有明の月

[本・映画] カテゴリの記事

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  『検事の信義』～柚月裕子

  柚月さんの本は何冊か読んでいますが、検事シリーズは初読み。「裁きを望む」「恨みを刻む」「正義を質す」「信義を守る」と目次にあり、最初の「裁きを望む」を読み終わり、てっきり次の章も続いていると思っていたら、短編が４つでした。登場人物は同じですが、事件が違います。​検事の信義 [ 柚月裕子 ]​主人公の佐方さんみたいな検事さん、いるのかな？ドラマでしかイメージのない検事という職業ですが、この小説にあるようにきっと山ほどの案件を抱えていて忙しいことでしょう。そう想像すると、佐方さんみたいな人はいないだろうなーと思ってしまいます。「裁きを望む」の筒井さん（佐方の上司）と「信義を守る」の佐方さんが素敵でした。

  2019.06.22

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  『瞳のなかの幸福』～小手鞠るい

  あれ？小手鞠るいさんってこんなノリの作家さんだったっけ？？？と読んでいて、何度も思うくらい幸福の続く本です。婚約破棄だって、笑い話にできるくらい立ち直って、その後は独身女性にしたら、おとぎ話のようなお話です。　いいなぁ～​瞳のなかの幸福 [ 小手鞠 るい ]​ネコ好きにはたまらないお話。表紙のネコを見ても、題名を読んでも、小手鞠るいさんということで、勝手にもっと違う感じの小説かと思ってしましましたが、あまりにそのままだったので、拍子抜けでした（笑）

  2019.06.12

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  『東京クライシス　内閣府企画官・文月祐美』～安生正

  ちょっと期待しすぎたかな（苦笑）荒川の決壊が懸念される真夏の出来事。竜巻が野田市の変電所を襲う。大停電となり、鉄道各社は運休。真夏の都会に帰宅困難者が溢れる。その対策をめぐる官邸での話がメインの小説です。​東京クライシス 内閣府企画官・文月祐美[本/雑誌] / 安生正/著​次から次へと信じられない展開に。地球温暖化の影響で、想定外のことが起きる確率は高まっているし、大地震だっていつどこで起きても不思議ではない。そんなときに、この小説みたいな政治が行われていたらと思うとぞっとする。ここまでひどくなくても、ありそうと思えるのは現実を見ているからかな。巻末の主要参考文献には、心理学や行動科学の本が並んでいる。

  2019.06.07

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  『夜が暗いとはかぎらない』～寺地はるな

  登場人物が多すぎて、あー相関図書きたい　と思いながら読んでました。別に誰が誰だかよくわからなくても、問題ないと言えば問題ないのですが、誰が誰だかわかって、そこを気にせずにじっくり読みたい感じ。​夜が暗いとはかぎらない （一般書　237） [ 寺地　はるな ]​相関図書きながら読み直したい。私ではない人の考えていることはわからない、でもそばにいることはできるし、そばにいたいと思える人がいることは素敵なことだね。たくさんの人がここに生きている、いろんな思いを抱えながら。

  2019.06.05

• さよならくちびる

  久しぶりの映画鑑賞な気がする。気がするというのは、映画館で映画を見ても「これ、観なくてもよかったかも」と思った映画は脳内から削除されて観なかったことになっているからかも（笑）まず、映画が始まる前の予告を見ながら、観たい映画いっぱいあるなって思う。でも実際に観に行く映画って、ほんのわずかだ。感動した映画は、２回観に行ったりもするけれど。さて「​さよならくちびる​」は、日経新聞夕刊の映画紹介を待たずして知っていました。なぜなら、秦基博が主題歌を提供しているから。最初は、秦くん自身が主題歌を歌っているのかと思ったのですが、ハルレオという女性デュオが歌う曲として映画のために作った曲でした。映画、泣けたなぁ～音楽映画の一面もあるので、そこに感情移入できるかどうかも大きいと思うのですが。いきなりハルレオが歌う３曲を聴いただけでは泣けないと思うのだけれど、映画の中で３人の背景だったり感情だったり、そこに自分自身の感情もプラスされた後半、歌を聴いて泣けました。それにしても、門脇麦さん（ハル）と小松菜奈さん（レオ）と成田凌さん（シマ）、音楽が本業でも副業でもないわけで、キャスティングされてからギターや歌を練習してプロ並みのレベルに仕上げてしまうってすごいなって思います。今の時代、MVをＰＣでやスマホで繰り返し見ることができるので、余韻に浸れて素敵ですYouTubeの映像は、メイキングっぽくていいね映画だとハルが笑っているとこがあんまりなくて苦しいけど、MVやYouTubeの映像だと３人の素な感じの笑顔を見ることができて、うれしくなります。レオのハスキーな声とハルの声が重なって、あいみょんと秦くんの楽曲がハルレオにぴったりはまった感じ。ライブハウスでハルレオの歌、聴いてみたいです。

  2019.06.02

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  『同潤会代官山アパートメント』～三上 延

  同潤会アパートといえば表参道ヒルズのあった場所にあった建物しか知らなかったけど、代官山にもあったんだね。同潤会代官山アパートが建築されたのは1927年（昭和2年）解体は1996年(平成8年)ちなみに表参道にあった同潤会青山アパートが解体されたのは2003年(平成15年）小説は1927年・1937年・1947年・1958年・1968年・1977年・1988年・1997年プロローグは1995年、エピローグは1927年のことが描かれているが、関東大震災1923年（大正12年）の出来事も1927年の章に出てくる。最初に家系図があるので、これからのことが予想できてしまうが、あまり気にならなかった。表紙は私が見たことのある表参道の同潤会アパートと遜色ないので、きっと同時期に建築されているので、代官山も同じような感じだったのだろう。​同潤会代官山アパートメント [ 三上 延 ]​（表紙の漫画に女性を描く必要なかったのでは？）同潤会代官山アパートに暮らした３世代の物語。八重さんの一生とも言えます。代官山はいまではおしゃれな街のイメージですが、歩いてみると緑も多く、歴史も感じられる場所も残っていて、なかなかいいところです。坂が多いですが。そんな代官山で1927年から当時としてはモダンなアパートメントで暮らし続け、家族がつながっていく物語です。八重さんに感情移入して読むことができました。

