『大切な人がいて、その人から離れたくないと思うならば、

　決して自分からその手を離さないで下さい。

　夢を描いていくことが、生きる力になってゆくから…』



たしか、そんな言葉だったと思います。


私と同じような立場から、最後に、愛する人と一緒になった、

ある歌手の方の言葉です。



ステージで、この言葉を口にしたその人は、

とても凛として、美しかったそうです…。



母に、話しました。

大好きな人がいることを。

けれども、その人を、好きになってはいけないことを。



母は、大きなため息をつきました。

ごめんね。ごめんね。ごめんね。

でもね、おかーさんのくれた、


『その人の大切なものも愛しなさい』


この言葉も、痛いほどよく解かるから…だから……だから……




ホントウニタイセツナヒトノテヲ　ハナサナイデ

ユメヲエガクコトガ　イキルチカラニナッテイクカラ


ソノヒトノタイセツナモノモ　アイシナサイ



ねぇ、どっちの言葉も大切に出来る人に、なれるのかな？

相反するこのふたつを、なんとかどっちも手に出来ないのかな？



だから、口には出さずに、そっと祈ろうと思う。

きっとね、いつかね、いちばん好い形で、

この想いを貫くんだと、私は信じてるから。

それは、必ずしも、私が想いをかなえることではないかも知れない。

もしかしたら、思いもよらない形かもしれない。



純愛だなんて、言わないよ。

汚れた手で抱きしめてる想いだから。

ときどき嫉妬でまみれてしまう、つたなくもろい想いだから。



それでも、きっと、

いちばん素敵な形で、この想いを見届けることになると思うんだ…。


だから、夢だけ描いてみよう。



だって夢なんだから。

夢を見ることは、自由でしょう？



結果がどうであれ、これから、そういう想い方をしていこうと思う。



どっちつかずかも知れないけれど、

ときどき嫉妬に苦しむけれど、

それでも……それでも私、あなたのことが、とても好きだから。



誕生日の夜にね、

あなたが、ランドマークタワーから、３つの夜景を見せてくれました。

最初は、観覧車も、赤レンガも、遊園地も、ベイブリッジも見える景色。

ふたつめは、満月が見おろす、たくさんのビルや、野球場(？)が見える景色。

みっつめは、それまでとは違って、

住宅地と思われる灯りが、星みたいに散らばる景色。



いちばん飾り気ないのにね、みっつめの夜景に、胸がぎゅっとなりました。


ちっちゃく散らばる灯りが、まるで星屑みたいで、とてもとても綺麗でした。


あなたみたいだって、思いました。


目立たないだろうけど、おとなしそうに見えるし、のんびりやさんな口調だけど、


私の瞳に、いちばんきらめいて映る人。


私の、たいせつで、愛してる人。



地味かもしれないけど、華やかじゃないかもしれないけど、

私は、地上に散らばる星屑を、そっと手のひらですくえたらな…って思いました。



あなたが想うのは、他の人かもしれません。

そんなこと、最初から解かっていたことです。

だけど、私、あなたのことを、そっと大切にしたいんです。

星屑を、手のひらで、優しくすくうみたいに、

そっと、そっと、大切にしたいんです。



だから、少しでも、私の想いが、あなたに伝わりますように。


泣かずに、強くなれますように。