[本・映画]の記事一覧 | 有明の月

『宙ごはん』～町田そのこ

すぐ読み終わるかと思って読み始めたけれど、時間がかかった。前半が特に泣けました。産みの母と育ての母を持つ宙（そら）。６歳のとき、育ての母一家が海外に住むことになり、産みの母と暮らすことを選ぶ。宙ごはん / 町田そのこ【本】予想していない展開が何度もあった。それがちょっと重かったかな。

2022.08.29

『セカンドチャンス』～篠田節子

面白かった読みながら主人公の麻里は、群ようこさんの小説に出てきそうな人だなぁ～と思ったり。長年の介護が終わり、生活習慣病から抜け出せない麻里。水泳に通うことになるのだが・・・セカンドチャンス [ 篠田節子 ]読んでいると、プールに通いたくなる。

2022.08.24

『ペガサスの記憶』～桐島洋子　かれん　ノエル　ローランド

最近、桐島洋子さんの話題を聞かなかった理由がかかれていた。前半は、桐島洋子さんが書かれていて、後半は、子供たち3人（かれんさん、ノエルさん、ローランドさん）が書いている。桐島洋子さんの「マザー・グースと三匹の子豚たち」を大昔に読んでいた私は、子供たち3人が書いた文章を読んで、大昔の物語が完結したように思えた。ペガサスの記憶 [ 桐島洋子 ]子供たちの書いたあとがきにぐっときた。読んで良かった。

2022.08.17

『たこせんと蜻蛉玉』～尾崎英子

夫と死別し、不登校の息子（小学生）と暮らす主人公。許せないと思っていた高校の同級生との再会が、そのできごとの呪縛を抜け出すきっかけとなる。たこせんと蜻蛉玉 [ 尾崎英子 ]高校時代の恋にも決着がついて、息子とのこれからが前に進んでいく。心が解きほぐされて、いままでと違った見え方ができるようになると、まわりも変わっていくのかもね。

2022.08.15

『オリーブの実るころ』～中島京子

６編の短編集。読み始めて、うまいなぁ～と思う。中島京子さんさすがやねと。オリーブの実るころ [ 中島京子 ]最後の「春成と冴子とファンさん」が好み。登場人物がいい「ローゼンブルクで恋をして」も父と息子の関係もよかった。「ガリップ」は表紙の白鳥の名前。白鳥が飛来する沼にも、一年中そこにずっと住み続けている白鳥がいて、「ガリップ」がリアルに想像できた。

2022.08.12

『夜に星を放つ』～窪美澄

直木賞受賞作。でも、いままで読んだ窪美澄さんの本と比べてインパクトがないかな。夜に星を放つ [ 窪美澄 ]読みやすいけど、印象に残らない。いままでの本があって、これがあっての直木賞なのかもしれないけど・・・この本で受賞っていうのが少し残念。

2022.08.11

『残された人が編む物語』～桂望実

行方不明者捜索協会（民間企業）に依頼して、スタッフの西山静香さんと一緒に身内や友人を探す人たちの物語。捜査が終わっても、オプションでサポートサービスをつけていると、行方不明者が亡くなっていた場合、晩年どんな暮らしをしていたのか、一緒に調査してもらえる。残された人が編む物語をサポートしてくれるのだ。全編、探している人は亡くなっています。残された人が編む物語 [ 桂望実 ]５編のうち「最高のデート」以外は泣けます。「最高のデート」は泣けませんが、その理由は読めばわかります。最後の１編は西山さん自身が編む物語。行方不明になって亡くなった人の本当の気持ちはわかりませんが、残された人が物語を編むことで再生していく姿が描かれています。

2022.08.01

『カレーの時間』～寺地はるな

いま、はやりの？美味しいものがたくさん出てくる小説ではない。食べ物は主にカレー、メインはレトルトカレー祖父はカレーを作って売る会社に勤めていた。３姉妹を育て、その孫のうちの一人が潔癖症の桐矢。相容れない２人が同居することになる。カレーの時間 [ 寺地　はるな ]桐矢ほど若くないけれど、桐矢の気持ちがよくわかる。読んでいくうちに、義景（祖父）の過去、祖母の過去、娘たち（桐矢の母や伯母）の気持ちにも理解が深まる。桐矢、がんばれ！