  2019.05.30

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  『捨てきらなくてもいいじゃない？』～岸本葉子

  断捨離のエッセイかと思いきや、いろんなエッセイの寄せ集め。この本は2016年12月に出版されている。岸本さんが５５歳頃の本だ。今。５８歳かぁ～デビューの頃から知っているのでもっと自分と年が近いイメージだったけど、結構上だったのね。​捨てきらなくてもいいじゃない？ [ 岸本葉子 ]​興味があったのは・片足立ちに挑戦（目をつぶって）・バイオできれい（トイレ掃除）・保温ジャーに一週間（酵素玄米専用の炊飯器）あたりかな。目をつぶっての片足立ちはスポーツクラブで時々やるけどいつもすぐにふらついてしまうので、この本に書かれてあることを意識してやればもう少し長くできるかもって思いました。大事なのは呼吸法なのかもね。トイレのバイオ洗浄剤と酵素玄米専用の炊飯器は知らなかった。どちらも試してみたいけど、酵素玄米専用の炊飯器は高いし、普通の炊飯器と併用して使うには置き場所の問題で難しいなぁ～機種によっては、酵素玄米専用の炊飯器で白米もおいしく炊けるみたいだけどね。

  2019.05.24

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  『傑作はまだ』～瀬尾まいこ

  「そして、バトンは渡された」で2019年本屋大賞を受賞された瀬尾まいこさんの作品。個人的には「傑作はまだ」の方が良かったかな。と思って「そして、バトンは渡された」の感想を読み返したら、これから書こうと思っていることと同じようなことが書いてあった（笑）この本も、「そして、バトンは渡された」同様、最後の方は泣けます。そして、今回も電車の中で読んでいたので、困りました（苦笑）​傑作はまだ [ 瀬尾まいこ ]​どちらの本も設定が現実的ではないのですが、私は「傑作はまだ」の方が現実的かと。ドラマ化されたらぜひ見たい。配役、いろいろ考えちゃうな。やっぱり、２５年間会ったことのない息子の配役が重要かな。息子以外の配役は、中年と高齢者ななので、いくらでも適役がいそうです。主人公（小説家）がこれから書く小説が楽しみ。

  2019.05.23

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  『傲慢と善良』～辻村深月

  ​またまたぶ厚い本。この本は結果を知らずに読んだ方がいいので、これから読む人はネタバレの感想を読まないように気を付けましょう。「傲慢」と「善良」って普段の会話ではあんまりつかわないよね。この本にはたくさん出てきます。特に「傲慢」は、なるほどそれも「傲慢」っていうのかと。自覚ない場合が多いし。​傲慢と善良 [ 辻村深月 ]​なんか、無理のある展開とラストだったかな。主人公２人の人間描写​が最後の方は描けていなかった気がします。ラストはどうなるのかと一気に読んでしましましたが、なんか納得できない感じ。

  2019.05.22

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  『ブロードキャスト』～湊かなえ

  ​​湊かなえさんの小説を読んでいるとは思えない爽やか青春小説でした。高校生の部活動の話です。大人が読んでもおもしろいかと。​ブロードキャスト [ 湊　かなえ ]​特にラジオドラマとかラジオCMに興味があるので、ラジオで聞いていたらどうだろうと想像しながら読む場面も。最後の方より少し前あたり!?で泣けました。終章はちょっと説明みたいかなって。ラストは私が思うようにはならないなと残りページ数を左手に感じながら思いました。私が思うラストを書くとネタバレになるのでやめておきます。少しだけネタバレすると…あ、これから読む人もいると思うので薄くしておきます。高校生が主役の小説ですが、​高校生にがっかりされない大人の存在もよかったです。​​​​

  2019.05.17

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  『トリニティ』～窪美澄

  ぶ厚いそして、重い。通勤時に読むには若干つらい。戦後から平成を生きた３人の女性の生きざまに引き込まれ、あっという間に読了。フリーイラストレーター、フリーライター、そして出版社に事務員として採用された女性。イラストレータやライターにはモデルとなった方がいるのでしょう。時代の背景がノンフィクション的に差し込まれていて、臨場感がありました。​トリニティ [ 窪 美澄 ]​これまで読んだ窪美澄さんの本とは違うテーストです。窪さん、苦手かもと思っている人にも読んで欲しい一冊。

  2019.05.13

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  『カゲロボ』～木皿泉

  これは映像化は難しいだろうね。もし映像化されても見たくないというか。箱が卓球するところとか、笑えそうだけど、想像するだけでいいかな。どこまでが人間でどこからがアンドロイドなのか…全部アンドロイドの世界ですって言ってしまえばそう思えなくもない。でも、人間に対する「大丈夫だよ」というメッセージのようにも思える。カゲで見守ってくれるロボットはだれが何のために作ったのか？人間が人間のために作ったなら、それはそれで近未来も悪くない。​カゲロボ [ 木皿 泉 ]​

  2019.05.09

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  「マザー・グースと三匹の子豚たち」と「80歳のマザーグース」～桐島洋子

  昔、桐島洋子さんの「マザー・グースと三匹の子豚たち」を夢中になって読んだ。そして桐島さんが「80歳のマザーグース」という本を出されたことを知り、読んでみた。​80歳のマザーグース [ 桐島 洋子 ]​モデルの桐島かれんは桐島洋子さんの娘さんので、「マザー・グースと三匹の子豚たち」に出てくる三匹の子豚のうちの一匹はかれんさんです。​マザー・グースと三匹の子豚たち【電子書籍】[ 桐島洋子 ]​どちらがおもしろいかといえば、もちろん「マザー・グースと三匹の子豚たち」です。「マザー・グースと三匹の子豚たち」がその後どうなったのかを知りたい場合は「80歳のマザーグース」を読めばわかるという感じで、まぁ読まなくてもいいかもしれません（笑）

