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2012.06.10
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昨日の続きです。

さて小栗社長率いるオグショーさんで
引き取りした、アピオの打合せ用椅子。

椅子の汚れ

私がアピオに入社した1993年に購入した椅子ですので
なんともう今年で19年。

今年になって7年ぶりにこの部屋のフロアカーペットが
剥がれてきたので交換したところ
今度はイスの変色した19年間に及ぶ日焼けが目立ってきました。

当時の価格はテーブルと椅子で数十万したとか。

以前、これらを購入した事務機器屋さんに
張り替え見積を確認したところ
買い換えた方が安いですとの答え。

そうだろうなあとは思いながらふと30年ほど前の
社会人になって電気メーカーの営業研修中に見かけたあるシーンを
思い出しました。

それはどう見てもまだ新品の冷蔵庫。
でも部品の一部が壊れている。
梱包してさらにそれを遠くの工場へ送り
修理して再び戻すコストを考えると
買い換えた方が安い。

したがってこの冷蔵庫は確かに廃棄しましたという
証拠写真を撮るために大きなハンマーで叩き壊すという説明を
聞いて、なるほど確かにコストはかかるだろうな。
と頭では理解できても
なにかが間違っているという違和感を感じたものでした。

なぜか、ふとその時の情景が蘇ったのでコストもそうだけど
どこかにそれを仕事としてやっている会社に頼めば
経済的にもそしてゴミにならないエコ的にもきっといいかも
と思い浮かんだのがオグショーさんでした。

以前工場を見学させていただいた時に
椅子やソファーの張り替えをしているとう事を思い出したのです。

さっそくオグショーさんの縫製工場である
スプラウトさん以相談したところ
やはりコストは・・・。
少し考えますと1度電話を切りました。 

5000円も出せばイームズのシェルチェアの復刻版が買える時代に
あえて張り替えする必要があるかを考えた時に
なぜか張り替えるべし!とのお告げのようなものを感じて依頼することに
しました。

そして10分後再び電話をするとオグショーさん社内でも
アピオさんの椅子を張り替えるべし?のようなやりとりがあり、
ジムニー用ベッドの拡販も含めてやりましょう!と社長の許可もとりました!。
即!お願いすることになりました。

こうして捨てることなくゴミとなることなく
蘇った椅子がこちらです。

椅子

シート表皮は贅沢にも東レが開発した海外で特にイタリアで
大人気のアルカンターラ。

プレミアム感ある椅子に生まれ変わりました。

そしてジムニー用ベッドに使用している
APIO×OGUSHOWのタグまで

タグ

こうして廃棄していたかもしれない19年目の椅子が
再びこれから10年後も活躍します。

今、日本中でよく聞く言葉

「買い換えた方が安い!」

この言葉にはいつも違和感を感じていましたが
今回ささやかながらもその言葉と今の風潮に
微力ながらにプチ抵抗できた気持ちがうれしく思います。

今回感じたことは
張り替えたり再生するには、そもそもその再生すべきモノの本質が
それに相応しいモノであることが前提です。

この椅子ももっと最近の安いチェアならば他の部分も
すでに壊れて20年近くも持たなかったかもしれません。
この当時の椅子は造りがとてもしっかりしていて重いです。

ジムニーが20年30年と皆さんに愛されて現役で
走ることができる理由は、レストアしたり再塗装したりする
だけの価値があるという事です。

クルマに限らずモノを購入するという事は
そういうホンモノかどうかを見極めて厳選したモノを買う事が
本来のエコだと思います。

そして買い換えた方が安い場合であっても
そこで抵抗を試みて、そして再生をする仕事が
ビジネスとして成り立つような魅力も必要です。

世の中で働いている全ての社会人は
なんらかのカタチでなにかを無形有形を問わず
なにかを提供、サービスをしてその対価として
お金が行き来して経済が回っています。
あるときは売る側であり
あるときは買う側です。

当然安い方が高いよりは魅力的なのはいうまでもありませんが
真剣に考えて使わないとやがていい加減な選択。
安さだけが魅力の安易な選択を続けすぎると
気がついた時には重要ななにかがすでに手遅れになるかもしれません。

アピオ製品は今後も単に安さが売りのモノは創りません。
また少ない利益を削ってまでモノを販売して売上げ金額だけがあがっても
そこにはなんの意味もありません。

楽天市場を見渡しても一時的に低価格だけが売りで、
売上げを伸ばした会社は消え、
あとに残ったのは多額の負債と、職場を失ったその会社の従業員と
迷惑をかけた取引先やそしてその本人にも誰にも負の遺産だけを残してしまいます。

私は最近買い物をする時はまずは極力日本製品であること。
価格ありきで単に安さだけで選んでいないか?を自問自答しています。

「安物買いの銭失い」とは
本当に古来からの先人の知恵だと痛感します。

たかが椅子。
されど椅子。

購入するときは本当にいいものを選び
そして20年経過した頃に張り替えてさらに20年
そんな製品が増えると高額だけども大切に扱い
さらにその張り替える仕事も成り立つ。

トヨタのプリウスなどもこれからの進化に応じて
動力ユニットの規格化により使えるモノは使い
進化する電源はボディはそのままに載せ替え可能に設計し、
さらにその換装やシートの張り替え等も商売として成り立つような
仕組みにすれば、すべてではなくともそうしたサイクルが
成り立つのかな?などなどといろいろ社会について
考えさせられた椅子でした。

あ、話がそれましたが、
椅子の張り替えで、再生していただいたオグショーさん。
縫製工場のスプラウトさんに感謝!
本当にありがとうございます。

皆さんもおきに入りの椅子やソファがあれば
使い込んで廃棄処分にする前に1度再生も検討してみる価値は
あると思います。

スプラウト





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Last updated  2012.06.11 06:24:34
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