2022.07.23

『夏の体温』～瀬尾まいこ

『夏の体温』は入院中の小学３年生の少年のお話。同じ学年の少年が２泊３日で入院してきてプレイルームで一緒に遊ぶ。小学生３年生の行動や気持ちは理解できるとして、読んでいて感情移入はあまりできず。大人の考える少年なのかな？と考えてしまったり。次の『魅惑の極悪人ファイル』の方がより親近感がわいたかな。大学生の話なので、小学３年生より歳が近いからか？（笑）私が小学生の頃の記憶があまりないから？（ちなみに中学もあまりない）最後の手を振るシーンが良かった。夏の体温 [ 瀬尾まいこ ]

2022.07.20

『きみの正義は　社労士のヒナコ』～水生大海

社労士の個人事務所に勤務するヒナコのお仕事小説。ヒナコは社会人6年目、社労士事務所に入って２年目。2018年4月、改正労働契約法によって、有期雇用で５年を超えて契約を更新するものが、希望すれば無期雇用に転換できるという時期のお話。社労士事務所がどんな仕事をしているのかわかります。雇用に関する法律の勉強にもなります。きみの正義は社労士のヒナコ（文春文庫） [ 水生大海 ]昔の話ですが、友だちが勤めていた会社（正社員）を知らない間に退職扱いにされ勝手に退職金が振り込まれ、契約社員にされていたというできごとがありました。友だちだけでなく、他の人も同時に。それを指南していたのがその会社と契約している社労士だったそう。びっくりですよね。私だったら、労基署に行っていたと思いますが…友だちが労基署に行ったかどうかは覚えていません。結局、友だちは会社を辞めました。友だちのいた会社の社労士がヒナコさんだったら違う結末になったことでしょう。

2022.07.15

『一心同体だった』～山内マリコ

10代から40代までの女性同士の友情を描く。実感としてうなずけることもいろいろ。一心同体だった [ 山内マリコ ]当時仲が良くても、会わなくなると、離れてしまう。ぜひ50代から80代くらいまで、続きも読みたい。人見知りなので、自分から初対面の人に近づいていくのは苦手だけれど、過去にこの人と友だちになりたいと思って自ら話しかけ、徐々に距離を詰め、知り合ってから17年くらい経つがいまだに友だちだ。

2022.07.13

『いつかの岸辺に跳ねていく』～加納朋子

こればネタバレ厳禁の本です。ただの青春小説ではありません。後半に起こるいろんなことにびっくりしました。いつかの岸辺に跳ねていく [ 加納朋子 ]文庫化もされています。いつかの岸辺に跳ねていく（幻冬舎文庫） [ 加納朋子 ]護くん

2022.07.07

『風の港』～村山早紀

空港の本屋さんが舞台。非現実的なお話が苦手な人には向いていないかもしれない。風の港（文芸書） [ 村山早紀 ]その部分を気にしなければ、読後感もよく、希望も感じる一冊。空港の本屋さんはなくならないで欲しいし、需要もあるからなくならないと思う。旅先で、街の本屋さんや駅で買った本って、あー、あそこであの本買って読んだなぁ～ってよく覚えている。その本がなにかのきっかけになることも。まったく読んだことのない作家さんの本を手に取って、とても良かったとか。私の場合は小説のようなことは起こらないけれど。店員さんのポップも気になるし、旅先だったら、店員さんとお話できるとうれしいかも。