  2019.05.08

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  『今はちょっと、ついていないだけ』～伊吹有喜

  「今はちょっと、ついていないだけ」な人たちが出会って再生していく物語。​今はちょっと、ついてないだけ (文庫い 60- 1)[本/雑誌] / 伊吹有喜/著​浩樹がガラケーで撮った宮川と宮川のお母さんの写真が目に浮かぶよう。浩樹のお母さんも後半もう少し瀬戸ちゃんの様子がわかるとよかったかな。みんな今はちょっと、ついていないだけで、積み上げてきたものはあるんだよね。それに気が付くことができて、前に進むことができるかどうか。大人たちの距離感や関係性もよかった。浩樹さんに写真、撮ってもらいたいかも、沖縄か奄美あたりで。

  2019.05.07

• 新聞小説「ワカタケル」と「金錯銘鉄剣」について

  令和元年初日です。特に感慨はないのですが、平和な時代になって欲しいなと思います。なんとなく気分が改まった感はあります。さて、日経新聞朝刊の連載小説、池澤夏樹氏の「ワカタケル」ですが、日本最古の歴史書とされる「古事記」と「日本書紀」をベースにした小説のため、登場人物の名前がカタカナ＆漢字で覚えにくく、連載の途中で作者が読者に対して、弁明する回がありました。「新聞小説としてずいぶんと読みにくいものであることを作者は承知しているからです。」という趣旨の弁明に１日分を費やしています。これって書籍化される際にはどうなるんだろーって（笑）それはさておき、読みにくいながらも毎日目を通しています。昨日読んだとき、おーこれはもしやと思い、今日の朝刊でおーやっぱりそうだと。埼玉古墳群の稲荷山古墳の出土品「金錯銘鉄剣」のことが書かれています。​「金錯銘鉄剣」は埼玉県立さきたま史跡の博物館​で、本物を何度か見ています。解説に『「ワカタケルの大王」の政治の補佐役を務めたことが書かれている。』とあります。この鉄剣は国宝で小学校か中学校か高校かは失念しましたが教科書にも載っていたはずです。しかし、「教科書に載ってたじゃん」と言っても「覚えていない」という人も多いのですが。私の時代の教科書に載っていたのでしょうか（笑）さきたま古墳には何度も足を運んでいますが、博物館に入ったのは２、３回かと。そのうち１回は、鉄剣がどこかへ貸し出し中で見ることができなかったと記憶しています。この小説を読んで改めて、鉄剣を見てみたいなぁ～と思いました。ちなみに行田市のマラソン大会は「行田市鉄剣マラソン」といいます。何度も参加しました。好きな大会です。最初のころは、参加賞のTシャツに埴輪が描かれていて、だいぶ引いたことを覚えているのですが…（かなり昔の話です）近年はさきたま古墳群を走り抜けるコースになりました。例年４月の第一日曜日で、桜の時期と重なるととてもよかったのですが、なぜか今年から４月の第四日曜日に変更されました。なぜでしょう　走るには暑いし、第一日曜の方が良かった気がするのですが。今年は瀬古利彦さんと増田明美さんのトークショーがあったみたいですね。それは聞いてみたかったな。第四日曜日に変更された時点でエントリーはないなと思ってノーマークでした。おっと、いつのまにか鉄剣からマラソン大会の話になってしまいました。鉄剣に戻ると、昔書道を習っていた頃、毎年展覧会があって条幅の作品を出していました。私は先生の書いたお手本を書いていただけなのですが、そうではなく、自分で書きたいものに挑戦している方もいました。鉄剣の文字を書かれていた方がいて、すごいなーと感心したことを覚えています。だんだん、より鉄剣をまた見てみたくなってきました。貸し出し中でないことを確認の上、見に行きたいと思います。

  2019.05.01

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  『この先には、何がある？』～群ようこ

  最近のエッセイは、読んでいて苦しいと思うこともなきにしもあらずでしたが、この本は良かった。「トラちゃん」の頃から群ようこさんの本を読んでいる。本に出てくる鷺沢萠さんの小説も好きでした。群さんの４０年の作家生活を振り返り、知っているエピソードを懐かしく思い出したり、鷺沢萠さんのことを偲んだり…亡くなる２日前に鷺沢さんに会っていた群さん。当時発売された「野生時代」の追悼文も読みましたが、この本で改めて群さんのお気持ちを知り、ただただ残念でなりません。鷺沢さんが生きていたなら、今でもきっと群さんのエッセイーに登場していたことでしょう。​この先には、何がある？ [ 群ようこ ]​「かもめ食堂」の裏話を読んで、久しぶりに映画を観てみたいなと思いました。​かもめ食堂 [ 小林聡美 ]​西原理恵子さんが群さん、鷺沢さん、中瀬ゆかりさん（編集者）を描いた漫画が載っている群さんの「十五年目の玄米パン」と群さんの鷺沢さんへの追悼文が載っている「野生時代」、どちらも部屋の本棚に並んでいます。

  2019.04.24

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  『ことことこーこ』～阿川佐和子

  阿川佐和子さんの小説、初読みです。おいしそうなレシピがたくさん出てきます。思わず作ってみたいなって。小説は、離婚して実家に戻ると、お母さんが認知症になってお父さんは突然亡くなって、仕事（フードコーディネーター）をセーブせざる負えない状況に。明るく読める介護小説でした。実際にはもっと深刻な人々はたくさんいるとわかっていますが、小説で読むにはこれくらいがいいかな、私には。​ことことこーこ [ 阿川　佐和子 ]​ラストの方は涙なしには読めませんでした。

  2019.04.22

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  『ミーコの宝箱』～森沢明夫

  ​​森沢明夫さんの『水曜日の手紙』を読んだばかりなので、安心して電車の中で読み始めたら、電車の中で読むのまずいかもって（笑）​ミーコの宝箱 （光文社文庫） [ 森沢明夫 ]​ま、最初だけだったけどね。でも、別の意味で電車の中で読むにはふさわしくない小説でした。泣けるから。ミーコがおじいちゃんとおばあちゃんのお墓を確かめにいくところは切ないね。おじいちゃんとおばあちゃん、ミーコに会いたかったと思うから。​​​​​

