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カテゴリ:ナンデモナイハナシ
1年半以上………前でしょうか。 私は、いつも帰りが深夜になる元・相手に、 ひとり寂しくごはんを作って、 玄関の明かりをつけて、待っていました。 パンを焼いて、サンドイッチを作ったり。 元・相手の好きだった、鶏肉とアボカドの炒めものを作ったり。 そんな風にして、待っていました。 でも。 奴が選んだのは、リカという女でした。 私は、リカを傷つけたくてたまりませんでした。 私は、奴を傷つけたくてたまりませんでした。 いつから…話をしなくなったでしょうか。 いつから…暴力を振るうようになったでしょうか。 思えば、私が、ビジネス研修で、それどころじゃなくなったあたりかもしれません。 憎み合って、別れました。 警察までも巻き込んで。 会社の人も巻き込んで。 でも今、なぜ奴がリカを選んだか、やっと解かる気が…しました。 もし、もっと、あなたの好きなものを否定せずに見ていたら。 もし、もっと、あなたの心の闇に気づけたら。 奴と別れたことは、修二やトモユキのときのように、傷にはなっていないけど、 ……今になって、やっと、理解出来る気が……しました。 不倫をしていた友達が、いました。 ゆうみちゃん、というコでした。 ゆうみちゃんも音楽をやっていて、プロデューサーと不倫していました。 そのプロデューサーが大嫌いでした。 過去に…別の女の子………優真(ゆま)ちゃんが、傷つけられていたからです。 私は、彼女を止めました。 嬉しそうな彼女が可哀想で。 プロデューサーにムカついて。 でも。 今、やっと理解出来るようになりました。 そんなこと、ゆうみちゃんにとっては、迷惑でしかないことを。 私は、いいことをしたつもりで、逆に彼女を傷つけていたことを。 それこそ、エゴイスト以外の何物でもないんだと。 そう……気づきました。 もし、あのとき、ゆうみちゃんが別れてしまったら、 一体私はどうするつもりだったのでしょうか。 所詮、私の優しさなんて、 『他人だから』言えたことなんです。 自分の両親が、悲しい思いをしているから。 思春期の自分が、悲しい思いをしているから。 あなたに、そんな風にしてほしくない…そうもっともらしい理由をつけて、 私は、おかしな優越感に似た『優しさ』を抱いて、 ゆうみちゃんを諭していたんです。 こんな私は、ゆうみちゃんと友達である資格はありません。 私は、ゆうみちゃんの元を去りました。 ゆうみちゃんは、私の父の愛人ではありません。 プロデューサーは、私の父ではありません。 奴は、私の父ではありません。 そして、私は、 私の母ではないんです。 私の過去と、ゆうみちゃんをオーバーラップさせたことで、 逆に、もしかしたら、ゆうみちゃんを傷つけてしまったかもしれないんです。 ゆうみちゃんは……たぶん、解かっていたと思います。 そして、リカも。 それでも、大好きだったんだと思います。 ゆうみちゃんは、プロデューサーの奥さんの気持ちを超えるくらいに。 リカは、私の気持ちを超えるくらいに。 最後に残るのは、 『いちばん強い想い』なんだと思います。 どちら側であったとしても。 だから………。 私はやめません。 何があっても。 たとえ、何が待っていても。 未来は、創っていくもので、過去を引きずるものじゃないから。 明日さえ、誰にも判りません。 たとえ全てを敵に回しても。 大切なものがあるんです。 ねえ、お母さん。 言ったよね。 『好きな人に、大切なものがあるならば、 その人の家族も愛しなさい』 そう……言ったよね。 じゃあ、お母さん。 お母さんは、充分にお父さんを愛せてた? ねえ。 ちゃんと…お父さんの寂しさに。不満に。気づけてた? 愛って……なに? 教えてよ。 私ね、お母さんのこと、大好きだよ。 だけどね、少しだけね、 お父さんが出ていった理由も、解かる気がするよ。 お母さんの言葉。苦しいよ。 重いよ。苦しいよ。 『好きな人の大切なものも愛しなさい』 解かるよ。解かってるよ。 そんなの、頭でちゃんと解かってるよ。 でも、お母さん。 お母さんは、私に言ったこと、出来るの? お父さんの、愛人の人、愛せるの? ねえ。 もし、お母さんが私だったら、 好きな人のおうちの人、愛せるの…………? 出来ないこと、おしつけないで。 お母さんが出来なかったこと、私におしつけないで。 お願い……お願い……お願い…… お願いします。 見本……示してください。 バカな私に。 指し示して、下さい…………… ごめんなさい。お母さん。 それでも私は、 あの人が大好きです。 たとえ何が立ちはだかろうと。 最後まで。 下手したら最期まで。 この想いは貫きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
September 17, 2008 11:27:17 AM
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