2022.07.05

歯医者さんの謎

いままで通っていた歯医者さんが、一方的に望んでいないことをしたので、替えました。会社の近くの歯医者さんに替えたのですが、おそろしく予約がとれません。仕方なく、地元で別の歯医者さんを探しました。12月から通い始め、やっと先週、いったん終わりを告げられたのだけれど・・・２週間に１回しか予約が取れないし、やってることにも謎が多い。６回かけて歯石取り。他の歯医者さんでは、上で１回、下で１回だったけど。通院し始めてすぐに会社の歯科検診があったけれど、なんの指摘もなかった。６か所に分けてやっているせいか、処置の時間がとても短い。そして、検査も１回の予約で、あっという間に終わる。会社の近くの歯医者さんは、１回45分くらいかけてやってくれていたので、やってもらった感もあったけど。２回で終わるし。歯石取りが終わった次の回は検査のみであっという間に終わり。それにしては、やけに料金が高いと思って、眼鏡を取り出し、明細書を眺めていたら、なにか疑問点があればご説明しますけどと言われた。説明してもらわなかったけど・・・次の回は、虫歯の治療をレーザーを使ってやっていただいたにもかかわらず、いまだかつてない180円という請求にびっくりしたら、再診料だけいただいていますとのこと。さっぱりわけがわからない。でも、いままでいろんな歯医者さんで治療を断られている歯について相談したところ、やってくださるとのこと。なので、もうしばらく同じ歯医者さんに通います。それと謎なのは、歯医者さんってレントゲン撮ったり、検査したりして、治療すべき歯ってわからないのだろうか？？？こちらから申告しないと治療しない（歯肉炎を除く）のはなぜ？？？申告したら、デジカメで撮った写真を見せて、「黒くなっていますね、治療しましょう」って。こちらから違和感を訴えないと、治療しないのかな？？？もちろん、治療するかどうか、どのように治療するのかは説明、確認してからにして欲しいけど、あきらかに治療すべき歯があれば、先にこんな状態ですけどって言ってくれないのかな？？？なんのためにレントゲンを撮ったり、検査をしたりしているんだろー？？？謎だらけだ。

2022.07.03

『古本食堂』～原田ひ香

おいしそうな食べ物がたくさん出てくるし、神保町の古本屋さんが舞台ということで、本の話も興味をそそられる。古典や、外国の本など、きっとこれから読むことがないであろう本でも、作者の紹介で楽しむことができる。読んでいると、神保町の古本屋さんや喫茶店、食べ物屋さん、行ってみたくなる。古本食堂 [ 原田ひ香 ]神保町をいくらでも探索するできる時期があったのに、古本屋さんに足を運んだのは数えるくらいだったなぁ～登場人物のこれからも、お店のこれからも気になる。続編が出たら読みたい。

2022.06.23

『クスノキの番人』～東野圭吾

伯母の千舟からクスノキの番人を番人を命じられた玲斗。クスノキの謎を知らないまま番人となるのだが、だんだんそれを知ることになる。そして成長していく。【送料無料】クスノキの番人／東野圭吾ラストは泣けました。これに続編はあるのだろうか？玲斗に箱根のホテルで働いて欲しいな。クスノキの番人は、予約のあるときだけで、あとは誰かに任せて。

2022.06.21

『博士の長靴』～瀧羽麻子

気象を研究する博士一家とその周辺のできごとが、10年？11年？（手元になくて確認できず）置きに語られているのだが、その空いている年月を想像できるのも楽しい。博士の長靴（一般書　383） [ 瀧羽　麻子 ]題名になっているエピソードはもちろんよかったのだけれど、隣の家の夫婦の話もよかった。

2022.06.12

『生者のポエトリー』～岩井圭也

歌詞ではなく、詩小説の朗読ってやってみたいけど、詩を朗読するって難しそう。もちろん小説だって難しいとは思いますが。朗読というより、音読レベルか。声を出すってことに魅力を感じる。歌がうまければ歌えばいいのかもしれないけど。話がずれました。詩って、子どもの頃学校で勉強してずっと覚えているのもがありませんか？私が覚えているのは、三好達治の「雪」とか、カール・ブッセ（上田敏　訳）の「山のあなた」とか金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」とか「生者のポエトリー」短編連作一番印象に残ったのは、学習支援教室の指導員と、ブラジル出身の少女のお話「あしたになったら」生者のポエトリー [ 岩井圭也 ]

2022.06.06

『タラント』～角田光代

読み応えのある一冊。さすが角田さん。主人公みのりに、どんなことがあっての今なのかが知りたくて先へ先へ読み進める。みのりに共感というか感情移入できた。後半、ちょっとエピソードを盛り込み過ぎかとは思ったが、世の中で起こっていることなので、それだけいろんなことがあるってことだなぁ～と。みのりと、夫の関係性もいい。終わり方もよかった。この本を読んだ後、別の作家さんの新刊を読み始めたのだが、あまりに内容がないというか、なんというか、途中で読むのをやめてしまった。たぶん「タラント」の後なので、よけいにそう感じてしまったのかな（笑）お薦めです。タラント【電子書籍】[ 角田光代 ]