  2019.04.17

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  『うちのレシピ』～瀧羽麻子

  ２つの家族のお話。レストランの娘、真衣とそこで働く啓太が結婚することになる。啓太の父（雪生）母（美奈子）真衣の父（正造）母（芳江）、主人公が入れ替わっていく。真衣の家は想像しやすい。啓太の家は、約束を仕事ですっぽかしても連絡さえしない美奈子さんと、その夫の雪生くんはなかなかいない夫婦かも。でも、啓太の育ち方をみれば、家族への愛情が伝わってくる。​うちのレシピ [ 瀧羽 麻子 ]​美奈子さんの食事への向き合い方が雪生くんと出会って変わってよかった。おいしいものを好きな人と食べるとよりおいしく感じるね。

  2019.04.16

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  『趣味で腹いっぱい』～山崎ナオコーラ

  山崎ナオコーラさんが趣味に挑戦するエッセイかと思ったら小説でした。​趣味で腹いっぱい [ 山崎 ナオコーラ ]​山崎ナオコーラさんのフラットでありたいという心情がよく表されている小説だと思います。実生活を踏まえての小説なのかなと。現実は小説のようにうまくいかないとは思いますが、こんなふうに考えられたり、呪縛から逃れれたり、夫婦で価値観をすり合わせていくことができたらいいなとは思います。題名は他にもっとつけようがなかったのかなぁ～（苦笑）じゃあ、なんて題名がよかったのか考えてみたけど浮かばない。でも、「趣味で腹いっぱい」ではないと思う。

  2019.04.08

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  『水曜日の手紙』～森沢明夫

  もう閉局してしまいましたが、実際にあった​「鮫ヶ浦水曜日郵便局」​を題材にした小説です。ちょっと出来すぎてるくらいの内容ですが、安心して読めます。​水曜日の手紙 [ 森沢　明夫 ]​水曜日にあったできごとを書いて郵便局に出すと、届いた手紙をシャッフルして、見知らぬ誰かの手紙が届くシステム。閉局していなかったら出していたかも　いや、書いても出さないかなぁ～書くことで、気持ちの整理がつくこともあるよね。だから書くかもしれないけど、それを出すかどうかはわからないなぁ～でも、手元に置いておくのもちょっとなぁ～と思って出すかもしれない。この本を読む少し前に考えていたことが、この本を読んでより実現したいなと思いました。

  2019.03.25

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  『好日日記　季節のように生きる』～森下典子

  『日日是好日ー「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』の森下典子さんのエッセイ森下さんが５０代の頃、数年にわたってつけていたノートがベースになっている。『日日是好日ー「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』ほどの感銘はなかったものの、森下さんがお茶を習いながら感じる季節感であったり、想いが伝わってくる。​​好日日記 季節のように生きる[本/雑誌] / 森下典子/著​本の中で、書を習っている森下さんの友人が、習い始めたばかりの頃は、書けば書くほど上達するのが自分でもわかり手ごたえがあって楽しかったが、その後停滞期に入ってしばらく休んでいたが、素晴らしい硯に出会い復活。久しぶりに教室に行き書くと先生から「腕を上げましたね」と言われたというエピソードが紹介されている。森下さんは、「習っているのは、技術ではなく、道を進むことだ」と書かれている。私も長くといっても１１年くらいだけど、書道を習っていた。でも、書けば書くほど上達しているという実感は最後までなくて（苦笑）でも停滞期を迎えることなく、習い始めから突然やめるまで、そしてやめてからも筆を持ち字を書くことは楽しい。それも道を進んでいることになるのだろうか…それからイギリスでは桜が１ヵ月も咲いたままという話を編集者の方にしたら「それは、いただけませんねぇ～」と笑ったという話に私も笑ってしまった。日本の季節は、「今しかない」ことに満ちていて…（中略）…だから私たちは、季節の中で一瞬の「今」を生きるという森下さんの言葉に、そういうことかと納得。

  2019.03.18

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  『日日是好日』

  原作本に感銘を受け、映画館を検索したところ、まだというかリバイバル上映されている映画館があったので観に行ってきました​「日日是好日」​観に行った映画館は​「深谷シネマ」​映画館のある七ッ梅酒造跡です。映画館はこちら原作を先に読んでしまっただけに、原作の方がどうしても良く思えてしまいました。先に映画を観れば新鮮だったのかもしれませんね。原作にあって映画にない場面、原作通りのセリフ、映画にあって原作にないシーンなどが気になってしまいました。お茶室のしつらえは​原作者の森下典子さん​がご用意されたそうです。黒木華さんと多部未華子さんのキャスティングは個性の違いを引き立たせていて良かったと思う。原作では、先生が４０代の頃から始まっているので、樹木希林さんだと最初からお年を召していて、ちょっと違うかなと。それから、原作では主人公がお茶をやめようと思ったくだりがあったのですが、映画ではカットされていました。そのあたりを深く掘り下げても良かったのかも。深谷シネマで、以前も上映されていましたが、観に行けなかった作品が予告で流れました。リバイバル上映ですかね。友達も良かったと言っていた「人生フルーツ」観に行きたいなぁ～

  2019.03.11

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  『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』～森下典子

  お茶を習っている友達からお茶会のお誘いを受けた。まったくお茶のことを知らない私。かつてお茶をいただいたのは、高校の修学旅行で青蓮院と、関西の友達と京都で水琴窟を聴くツアーに参加した際にどこかのお寺と、公共施設の文化祭的な催し、記憶はその３回だけ。着付けを習い始めたのがたぶん３０歳前後。着物が着られるなら、娘さんにお茶もぜひと母が知り合いから言われたのを断ったことを、この本を読んで後悔しました（笑）作法をまったく知らないままお茶会に参加するのもどうかと、図書館のお茶のコーナーへ。そして目に入ったのがこの本『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』映画、観そびれました。観ようと思っていたのに。映画情報を前もってお茶を習っていた友達に知らせていたところ、観た後の感想がハガキで送られてきました。そのときは、あー、観に行けば良かったなぁ～と思った程度でしたが、原作本を読んだ今、ものすごーく観たいです。で、ダメ元で上映館を今、検索してみたら、やっているではありませんか！！！よし、観に行くぞ本の感想に戻ります。お茶のこと、まったく知りませんでしたが、この本を読んで目から鱗です。そうだったのかと。​日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ （新潮文庫） [ 森下典子 ]​お茶というよりは、人生について考えさせられる一冊となりました。なにをどう説明していいのかわかりませんが、なんか泣けてきます。森下さんがお茶を習い始めた二十歳のとき、お茶の先生は４４歳とあります。う～ん、凄い。先生、タダモノじゃあないです、本当に。お茶会に参加する前にこの本を読むことができて良かった。お茶会は４月です。

