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2011.02.27
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大地を走るジムニー
 2気筒への願い。二つ目の理由は「味」である。エンジンは食べ物ではないし、何なんだ「味」とは!と思うかもしれない。日本の自動車メーカーの開発会議では厳しいテーマだ。コスト削減や燃費の目標などと比べて数値に置き換えて検討することができないからだ。
 自動車産業が成熟すればするほど特に嗜好性のあるSUVやスポーツカーはこの味付けに哲学やコンセプトがないと中途半端なクルマになってしまう。
 趣味嗜好品の固まりのような大型バイクはかつて日本のバイクメーカーが世界制覇した。モータスポーツという健全で平和的な闘いの中で日本の4メーカーは私が高校生の頃、ほぼ制圧していたと言ってよい。だがなんということか、今やこの体たらく。元気を失ってしまった理由は、いろいろあるだろが、売上げ拡大や市場シェア、数値に現れるスペックばかりに気を取られ挙げ句に、大企業で安定しているからと寄らば大樹の陰的な理由で希望する新入社員が増え、気が付くと、バイクは好きではないんですけど。という、どういうバイクを創っていいのかわからないエンジニアが増えすぎてしまったのではないか。
 反面日本以外のオートバイメーカーはどこも元気だ。一時期ほどの人気は少し衰えを見せているかもしれないが、日本はじめハーレー・ダビッドソンの人気はとても長く続いている。
 そしてBMWも特に私が気にしているせいか、いわゆるアドベンチャーモデルのGSなどは高速道路のパーキングエリア等でもよく見かけるし、ニューモデルを次々と出している点でも元気がいい。
 さらにイタリアではドカティがある。これも根強い人気だ。いわずとおわかりいただけると思うがいずれのオートバイも主力となる心臓部は、2気筒エンジンである。
 しかも排気量はジムニー660CCよりは大きな排気量である。もちろん排気量が大きくなると振動も大きくなるが、この心臓部の鼓動こそがいわゆる「味」を占める要素として大きい。個人的にドカやBMWは僅かな時間しか乗ったことがないので何ともいえないが、現在所有の1998年式FLHRロードキング、そしてその前に乗っていた1990年式の4速スポーツスターは、その前に乗っていたNinja900やFZR750と比べても絶対的なパワーでは劣るが長距離のツーリングや高速道路の移動がとても気持ちよく快楽を感じる時間であることは確かで、サーキットを全開で走るには向いているかもしれない4気筒エンジンよりも旅の相棒としての鉄馬は、2気筒の方が向いているという事だろう。
 人間の心臓部も区分けすると2気筒である。どこかでその感性が心地よいと思うリズムやシンプルな構造も含めてバランスのよいエンジンが2気筒だと思う。特に嗜好性、趣味性の高い大型オートバイの国内市場において淘汰された結果としてこれだけの2気筒エンジンが人気がある現実をみれば、ジムニーも今となっては嗜好性が高く、さらにオフロードというトルクを求める4輪車としてはむしろ2気筒の方が自然なのではないかと言うのが私の長年の持論であった。

 残念ながらそんな私の声は届くことなく、過ごしていたら最近にわかに時代は2気筒に向かうのではないかというニュースが増えてきた。
 その中でも、はやく日本に上陸しないかなと先日もiPadにアプリをダウンロードした現行FIAT500の新型2気筒エンジン「ツインエア」である。排気量は875CC。1400CCの直列4気筒モデルと比べて、寸法で23%短く、重量で10%軽いそうだ。さらにパワー的には1400CCの直列4気筒モデルが100ps/6000rpm、13.4kgm/4250rpmなのに対して 85ps/5500rpm、14.8kgm/1900rpmと充分なパワーながらもなんと燃料消費量は30%も少ないエンジンだそうだ。
 2気筒をジムニーに期待しながらもどこか諦めていたが、ここへ来て世界的にエコという切り口からダウンサイジングそして2気筒化に向かう予感がしてきた。
 40年50年前とはエンジンテクノロジーも進化して、振動もいい意味で「味」として残しつつ感性を刺激するエンジンをスズキでも自社開発して欲しい。
 2気筒のバイクのエンジン技術も素晴らしいターボエンジンの技術を持つスズキさんならば実現は夢でない予感がする。





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Last updated  2011.02.27 00:36:11
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