2022.06.04

『もう別れてもいいですか』～垣谷美雨

主人公の夫のくだりが長すぎて、若干飛ばし気味になった。それほどモラハラ夫が嫌だ。昔、飛行機に搭乗する際、妻を大声で怒鳴りつけている夫を見たことがあり、今でも忘れたいのに忘れられないくらい印象に残っている。モラハラ夫って、自覚ないんだろうな。最悪だ。今、若い世代はだいぶフラットになってきていると思うのだけれど、主人公の娘の家も全然フラットではなくて（苦笑）もう別れてもいいですか（単行本） [ 垣谷美雨 ]親の世代がこんな家だった場合、それを見て育った子どもが、絶対に嫌だと思うのか、それを当たり前と思うのか・・・家庭科の授業でフラットであることの大切さを教えてあげたらいいと思う。

2022.05.19

『遠慮深いうたた寝』～小川洋子

小川洋子さんのエッセイ遠慮深いうたた寝印象に残った章「文章を光らせるもの」小川さんが図書委員の生徒さんに招かれ、中学一年生から高校三年生までの少年と対話する。少年たちは小川さんを標本室へ案内する。会の中心になってくれた少年からのプレゼント、そして帰りに小川さんと一緒に電車に乗った中学一年生とのエピソードが印象的だった。「答えのない問い」外の世界の価値観が、何一つ通用しない世界でのお話が心に残る。こんな時代だからこそ、余計に。

2022.05.06

『弊社は買収されました！』～額賀澪

老舗の石鹸会社が匂いがきっつい外国のメーカーに買収される。買収をTVのニュースで知る社員たち。花森石鹸、総務一筋の真柴忠臣が住むアパートに引っ越してきたのは、買収した会社の社員だった。弊社は買収されました! / 額賀澪【本】買収から100日目までに、２つの会社は一つになれるのか・・・世の中、どんどん変わっていく。変化に対応できない、会社、人は取り残されていく。明日は我が身。一難去ってまた一難。人員整理は総務から!?ということで、忠臣はどうなるのか。

2022.05.05

『空にピース』～藤岡陽子

教育困難校（小学校）に赴任して６年生を受け持つことになった澤木先生がいろんな生徒と向き合っていく。今の日本の教育現場の現状が凝縮された内容に胸が痛む。空にピース [ 藤岡陽子 ]澤木先生のような先生をサポートする制度ができないものだろうか。あれも、これも、やることが多すぎて、先生だってそりゃあ病んでしまうよね。殺人事件も絡んで、どうなるのだろうと心配になりながら読了。先のみえる終わり方でよかった。子どもたちが中学に行っても、澤木先生みたいな先生と出会えるといいのだけれど・・・

2022.04.29

『赤と青とエスキース』～青山美智子

2022年本屋大賞２位。赤と青とエスキース [ 青山美智子 ]この本の前後が、重めの内容の本だったので、「赤と青とエスキース」の人物の描き方に物足りなさを感じるものの、伏線回収はお見事。サクっと読めます。私は、漫画家さんの２人がよかったかな、本筋とは離れているけど。それから、額装には興味あったかな。オーダーメイドの額装なんて、夢のまた夢ですが、作品に合った額装を見ると、いいなぁ～と思います。青山さんの本は、「お探し物は図書室まで」の方が私は好きかな。お探し物は図書室まで（一般書　304） [ 青山　美智子 ]

2022.04.27

『昨日壊れはじめた世界で』～香月夕花

10歳の頃、同じ班で行動した５人。マンションの最上階で「世界は昨日から壊れはじめている」とそこに住んでいた男性から聞く。３０年後、いろいろあった４人が集まる。幸せな物語ではない。昨日壊れはじめた世界で [ 香月夕花 ]４人のこれからは、けっして不幸だけが待っているわけではないと思える。