  2019.03.09

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  『新宿の猫』～ドリアン助川

  ドリアン助川さんといえば映画の原作になった「あん」を読んだことがあるので、これは２冊目かな、たぶん。主人公はドリアン助川さんのことだったり、経験だったりする部分もあるそう。新宿ゴールデン街近くの赤提灯を提げた居酒屋「花梨花」が舞台。居酒屋の小さな窓に、現れる猫を当てる「猫じゃん」という遊びで盛り上がる客がいる店。猫の家族図を描いたのは店員の夢ちゃん。主人公のボクは夢ちゃんに恋をします。​新宿の猫 （一般書　135） [ ドリアン　助川 ]​焼ピーマン、おいしそう。検索したら、ドリアン助川さんがこの本について語っている記事があり、焼きピーマンの写真が載っていました。小説の中に猫を題名にした詩がいくつか出てきます。詩って、あまり読まないけど、読むと心に響くことがあります。昔覚えた詩を今でも覚えていたりして。今はやりの！？俳句も、情景が浮かんできたりすると、うまいなぁ～と感心します。新聞に載っている短歌をときどき読んだりもしますが、短歌はよくわからないなぁ～（苦笑）なんか文字数が中途半端な気がして。短いなら俳句、長いなら詩でいいような…！？おっと、小説から脱線してしまいましたね。小説の中に出てきた詩の中では「スティング」が好きかな。

  2019.03.08

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  『散歩するネコ』（れんげ荘物語）～群ようこ

  れんげ荘物語シリーズ第４弾。主人公のキョウコは若い頃、人の何倍も働いたお金で４５歳で会社を早期退職し、トイレとシャワーが共同で冬は雪が部屋に吹き込んでくるような古くて安いアパートに暮らし、月１０万円で生活している。シリーズ第４弾では、物置部屋に住んでいた一番若い「旅人」コナツさんがアパートを出て実家に戻ることになったり、母親が倒れて施設に入ったりするが、キョウコさんの暮らしっぷりは基本変わらず。​散歩するネコ　れんげ荘物語 [ 群ようこ ]​キョウコさんの兄夫婦がいいひと過ぎる。主人公が働かないことがテーマなので、まわりの人たちの変化やネコとの触れあいがなければ、シリーズが続かないわけだけれど、もう少しキョウコさん自身にも変化が欲しいかな。

  2019.02.28

• 「ていだん」～小林聡美

  二人のゲストと小林聡美さんがお話された内容が一冊の本にまとまっている。ゲスト36人のうち名前もお顔も知らないのは１０人かな。9人かも片桐はいりさん、もたいまさこさんと映画「かもめ食堂」の話片桐さんが、「かもめ食堂」の主人公サチエさんの感覚がわからなかったと言ったら、小林さんももたいさんも「私は…わかりましたよ」「私も、わかりました」って答えるとことか（片桐さんも１０年経ってよーくわかったそう）市川実日子さんと市川実和子さんの関係性とか大貫妙子さんの米の話とか板谷由夏さんと平岩紙さんと小林聡美さんとの関わりとか本上まなみさんが暮らす京都とか石田ゆり子さんと中谷百里さんと小林さんの会話で犬や猫を飼うことについてとかいろいろと印象に残りました。女性の名前ばかり挙がりましたが、井上陽水さんや加瀬亮さん、光石研さん、役所広司さんなど男性の方々も登場します。

  2019.02.27

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  『有村家のその日まで』～尾﨑英子

  トラブルメーカーのお母さんを看取る家族のお話。​有村家のその日まで[本/雑誌] / 尾崎英子/著​一度は離婚までされてしまうお母さん（仁子）どうすれば仁子さんの思い込みを止められるのかと思ってしまうけど…誰も止められず。小説では最後まで仁子さんが仁子さんらしく生きて亡くなっていく。振り回される家族や親族と、仁子さんとの関係が描かれている。仁子さんは極端な例かもしれないけれど、多かれ少なかれいろいろあるよね、親子関係も夫婦関係も。

  2019.02.26

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  『風化する女』～木村紅美

  「風化する女」と「海行き」の２本どちらも、わかる気がする話だった。​【中古】 風化する女 / 木村 紅美 / 文藝春秋 [単行本]【メール便送料無料】​「風化する女」４３才で一人暮らしのれい子さんが、会社を三日も無断欠席して、不審に思った上司が訪ねていくと亡くなっていた。同僚の桃ちゃんが、遺品整理を頼まれる。ただ、ラストは私なら違う展開が良かったかな。「海行き」大学時代に仲の良かった澄ちゃんとサラちゃんと譲くん。卒業後、それぞれの道を歩む。サラちゃんが沖縄に移住する前に、澄ちゃんを誘って譲くんのいる東北へ。学生時代のことや、東北での話が特に大きな出来事もなく書かれているだけだけど、なんかわかる気がする話でした（笑）

  2019.02.25

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  『夜の側に立つ』～小野寺史宜

  18歳（高校３年）から現在４０歳までのできごとが、いったりきたりしながら書かれている。目次を見て、時系列ではないのが一目瞭然なので読みにくいかなって思ったけど、そんなこともなく一気に読み終わりました。​夜の側に立つ [ 小野寺 史宜 ]​なんとなく途中でラストが見えてくるような気がしました。半分くらい想像が当たっていたかも…表紙の５人が高校３年生でバンドを組み、文化祭で盛り上がり、卒業後それぞれの道を歩み４０歳となる。表紙は４０歳となった５人。自己肯定できない主人公野本くんは、他の人からみたら十分魅力的なんだけどね。

