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September 16, 2008
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1年半以上………前でしょうか。



私は、いつも帰りが深夜になる元・相手に、

ひとり寂しくごはんを作って、

玄関の明かりをつけて、待っていました。


パンを焼いて、サンドイッチを作ったり。

元・相手の好きだった、鶏肉とアボカドの炒めものを作ったり。

そんな風にして、待っていました。



でも。

奴が選んだのは、リカという女でした。



私は、リカを傷つけたくてたまりませんでした。

私は、奴を傷つけたくてたまりませんでした。



いつから…話をしなくなったでしょうか。

いつから…暴力を振るうようになったでしょうか。


思えば、私が、ビジネス研修で、それどころじゃなくなったあたりかもしれません。



憎み合って、別れました。

警察までも巻き込んで。

会社の人も巻き込んで。



でも今、なぜ奴がリカを選んだか、やっと解かる気が…しました。



もし、もっと、あなたの好きなものを否定せずに見ていたら。

もし、もっと、あなたの心の闇に気づけたら。

奴と別れたことは、修二やトモユキのときのように、傷にはなっていないけど、


……今になって、やっと、理解出来る気が……しました。





不倫をしていた友達が、いました。

ゆうみちゃん、というコでした。

ゆうみちゃんも音楽をやっていて、プロデューサーと不倫していました。


そのプロデューサーが大嫌いでした。

過去に…別の女の子………優真(ゆま)ちゃんが、傷つけられていたからです。


私は、彼女を止めました。

嬉しそうな彼女が可哀想で。

プロデューサーにムカついて。


でも。


今、やっと理解出来るようになりました。



そんなこと、ゆうみちゃんにとっては、迷惑でしかないことを。

私は、いいことをしたつもりで、逆に彼女を傷つけていたことを。

それこそ、エゴイスト以外の何物でもないんだと。

そう……気づきました。



もし、あのとき、ゆうみちゃんが別れてしまったら、

一体私はどうするつもりだったのでしょうか。

所詮、私の優しさなんて、

『他人だから』言えたことなんです。

自分の両親が、悲しい思いをしているから。

思春期の自分が、悲しい思いをしているから。

あなたに、そんな風にしてほしくない…そうもっともらしい理由をつけて、

私は、おかしな優越感に似た『優しさ』を抱いて、

ゆうみちゃんを諭していたんです。



こんな私は、ゆうみちゃんと友達である資格はありません。

私は、ゆうみちゃんの元を去りました。



ゆうみちゃんは、私の父の愛人ではありません。

プロデューサーは、私の父ではありません。

奴は、私の父ではありません。

そして、私は、

私の母ではないんです。



私の過去と、ゆうみちゃんをオーバーラップさせたことで、

逆に、もしかしたら、ゆうみちゃんを傷つけてしまったかもしれないんです。

ゆうみちゃんは……たぶん、解かっていたと思います。

そして、リカも。

それでも、大好きだったんだと思います。



ゆうみちゃんは、プロデューサーの奥さんの気持ちを超えるくらいに。

リカは、私の気持ちを超えるくらいに。



最後に残るのは、

『いちばん強い想い』なんだと思います。

どちら側であったとしても。



だから………。

私はやめません。

何があっても。

たとえ、何が待っていても。

未来は、創っていくもので、過去を引きずるものじゃないから。

明日さえ、誰にも判りません。

たとえ全てを敵に回しても。

大切なものがあるんです。



ねえ、お母さん。

言ったよね。



『好きな人に、大切なものがあるならば、

 その人の家族も愛しなさい』



そう……言ったよね。



じゃあ、お母さん。

お母さんは、充分にお父さんを愛せてた?

ねえ。

ちゃんと…お父さんの寂しさに。不満に。気づけてた?



愛って……なに?

教えてよ。



私ね、お母さんのこと、大好きだよ。

だけどね、少しだけね、

お父さんが出ていった理由も、解かる気がするよ。



お母さんの言葉。苦しいよ。

重いよ。苦しいよ。



『好きな人の大切なものも愛しなさい』



解かるよ。解かってるよ。

そんなの、頭でちゃんと解かってるよ。



でも、お母さん。

お母さんは、私に言ったこと、出来るの?

お父さんの、愛人の人、愛せるの?



ねえ。

もし、お母さんが私だったら、

好きな人のおうちの人、愛せるの…………?



出来ないこと、おしつけないで。

お母さんが出来なかったこと、私におしつけないで。



お願い……お願い……お願い……



お願いします。

見本……示してください。

バカな私に。

指し示して、下さい……………



ごめんなさい。お母さん。

それでも私は、

あの人が大好きです。



たとえ何が立ちはだかろうと。



最後まで。

下手したら最期まで。

この想いは貫きます。







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最終更新日  September 17, 2008 11:27:17 AM
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