おひめさま、だっこ。



『重くない…？』

『全然。軽いよ？』


投げちゃえ～、と、冗談であなたが抱き上げた私を放り投げようとする。


『もぉ～…』



ふわ。



優しくベッドの上に寝かされて、

なんだか、ちょっとだけ恥ずかしい。



あまい恥じらいが、私の身体中を流れてる。



とく、とく、とく………胸の奥、静かに、やわらかく…高鳴る。



小学校5年生くらいのときに、

エッチな話が大好きな、仲良しの女の子がいて、

その子が、エッチな女の子向けの雑誌の別冊付録を持ってきていて、

仲良し4人で囲んで読んでたんだよね。



そのときの記事を、ふと思い出す。



セミヌードでベッドに横たわる、色っぽい女の子の絵が描かれてて、

こんなことが書いてあった。



『エッチのとき、女の子を綺麗に魅せるのは、ランプシェードのオレンジの光』



電気をまるっきり消してしまうよりも、

明る過ぎる蛍光灯の下よりも、

ずっとずっと、女を色っぽく、艶っぽく魅せてくれる、間接照明。



そこで、本当は、アロマポットとかで、

ラベンダーか、クラリセージか、イランイランの香りを焚いてたらよかったかも…。



あなたの目に、私はどう映ってるの…？

私、あなたの瞳に、いちばんきれいに映りたい………。



『脱いじゃえ』



ねぇ、Ｔシャツと、下着を脱いだら、

もう邪魔するもの、何もないの。



だから……私に、あなたの身体、感じさせて？

あなた、私の微熱…感じて………。




『…大好き…』

そう言ったら、あなた、そっと私のくちびるを、吸う。

私、あなたの舌、感じたくて、そっとくちびるを開く。






ねぇ、もう、私、溶けてきちゃったみたい……。






だけどね、

この後………どう過ごしてたかはね、






私と、あの人だけの………ひみつ。