  2019.02.18

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  『読書間奏文』～藤崎彩織

  藤崎彩織さんがSEKAI NO OWARIの人だとまったく知らずに借りました、図書館で。最後のページをめくると、この本で紹介された作品についてという一覧があり、読んだことのある本も多数あったので、興味を持ちました。その一覧表の左に著者の経歴が載っていたのですが、そこを見なかったので、セカオワの人だと気が付いたのは読み始めてからでした。藤崎さんは小説も書かれていたのですね。直木賞の候補になっていたならきっとニュースでも話題になっていたのに、気が付きませんでした。SEKAI NO OWARIがセカオワと呼ばれて売れていることは知っていますが、じゃあ知っている曲を挙げてと言われたら、まったく出てきません。ただ、TV等で聴いたことのある曲はあるはずです。「読書間奏文」というからには、本が紹介されているのかとおもいきや、藤崎さんの想いが綴られています。子どもの頃のことから、現在に至るまで。その中で紹介された作品の一部が引用されています。​読書間奏文 [ 藤崎 彩織 ]​藤崎さんのいろんな想いが伝わる一冊でした。藤崎さんのお父さんみたいな大人に私もなれたら良かったなぁ～

  2019.02.14

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  『珠玉』～彩瀬まる

  読み始めてすぐ会話していたのは、真珠でした飛ばしてしまい気が付きませんでしたが、中表紙に著者の名前と本の題名が書いてあるページがあり、題名の「珠玉」の間にテディベアが描かれています。そのテディベアの両目の真珠が会話していたのです。わー読みにくい、ダメかもと思ったのですが、状況が把握できたら夢中になりました。帰りの電車で座って読んでいて、あまりに集中していたので乗り過ごしたかと思って慌てて席を立って降りようとしたら、２つ手前の駅でした（笑）乗り過ごさなくて良かった。​珠玉 [ 彩瀬まる ]​読み終わった次のページに「参考文献」がなかなか興味深い。山口百恵さんだったり、宇多田ヒカルさんだったり…ファッションの参考文献としては、​マザーハウスの山口絵理子​さんだったり。本と関係ないけど、マザーハウス、ジュエリーも始めたんだ…バッグは持っているけど、ジュエリーも実物を見てみたいなぁ～でも、PCやプリンターを買わなきゃいけないので、見た欲しくなると困るけど（苦笑）本の話に戻ります。ずっと真珠が会話しているわけではないのでご安心を（笑）有名歌手の孫という宿命から自らの一歩を踏み出す物語かな。

  2019.02.13

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  「月まで三キロ」～伊与原　新

  この小説には理系のお話がバンバン出てきます。文系の私が読んでも、なかなかおもしろかった初読みの作家さんだったので、読み始めてすぐにプロフィールを確認すると「神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻、博士課程修了」とある。なるほど。そんな人が、噛み砕いて月や雪の結晶やアンモナイトや火山や宇宙のことを書いているのだからわかりやすい。　​月まで三キロ[本/雑誌] / 伊与原新/著​小説そのものは、もちろんそれがメインではない（笑）どの話しにも、それからどうなるのは書かれていないけど、少なくとも暗い未来ではないことが想像できる。理系の知識だけでなく、小説そのものも良かった。

  2019.02.06

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  「海とジイ」～藤岡陽子

  ​​「海神（わだつみ）」「夕凪（ゆうなぎ）」「波光（はこう）」「海神」を読んで、もう終わり？と思ったら、３編ともつながっていた。「夕凪」は読み始めてすぐに、あれ？読んだことあると思ったら「海路」を改題し大幅に改稿したものでした。　　​海とジイ [ 藤岡 陽子 ]​瀬戸内海ぬ浮かぶ島へ行き、祖父が会いたかった不登校中の小学生の孫、先生（医師）を探しに行く看護師、高校の陸上部を怪我で休んでいる孫も祖父に会いに行く。以下、ネタバレあり小学生と高校生は、それぞれの祖父と触れ合うなかで、気持ちの整理がついていく。看護師の志木さんは、気持ちの整理、ついたのだろうか？​

  2019.02.05

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  『針と糸』～小川糸

  ​小説かと思って借りたらエッセイでした。小川糸さんの場合、エッセイより小説の方が断然うまいね。でも、ドイツの暮らしがどんな感じなのかがわかったところが良かった。それと、お母さんとの確執を赤裸々に語っている点も。​針と糸 [ 小川 　 糸 ]​小川さんの次の小説に期待。

  2019.01.21

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  『平場の月』～朝倉かすみ

  ​​​図書館に入ったが、誰も借りていないので予約ができない。だったら一番で借りてやろうと図書館へ急ぎました。新着図書は目立つところに置かれています。私がたどりつく前に誰かが借りてしまうかもしれません。間に合いました前回の朝倉かすみさんの本は「ぼくは朝日」でした。「ぼくは朝日」が小学生目線で書かれていた本であったことはもちろん読んだばかりなので覚えていますが、内容を詳しく覚えているかというとそうでもありません（苦笑）しかし、この「平場の月」はたぶん、内容を忘れない一冊となることでしょう。まず「平場」って私は普通に使わない言葉なので、調べました。意味の中で「一般の人々の立場」というのがこの本では一番しっくりくるのかな。​平場の月 [ 朝倉かすみ ]​主人公たちが住んでいるのが「埼玉県」であったり、同年代だったりしたのでよりリアルに胸に迫るものがありました。大人の恋愛小説ですが、生きる哀しみや切なさを重く受け止めつつ、それでも日常が続いていく中での二人の姿が目に浮かぶようでした。みっちゃん（妹）がいてくれて良かったなとも思いました。ネタバレにつながるので、以下文字を薄くします。ちょうどこの本を読む前に中学・高校の同級生が亡くなったことを知りました。肺がんでした。５、６年前でしょうか、同級生が集まった席で彼とたくさん話をしました。当時まだ赤ちゃんだった子どもの写真も見せてもらいました。連絡先も交換して、何度かメールのやり取りもして…そんなことがあってこの本を読んだので、より重く心に残る一冊となりました。​​​​​​​文庫本になったら購入してまた読み返したい一冊です。

