福山発東京行きのジムニー車中では八百屋お七の恋相手のお墓発見の話から植村直己そしてカルロス・サインツから平忠彦までザ・ノンストップトークなハイウェイ
さて楽しかったTDRも終わりその日の夜は福山で一泊。すでに日も暮れて土地勘もなければ街灯もない山の中をガーミンの指示通り突き進む。ジムニーでそのままナイトラリーを継続しているかのような狭い道をぐいぐい進む。あとを走ってきたTS4に乗る中島さんナビはパリダカの篠塚さんがそのルートに軽く感動を覚えたほどの楽しい道。道幅はジムニーぎりぎりだったり倒木まで登場してまさに日本離れしたナイトドライブ。 地方都市に時々新星の如くきらめくような雰囲気の居酒屋で至福の時間を過ごし、翌日は帰路につく予定。いつもなら接続したiPhoneから流れる音楽を聴きながらひたすら神奈川県にむけて走るだけだが、この日は急遽まずは中島さんを最寄りの新幹線の駅。すなわち岡山駅をカーナビにセットして走り出す。話はじめると、打てば響くというか、聞けば当時の生情報がなんでも飛び出してくる中島さんとの会話が実に面白くて、あっと言う間に岡山は通過。次は大阪駅、次は京都駅とどんどん過ぎ去り、いよいよ名古屋も高速からは遠いし、浜松はのぞみが停まらないから、この時間からだと東京青山のぜひ来てくださいと案内ハガキが二人から届いた展示を観にいけるかもと東京までの中島祥和さん9時間単独独占インタビュー状態(笑)。画像奥が中島祥和さん。篠塚さんがラリーにデビューした頃にはすでにモータージャーナリストとして活躍していた。 なにせ全編で9時間に及ぶ話なのでとってもご紹介できないが、まずは中島さんは元報知新聞社の記者で、自動車に関する専門ページを最初に作ったとか。アピオがパリダカ参戦している時代は、やれのんきだとか、うれしくない表現てんこ盛りで、歯に衣着せぬ表現というよりも歯が鎧をまとって攻撃してくる文章でお馴染み。近寄りがたいというよりも近づきたくない部類の立ち位置として私も認識していた方ですが、徐々に深く考えや話を聞いていると、ぶれない定規や世間に媚びない姿勢にかつての報知新聞社のDNAを感じる方です。 報知新聞社のルーツは、1872年(明 治5年)に創刊された郵便報知新聞が前身。明治末から大正期にかけて「東京五大新聞」の一角を占めた有力紙の一つで、1877 年(明治10年)に西南戦争が勃発すると、当時記者であった犬養毅による従軍ルポ「戦地直報」を掲載している。1881 年(明治14年)、矢野龍渓は大隈重信と謀って同社を買収。犬養毅・尾崎行雄らが入社し、立憲改進党の機関紙となった。当時記者だった原敬は これに反発して退社している。と報知新聞 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』少し読んだだけで後ろにひっくりかえってしまいそうな歴史。少し前に新聞に村井弦斎という中島さんが報知新聞社に入社した時代はそんな歴史と気骨ある時代の記者がまだ少なからず残っていたとか。 ジムニー車中の話は刻々と変化して最初はバレーボールの記者との事から、私の叔父が実はクラボウのバレーボールチームでオリンピックの日本代表でもあったと話すと名前を知っていてうれしかったり、あるいは、なぜか八百屋お七の話になり、たまたま旅をしていた時にその恋い相手のお墓を偶然発見した話とかで盛り上がり、やがて著書の話では平忠彦さんの話で鈴鹿8耐観戦の話やF-1ドライバーの話やどんどん声が枯れそうになるほど質問しまくりのワタクシ。 で、やがて話はクライマックスへ。かつてパリダカの映像を見た時の番組では前半に植村直己さんが消息を絶った番組だったと話をしたら、植村は山岳部の2年後輩で・・・とそれを聞いたらもう凄いですよ。はい。子供の頃に「青春を山にかけて」を読んで興奮した私としてはもうそこいらの新幹線の駅で降ろすわけにはいかないぞ状態であった。 話がそれるがお約束のウィキペディアで植村直己さんのページを読んでみたらなんと音楽の項目に私が高校生の頃に好きだった曲『星のクライマー』(REIMY:作曲,松任谷由実:作詞,1984年)植村をモデルに作られた曲。とあったのでさらにコーふん。あの曲を歌詞ととみに星空の山の中で聴くとぐっときます。 ここに書ききれないほど濃厚な会話で福山から東京まではあっという間に到着。東京ではアピオコンプリートカーのお客様にジムニーと毎日を旅する気分で、その過ごした時間を記録するノートとしてプレゼントしているトラベラーズノートの発売メーカーであるデザインフィルさんの展示がその23日が最終日だったのでなんとか間に合った!と思いきや私の開催場所のツメが甘くて場所がわからずタイムオーバー。案内ハガキもTDRの資料の中に混じっていて気がついたのは家に戻ってから。とほほ。また次の機会にということで中島さんをお送りしてから再び高速でアピオに戻りました。と最後までひたすら濃いTDRでありました。どこかの雑誌で中島さん本人を取材しただけでも1冊の本になるのではないか?と感じた1日。中島さんのじじばばネットhttp://www18.ocn.ne.jp/~jijibaba/著書も25冊以上あるそうです。タイトルの紹介↓遥かなるマッキンリー―植村直己の愛と冒険亜久里伝説 炎の青春ヒロ松下の挑戦平忠彦 爆走に