2022.04.17

『下北沢であの日の君と待ち合わせ』～神田茜

講談師の神田茜さんの小説。舞台は昭和の下北沢。地方から上京した３人（正確には４人）が女性専用の、大家さんが下に住んでいて、風呂なしトイレ共同のおんぼろアパートに住んで青春時代を過ごす物語。エピローグで、３人には昔何かあったんだなとわかる。下北沢に実在したパン屋さん「アンゼリカ」を取材されて書かれている。下北沢であの日の君と待ち合わせ [ 神田茜 ]昭和な感じは懐かしくもある。ただ、こんな青春を送っていないし、こんな友だちもまわりにいなかった。でも物語としてはおもしろい。

2022.04.12

最近読んだ本まとめて

平日にパソコンを立ち上げる元気がなく、土日に立ち上げるとUpdateが始まってものすごーく重くなってしまいブログをアップする気にもなれず・・・どんどん忘れてしまう（苦笑）まとめて忘備録として載せておきます。「本が紡いだ五つの奇跡」森沢明夫本が紡いだ五つの奇跡 [ 森沢明夫 ]崖っぷちの編集者、売れない小説家のコンビがかみ合ったとき、いろいろな奇跡の歯車が回りだす。安心して読めます。ひとつ気になったことは、売れない小説家が書いた小説の内容。あらすじや伝えたいことは、本の中に出てくるのでわかるのですが、なんとなく最後までもやもやした感じ。「ないものねだるな」阿川佐和子ないものねだるな（単行本） [ 阿川佐和子 ]阿川さんのエッセイ。思っていたことを阿川さんが書かれているを読んで安心したり、笑えたりした。「ヒカリ文集」松浦理英子ヒカリ文集 [ 松浦理英子 ]大学時代の元劇団員仲間が劇団で一緒だったヒカリのことをそれぞれ文集という形で振り返る。私は前作の「最愛の子ども」の方がよかったかな。最愛の子ども（文春文庫） [ 松浦理英子 ]松浦さんは、めったに本を出さない。７年に１冊くらい。でも、今回は５年ぶりの新刊。次は３年後くらいには出して欲しい（笑）

2022.04.10

『残照の頂　続・山女日記』湊かなえ

内容はともかく、登山の描写がとてもいい。登山ができなくても、登山をしているかのような気がしてくる。もちろん、山へ行きたくなるのだけれど・・・ハードな登山はとても無理そう。湊かなえさんの文章で、登れない山でも登った気になれて得した気分（笑）残照の頂　続・山女日記 [ 湊かなえ ]ハイキングに行きたい！！！！！

2022.03.22

『タイムマシンに乗れないぼくたち』～寺地はるな

短編集。途中まで読んで、あれ？前の話ってどんなんだっけ？と、読むそばから忘れてしまう。でも、印象に残らないというのがおもしろくないとかつまらないとかそんなんではなくて、読んでいる時はそれなりに心に響いている。そんな本。ってこれじゃあどんな本だかわからないね（苦笑）タイムマシンに乗れないぼくたち [ 寺地はるな ]

2022.03.19

『ひとりじめ』～浅田美代子

浅田美代子さんが樹木希林さんとの出会いからお別れまでを書いている本。ご自身の結婚・離婚、俳優やバラエティーへの仕事のことなども書かれている。ひとりじめ [ 浅田美代子 ]樹木さんや浅田さんがどんな人だったのか、TVや映画だけではわからないこともわかり、好感が持てた。つくづく「縁」は大切だなって思う。

2022.03.14

『ミトンとふびん』～吉本ばなな

６つの短編集。登場人物は国内外を旅している。とても短いものから、それなりのボリュームがあるものも。表題作の「ミトンとふびん」が一番印象に残った。ミトンとふびん [ 吉本ばなな ]あとがきに「デッドエンドの思い出」という作品集がひとつの到達点だった。とある。「デッドエンドの思い出」は内容は思い出せないのに、とても良かったことは覚えている。再読したいな。本棚にあります。いつかまた。デッドエンドの思い出（文春文庫） [ よしもとばなな ]