  2019.01.19

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  『ある男 A MAN』平野啓一郎

  初読みの作家さんです。読み始めは、ミステリーでおもしろそうとだなぁ～と。事故で亡くなった夫「ある男」が、実は別人だったという謎を弁護士が解き明かしていきます。​ある男 [ 平野 啓一郎 ]​読めない漢字とか出てきてどうしたものかと（苦笑）でもきっと、そういう作家さんなんだと思うことにして、気にせず読み飛ばし（笑）本当はいちいち調べたかったのですが、先が気になって（言い訳）だんだん、いろんな社会問題とか出てきて、単なるミステリーではないことに気が付いて、じっくり読むために読むペースを落として、自分の中で噛み砕くように読んでいきました。最後の方にギリシア・ローマ神話が出てきますが、主人公（弁護士）の解説を読みながら、意味のわからない神話について考えることに少し興味がわきました。読んで良かった本でした。また平野さんの本を読んでみたいなと思った一冊です。

  2019.01.11

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  『大家さんと僕』～矢部太郎

  話題の漫画「大家さんと僕」（『手塚治虫文化賞 短編賞』受賞）やっと順番（図書館）がまわってきました。​大家さんと僕 / 矢部太郎 【本】​あっと言う間に読み終わりました。思ったより活字は多かったです。おもしろかった。矢部さん、本が売れて本当に良かった。大家さんのご冥福をお祈りします。

  2019.01.07

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  『愛なき世界』～三浦しをん

  ​​２０１９年最初の１冊厚くて重いので、通勤（座れない）で読むのはしんどい。家で読みたいと思っていたのでちょうどお正月に読むことができて良かったです。あ、２日に電車で出かけたときに持って行ったけど。題名『愛なき世界』って、どんな内容なのかさっぱり想像がつきませんでした。恋愛ものなのかなって思ったけど…しをんさんの『舟を編む』の植物研究版だね表紙がキレイ​愛なき世界 （単行本） [ 三浦しをん ]​読んだら、「愛」ありました（笑）専門的なところは難しくてよくわからないけど、よくわからないところを飛ばして読んでも十分おもしろいし、愛も伝わります。なんか、T大学にこういう人たちたくさんいそう（笑）藤丸くんみたいな人はなかなかいないかもしれないけど。

  2019.01.04

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  『はつ恋』～村山由佳

  先日、村山さんのエッセイ「猫がいなけりゃ息もできない」を読んだばかりなので、「はつ恋」を読み始めて、村山さんの私小説じゃんと思ったら、ちょっとリアル過ぎて、無理に小説に仕上げなくても、エッセイで良かったのではと思ってしまいました。​はつ恋 （一般書　221） [ 村山　由佳 ]​これはこれでもいいのだろうけど、できればこれを踏まえて違った形の小説を読んでみたい。

  2018.12.30

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  『正しい愛と理想の息子』～寺地はるな

  表紙と背表紙が漫画本みたいで、もし中身が漫画でも違和感ないかも。小説のストーリーも漫画っぽいです。二人の青年が詐欺で借金を返そうとするお話。​正しい愛と理想の息子 [ 寺地はるな ]​承認欲求かぁ～ドラマ化するなら、トクコさんやハセくんのお父さんがキーパーソンだね。NHKドラマ10向きかな。

  2018.12.29

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  『リトルガールズ』～錦見映理子

  平成３０年度　第３４回　太宰治賞　受賞作品。巻末のプロフィールによると著者の錦見映理子さんは、フリー校閲者で歌人とある。小説は、これが初めてだろうか？どの登場人物の気持ちも、わからなくもない。悪人が出てこないし、ドロドロしてないし、暗くない。誰もが全否定されないところがいい。​リトルガールズ [ 錦見　映理子 ]​出てくる中学生たちがどんな大人になっていくのかも想像すると楽しい。

  2018.12.21

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  『死神の選択』～嘉山直晃

  ​「死の権利=DR法」が施行され、安楽死を選択できるようになる。死をほう助する医師である主人公は、自殺する人をひとりで死なせたくないとＤＲ専門医院を海のみえる場所に開業する。いろんな問題を提起している本書だが、重い感じではなくすぐに読み終わった。納得できるところも、できないところもあるが、それはたぶん、作者の意図なのだろう。​死神の選択 [ 嘉山 直晃 ]​

  2018.12.17

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  『エンディングドレス』～蛭田亜紗子

  平積みになっていたら、つい手に取りたくなる表紙です。​エンディングドレス （一般書） [ 蛭田　亜紗子 ]​自殺する準備をしていた主人公が、偶然目にした「終末の洋裁教室」の案内。主人公のＴｏＤｏリストに・死に装束を縫うという項目が追加される。目次・終末の洋裁教室・はたちのときにいちばん気に入っていた服はなんですか？・十五歳のころに憧れていた服を思い出してみましょう・思い出の服をリメイクしましょう・自分以外のだれかのための服をつくってください（←泣けます）・自己紹介代わりの一着を縫いましょう・つぎの季節のための服を作ってくださいとい感じで、最初からエンディングドレスを縫うわけではなく、毎月課題が出て、上達したら取り掛かるという段階を踏む。集まった生徒は４人。与えられた課題（目次）について１週間考えて、先生と教会の告解室のような部屋で一人ずつどんな服を作るのかを相談し、生地屋さんへ布を買いに行く。地直しのやり方は教わって自宅で。翌週までに先生が一人一人の体形に合わせて型紙を起こして準備してくれている。オーダーメイドの服を作って着るなんて、自分でできたらどんなに素敵なことだろうと本を読みながら思ったけれど、型紙を起こすことは難しいし、不器用なので、市販の型紙で洋服を縫うのも難しいなぁ～どちらも実は昔やったことはありますが、とてもこの小説のような洋服はできないし、そんな才能のかけらさえありませんでした（苦笑）この本を読んでいると、「洋裁教室」が近くにあったら行ってみたいな、なんて思ってしまいます（笑）でも、やっぱり無理だな、洋裁。洋裁は無理でも、何か自分に向いている習い事に出会えるといいなぁ～

