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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:研究者のつぶやき
本日は、もう一つ。
昨日、昼食の席で、同僚(昼食持参)がおもむろに取り出したのは、 鯖のトマトソース味!?何か、、、不味そうなのですが・・・。 ウィキペディアで見つけた上の写真の見出しには、北欧とイギリスで人気のある、トマトソース漬け鯖とありました。 ・・・で、これが本題ではなく、話は、環境問題の方です。 スウェーデンでは、(大西洋)鯖(スウェーデン語で、マークリル/makrill)は、妊婦が絶対に避けるべき食べ物に指定されていますが、それは、ボスニア湾(Bothnian Sea/Bottenhavet)やバルト海(Baltic Sea/Östersjön)で取れる鯖に、重金属の体内高濃度蓄積があるとされているからです。 かつて、ヨーロッパ最大の銅山と呼ばれたファールンや、他の重金属系の鉱山がいくつかあり、精錬・製鉄場も少なくなかったスウェーデンでは、16世紀から重金属を含んだ排水をボスニア湾やバルト海に垂れ流していたわけで、今だに、漁獲制限はもちろん、取れた魚の摂取も極力少量になるよう規制(自制?)しているようです。 最近、ブログお友達のsmultronさんが、エコ電球への切り替え(EU圏全体)に伴う、水銀再回収率への懸念をご指摘されていますが、 「水俣病やイタイイタイ病を出しておきながら、未だに、重金属リサイクルの対策が充分に取られているとは思えない国(←日本のことです)の人に、スウェーデンにおける(電球使用の)水銀再回収率が懸念的かも、と言われるのは心外。むしろ、他のEU諸国にその懸念はむけられるべきでしょう。」 と夫に反論されてしまいました。ちなみに、夫は一年間でしたが、(主夫として)日本での生活を体験している(分別ゴミ出しも夫の仕事でした^^;)ので、私としては反論の余地なしです。 また、夫は今は、成層圏オゾンに関わるトレースガスと呼ばれるものの物理化学を専門としていますが、高校(正確には、日本の高専に相当するコースに在籍)時代に、実務的化学工学を専攻しているので、環境問題に絡む、化学のことにもかなり詳しいわけです。 さらに、何故かスウェーデン環境法典にも詳しいし、スウェーデンの自然保護協会(Naturskyddsföreningen、グリーンピースのように過激ではないです^^;)・キルナ支部員として、市役所環境部に色々と注文をつけるし・・・。私も、物理の世界に戻ってくる前に、民間シンクタンクで水環境のコンサルタントとして、環境庁(当時)の水環境・特に富栄養化に関する政策決定支援の、数理的手法による科学コンサルをやっていましたが、夫の守備する環境問題とそれへの関心には、到底敵いません。 ・・・鯖缶から、自然界に排出される(水銀も含めた)重金属と、それをいかに抑えるか・抑えているかの議論(当然、鯖缶持参のスウェーデン人同僚を巻き込んで!)になって、いつもより時間をかけた昼食になってしまいました。 物理屋だからと言って、(特に、スウェーデン人に関しては)、環境問題に疎いなんて、絶対にあり得ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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