2022.03.14

『おネコさま御一行　れんげ荘物語』～群ようこ

れんげ荘シリーズ。会社を早期退職し、月に10万円で、私にはとても住めそうにないアパート「れんげ荘」で暮らすキョウコ。今回はネコだけでなく、犬も登場。おネコさま御一行　れんげ荘物語 [ 群ようこ ]キョウコさんのお兄さんの家でキョウコさんのために用意された部屋がネコ３匹の部屋に。勝手にぶっちゃんと呼んでいたネコのおうちへおじゃますることに。お隣のチユキさんのパートナーの山の家には、ワンちゃんがやってきて、いままでとは違う展開をみせる。キョウコさんの生活の芯が変わらないのは仕方がないのかもしれないけれど、シリーズが続くのであれば、別の展開が欲しいところだ。

2022.03.05

『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか？国会議員に聞いてみた。』

昨夜は（今朝はかな？）ウクライナとロシアの戦争のことを考えて眠れない時間帯があった。ウクライナの人たちはもちろん、ロシアで反戦運動に参加して連行された人たちの人権について、各国の人権について、日本の人権について・・・『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか？国会議員に聞いてみた。』フリーのライター和田静香さんが、国会議員の小川淳也さんにいろんな質問をぶつける。時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか？　国会議員に聞いてみた。 [ 和田靜香 ]日本は選挙の投票率が低い。投票しても変わらないから？政治不信？投票したい人がいない？投票したい政党がない？それでもよく考えて投票に行かないと、こんなはずではなかったという日本になってしまう。投票に行ってもなってしまうかもしれないけれど、それでも投票に行こうと改めて思う本。

2022.02.28

『みとりねこ』～有川ひろ

最初の２作、～旅猫リポート外伝～は反則技だよなぁ～と思いながら、技をかけられてしまった。「シュレーディンガーの猫」は反則技なしで、短いドラマを見ているようで楽しめた。「粉飾決算」も現実的で、近所にこんな家族がいてもまったく不思議ではない。「みとりねこ」うちは犬だったけど、気持ちがわかる。ちょっと最後のくだりは出来すぎてるけど。みとりねこ [ 有川ひろ ]

2022.02.28

『ミルクとコロナ』～白岩玄・山崎ナオコーラ

コロナ禍での育児エッセイ交換エッセイなので、お互いに書いた文章に応えている部分もある。対照的にも感じられる二人のやり取りだが、二人の考え方になるほどなと思うこともある。山崎ナオコーラさんは、そこまで気にしていたら生きづらいのではないかと思うけれど、昔はそう考えていたけど、今は違うとはっきり言っていたりして、軌道修正もされているようだ。白岩玄さんの小説は読んだことはないけれど、今回この本を読んで、なんとなくこんな人なのかなぁ～と想像はできた。ミルクとコロナ [ 白岩玄 ]続きが出たらまた読みたいです。

2022.02.25

『新しい星』～彩瀬まる

大学時代、合気道部で一緒だった男女４人の物語。新しい星【電子書籍】[ 彩瀬まる ]（電子書籍で読んだわけではありません）それぞれが社会に出て、いろんなことがあって、それぞれが困難に立ち向かっている。学校を卒業して、会わない時間があっても、変わらない関係があって、４人がまた合気道の道場で稽古をする。合気道、やってみたいなと思ったことがある。かもめ食堂で、小林聡美さんも合気道をやっていたという役を演じていましたが、一人でも自宅で稽古できそう（もし、やったとして、自宅で自主練はしないと思うけど…笑）

2022.02.24

『白鳥とコウモリ』～東野圭吾

テレビで刑事ドラマを見ているように映像が浮かびます。ぶ厚い本ですが、前半であっさり犯人が捕まってしまいます。殺害されたのは弁護士で、犯人は自供し解決・・・のはずはなく後半へ。白鳥とコウモリ [ 東野圭吾 ]過去の殺人事件もからんで、加害者の息子と被害者の娘が真相を追う。映像向きの作品かな。

2022.02.15

『あかずの扉の鍵貸します』～谷　瑞恵

住んでいる人すら把握しきれていないお屋敷「まぼろし堂」にはあかずの扉がたくさんある。あかずの扉に預けたいものは人それぞれ。誰にも知られたくないけれど、知るべき人が知りたいと思ったときには開けて欲しいそんな思いをあかずの扉に預ける。あかずの扉の鍵貸します [ 谷瑞恵 ]「まぼろし堂」は下宿屋も営んでいて、そこに住んでいる人や働いている人、そしてお屋敷の主で設計事務所をやっている幻堂風彦も謎だらけ。そんな「まぼろし堂」に飛び込んでいった朔実。ちょっと朔実の突っ走りぶりには引く場面もあるが、風彦さんが引いてなさそうなので、うまくいく二人なのかもね。

