握りたいというエモーショナルクラスなクルマを出して欲しいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.02.05 12:13:57
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