カテゴリ:論考集
アメリカでは、バイデンがとうとう出馬を断念、カマラハリスがマイノリティの代表として民主党の大統領候補となった。おそらく「もしトラ」はこれでなくなった。「トランプ=重罪犯」とする民主党の戦略は功を奏するだろう。しかし、アメリカでも、リベラルか保守かは分からないが、次にはもう少しましな、つまりバカには見えないポピュリストが登場し、大統領権限自体を強くするだろう。
日本でも、まったく国民が支持しない首相が、緊急事態条項などの点の改憲と言い出している。別に、改憲したっていいのだが、問題は国民がまったく政治に無関心か、無知であることだ。その証左が、格差の下に置かれた人たちが、それを推し進めた政権の熱心な支持層だったことである。その姿は、プアホワイトと呼ばれたトランプ支持者と重なる。もちろん、実際の共和党集会に参加したり、ホワイトハウスを襲撃したりするという点で、アメリカは、まだ国民が政治に関わろうとする構造がある。結局、首相ではなく、国会議員を選ぶことしかできない日本の若者は、その権利すらあっさりと放棄する。 欧州でも、極右ポピュリスト政党が議席を伸ばしている。独裁と民主のどちらが国民を幸福にするかなどという問題が、幸福の定義もしないままヒートアップしている。 おそらく、この十年、二十年で民主主義は衰退していくだろう。その後、どういう時代が来るのか。AIが膨大なデータから、政策のいくつかのオプションを示し、人間がそれを実行するという、アシモフの描いたような時代はまさか来ないだろうが、いずれにしても「民主主義」は早晩終わるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.08 07:03:04
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