2022.02.08

『告解』～薬丸岳

飲酒運転をして老女の命を奪い、ひき逃げした大学生。人を撥ねたと思わなかった、信号は青だったなどと嘘をつき通し裁判に臨み実刑となる。刑期を終えて出所した彼を被害者の夫は待っていた。告解 [ 薬丸岳 ]結末は予想できない内容だった。結末を読むとタイトルの意味がわかる。

2022.02.06

『猫はわかっている』

村山由佳さん他６人の作家さんが書かれた、猫にまつわるアンソロジー猫はわかっている（文春文庫） [ 村山由佳 ]BEST３は1.「幸せなシモベ」望月麻衣さん　　短い話だけど、うるっときた　　猫を飼いたくなる2.「猫とビデオテープ」嶋津輝さん　　なんだろう、おもしろかった3.「50万の猫と7センチ」阿部智里さん　　情景が浮かんだ嶋津輝さんは１冊だけ読んだことがあるが、望月麻衣さんと阿部智里さんは初読みでした。

2022.01.23

『らんたん』～柚木麻子

明治、大正、昭和と活躍した女性がたくさん出てきます。この時代に活躍された方々のパワフルさには驚かされます。かなりのボリュームです。史実に基づくフィクション。恵泉女学園もそれを創設された河合道さんも一色さゆりさんも存じあげませんでしたが、歴史や文学史で習った人、朝ドラの登場人物がたくさん出てきて、その人たちの人間性はフィクションかもしれませんが、起こったできごとは史実に基づいているわけで、とても興味深かったです。朝ドラに出てくる人たちはそれを演じた俳優さんの顔をどうしても思い浮かべてしまいます。でもドラマ化されたイメージとこの本のキャラは違うので、もしこの本をドラマ化するとしたら誰がいいのかなぁ～と考えたりする楽しみもあります。らんたん[本/雑誌] / 柚木麻子/著この本をドラマにするには、男性の登場人物が少なめなので難しいかもしれませんが、NHKでドラマにするのかなぁ～？？？

2022.01.15

『金の角持つ子どもたち』～藤岡陽子

涙止まらず。電車の中で読んでいたので困りました（苦笑）マスクしているからまだいいけど。題名だけ見たら、神話か？と思いましたが、そんなことはなく中学受験の話です。なぜ勉強しなきゃいけないのか、その答えがこの本にはあります。金の角持つ子どもたち（集英社文庫(日本)） [ 藤岡陽子 ]勉強ができるってことは武器になる勉強をするのは、大人になって働く時のため勉強で身につく力は、仕事をしていく上で必ず役に立つ子どもは自分の能力を試したい加地先生（進学塾の先生）は、優秀な生徒に「大人になったら、その能力を他の人にもわけてほしい」と願う。子どもがお母さんに「いまから夢を持てばいいじゃん」と。夢かぁ～夢の実現のためには、勉強しないと・・・

2021.12.31

『今夜もそっとおやすみなさい』～小手鞠るい

人生相談も含むエッセイ。今夜もそっとおやすみなさい [ 小手鞠るい ]「不愉快になる言葉を使わない」「ネガティブな言葉を発しない」「言葉とは、使うためだけに存在しているのではなく、時と場合によっては、使わないためにも存在している。沈黙が優しさになることもある」という小手鞠さんの言葉が響いた。小手鞠さんがお坊さんの書いた本を朝の愛読書として読まれていて、何冊か紹介されていた。いつか読んでみたいなとも思うけど、いつかはなかなか来ない気がする（汗）

2021.12.22

『線は、僕を描く』～砥上裕將

水墨画の世界に引き込まれた。読み終わってから、著者の経歴を見たら、本物の水墨画を描く方でした。線は、僕を描く（講談社文庫） [ 砥上裕將 ]両親を事故で亡くし、喪失感の中にいる大学生の青山霜介。アルバイト先で水墨画の巨匠と出会う。本人の希望ではなく、内弟子になることに。巨匠の孫と翌年の賞を競うことになる。本物の水墨画家が描く水墨画の世界。水墨画の知識がなくても、のめりこめた。線は人を描くなら、技術を超えるものを持っている人を技術だけで超えるのは難しい。ちなみに、この小説は漫画にもなっているようです。【中古】線は、僕を描くコミック全4巻セット [コミック] 堀内厚徳; 砥上裕將

