あなたと連絡取れないことが、こんなに苦しいなんて。



携帯が、使えません。

でも、私、少し時間を置かなきゃいけない。



じゃないと、あなたと向き合えない。



私、大好きすぎて、あなたに『大好き』と、たくさん伝えすぎていたよね。

ずっと、満ち潮のまま、想いをこぼしていたの。



想いの『引き潮』が、たまらなく苦手。



だけど、時々は、距離と時間を置かなきゃ、大切なものが壊れてしまうよね。



でもお願い、

私の声が聴こえない日も、信じててね？

いつだって、どこにいたって、連絡が取れなくたって、

私はあなただけを想っているから、憶えていて。

どうか、憶えていて。



あぁ、早く携帯も、ルータも元通りにしなくちゃ。



会社で、ログを見た。

あなたが……9時半前に出社してた。

心臓が、ドクドク鳴った。



…あなたが…いつも社員ネットに、10時頃ログインするあなたが…



連絡、取りたい。

でも、会社じゃ出来ない。

公私混同は、しない。

でも、今、事情があって、携帯も、家のPCも使えない。



お願い、信じていてね。


私、姿が見えなくても、ずっと好きだから。あなただけ。




電話。

会社の電話、鳴った。

9時50分、鳴った。



！



あなただ。

直感的に思った。



そんな、今、電話取れないよぉ………




声、聴きたい。

メール、したい。



でも、耐えて。

ちゃんと、耐えて。



好き。

でも、好き、それだけじゃだめなんだ。





会いたい。




会いたい。





だめ、会社なんだから。

公私混同しちゃ、だめ………。






涙が、出そうになった。

連絡、しなきゃ。

心配してる。



でも、今、出来ない、だめ。



どうか、少し、強くなってね。私。

好きなだけじゃ、だめなんだ。

大切に、大切に、続けていくために、

私が、あなたにべったりな部分、直さなきゃいけないでしょう？



月みたいに…満ちて…欠けて…

ただ、音もなく、淡い光だけ放って、静かに見てる。



ねぇ、信じていてね。

いつだって、想っているから、

雲に隠れても、雨で姿がかすんでも、太陽の光で見えなくても、

私の想い、信じていてね。