2021.12.19

『星を掬う』～町田そのこ

読み終わって、いい題名だなと思った。元夫からのDVから逃れて、自分を捨てた母と再会することになった主人公。母の住む家には、母をママと呼ぶ恵真、彩子さん、そして彩子さんの娘さんが転がりこんできて５人で暮らすことに。母は５０歳を待たず若年性認知症になっていた。星を掬う（単行本） [ 町田そのこ ]「私の人生は最後まで私のもの」という言葉がキーワードだ。星を掬う、その場面をずっと覚えておきたいなと思った。

2021.12.13

『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』～原田ひ香

題名が長い（笑）短編が６つ。ところどころつながっていたりもする。最後の「最後の小包」は泣けました。泣けるように書いてあるから。母親からの小包はなぜこんなにダサいのか（単行本） [ 原田ひ香 ]サクッとすぐに読み終わりました。母親からの小包かぁ～野菜とか保存食はイメージわくけど、それと地元でしか買えないものとか・・・手料理や手作りお菓子はいいとして、自分では選ばない衣類、賞味期限内に食べきれないような量のお菓子、家にたくさんあるから入れちゃえ的なものが入っていたらダサいかもね。つまりもらって困るもの。「お母さんの小包、お作りします」で「ほっとぐんま」が出てきて、笑えた。そうそう、そんな感じって。娘の前進を応援するお母さんはいいよね。「北の国から」で昆布を送り続けた槇さんの気持ちもわかるなぁ～「ママはキャリアウーマン」も思ってもいなかった娘の気持ちを理解したお母さんはえらいなぁ～お弁当、うれしかっただろうなぁ～

2021.12.04

『毒女日記３　食べて、忘れて、散歩して』～藤堂志津子

札幌に「はなちゃん（ヨークシャーテリア）」と暮らす作家の藤堂志津子さんのエッセイー独女日記（3）食べて、忘れて、散歩して [ 藤堂志津子 ]はなちゃんと会話する藤堂さん。面白かった。お母さまが肝臓がんの治療と再発をくりかえすこと10年間。お亡くなりになる12年前から右半身不随で自宅介護の状態。その間に藤堂さんご自身も食道がんになられている。ご自宅でお母さまを介護しつつの入院と手術。藤堂さんががんになったとき、まったく正気のお母さまから「あんたが死んだら、わたしはどうやって生きていいのか。それだけが心配で」と言われ、がんになった娘を憐れんだり、いたわったり、慰めたりといったセリフは、ついに聞けなかったそう。「あなたが死んだら、わたしはどうなる」を、しつこくくりかえしつづけたなんて・・・同様のことを言われたことはある、死んだらがいなくなったらだけど、この呪縛のストレスは大きい。

2021.11.29

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー２』～ブレイディみかこ

１より２の方が読みやすかった。１はカタカナの意味がよくわからないから調べたりしながら読んだし、衝撃度も大きかったからかな。ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 [ ブレイディみかこ ]みかこさんの息子さんとみかこさん（ときどきお父さん）の会話が興味深い。息子さんが本格的に思春期に突入するということで、会話が減ると思われこのシリーズが終わってしまうのは残念。日本とイギリスの社会制度、教育、置かれている状況、国民性の違いなど、いろいろと考えさせられる。今回は、みかこさんの日本のご家族のことも書かれていて、それも印象に残った。息子さんはきっと素敵な大人になるんだろうな。

2021.11.27

『ひきなみ』～千早茜

男尊女卑、パワハラ、だんだん世の中は変わってきてはいるけれど、まだまだ残ってるよね。最後までどう終わるのが見えなくて、一気読み。ひきなみ [ 千早　茜 ]大人になって再会する二人（表紙の二人は子どもの頃）大人編があって良かったと思う。二人がどんな大人になって、再会して何を思い、そしてどう変わっていくのか。続きを想像して余韻に浸った。

2021.11.22