  2018.12.10

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  『猫がいなけりゃ息もできない』～村山由佳

  ​電車の中で読んではいけない本でした。​猫がいなけりゃ息もできない [ 村山 由佳 ]​最初の方は、村山さんの結婚生活（最初の）の話がつらくて…猫よりそっちが気になりましたが、やっぱり「もみじ」（村山さんちのねこ）が主役。泣けたわぁ～「初めまして」ちゃうでかぁ～私もいつか「初めましてちゃう」犬と出会えるのだろうか…もしくは、運命的な出会いを感じるねこに出会えるのだろうか…楽しみ​そうそう、ひとつ前の記事のクイズの答えは…（文字、薄くしておきます、反転させて読んでください）​​「マッサージの道具」です。肩から肘に向かってさすると気持ちいいです。​​​

  2018.12.08

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  『ぼくは朝日』～朝倉かすみ

  カラーテレビが普及する頃の家族のお話。​ぼくは朝日 [ 朝倉かすみ ]​朝日は小学校４年生の男の子。お父さんと歳の離れたお姉さんと３人で暮らしている。目次が、富樫くん・カズ坊さん・あの子・くろちゃん・ハンス・朝日、夕日小学生目線で描かれている。会話が方言で、より昭和を感じる。朝日くんも富樫くんも、きっといい大人になるに違いない。そして、二人の友情も長く続くだろう。と本を読んでいて思うのだけれど…果たして、この二人は、ずっと覚えているのだろうか…きっと断片的には覚えているのだろう。小学４年生の頃のことなんて、私はさっぱり覚えていないけど（苦笑）

  2018.12.05

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  「近藤史恵リクエスト！　ペットのアンソロジー」

  ペットのアンソロジー、これは読まねば！近藤史恵さんは小説を何冊か読んでいたので知っていますが、近藤さんがリクエストした作家さんのみなさまは、見事に未読の作家さんばかり。​近藤史恵リクエスト！ペットのアンソロジー [ 我孫子武丸 ]​「ババアと駄犬と私」～森奈津子さんおもしろい「最も賢い鳥」～大倉崇裕さん設定が、ＴＶドラマみたい須藤さんと薄さんのコンビ、１話完結でどうでしょう。１０話くらいペットネタの事件を解決していただきましょう！「灰色のエルミー」～大崎梢さんロシアンブルーのエミリーとアメショーのメトロと美鈴と栄一、どこかで暮らしていそう（笑）「里親面接」～我孫子武丸さんこれも事件ものでＴＶドラマになりそう。実際にこんな事件あっても不思議じゃないね。「ネコの時間」柄刀一さんペット小説の王道。みゃーみたいなネコ、飼いたいにゃー「パッチワーク・ジャングル」汀こるものさんこれまた事件ものだけど、夫と連絡が取れなくなって、奥さんの気持ちを考えるとドキドキした（笑）ありえないから、えさやりとか、えさそのものとか「子犬のワルツ」～太田忠司さんステラ、かわいいね。見つかって良かった。「シャルロットの憂鬱」近藤史恵さん飼いたいネコがみゃーなら、飼いたい犬はシャルロット、これで決まり。済みません、２つお話を飛ばしました。

  2018.12.01

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  「あゆみんとスー」

  徳島県の深い集落で、電気や機械は極力使わず、「自給自足の物々交換が基本」の暮らしを営む親子6人の日常を写真と文章で綴った１年間のドキュメンタリー。あゆみんさんとスーさんはプロのファイヤーダンスのパフォマー。でも、その仕事についてはこの本のなかではあまり触れられていない。​あゆみんとスー[本/雑誌] / 廣川あゆみ/著 廣川進/著​時短とは無縁の手間ひまかかる暮らし野菜は自然農法野生動物を捕獲、解体手作り調味料（自分たちで作れないものは、こだわって買っている）命を食べ、命を育む日常自宅での出産絶対に○○ではなくてはダメということではなくて、逃げ道に負い目や罪悪感を感じない、東洋医学のプロ（スーさん）であっても西洋医学を拒絶しない、その見極めができること。いまの私には考えられない生活。子どもたちがいなくても、夫婦二人になっても、たった一人でも、この生活が（もちろん集落の人たちの協力は必須）送れるのだろうか…一人だったら、できることを選択すればいいのか。

  2018.11.19

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  『鎌倉の家』～甘糟りり子

  「鎌倉」に魅かれ（笑）図書館で借りました。甘糟りり子さんという作家さんは初読みですが、名前はなんとなく知っていたような気もします。エッセイであることは読む前からわかっていましたが、「鎌倉の家」をいう題名から勝手に想像していた内容とは少し違い「甘糟家」のお話かなと思いながら読み進めました。しかしながら、最後まで読むと「鎌倉の家」の話しだと思いました。​鎌倉の家 [ 甘糟 りり子 ]​装幀【中島かほる】・装画【菊寿堂いせ辰（室町千代紙　江戸小紋）】が素敵です。著者の甘糟りり子さんは、私より年上ですが、おおざっぱに年代で括ると同年代かと。しかし、この本を読むと、もっと前の時代にタイムスリップしたような感覚です。家に、向田邦子さん、植田いつ子さん、加藤治子さんがやってくること自体驚きです。甘糟さんのお父様、お母様、そして甘糟さんご本人の「鎌倉の家」での生活であったり、想いであったりに触れることができて、鎌倉に行った際にはこの本の内容に思いを馳せることとなることでしょう。あとがきによれば、ご家族のことを書かれることに抵抗があったとのことですが（もちろんそうでしょう）読者にしてみれば、書いていただいてありがとうという気持ちです。甘糟さんにも、編集者の方にも感謝です。

  2018.11.16

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  『始まりの家』～蓮見恭子

  ​​初読みの作家さんです。目次は家の中に７人の名前とページが書かれています。四女の「大崎葉月」に始まり、長女の「宇奈月弥生」、母「宇奈月益美」、長男「宇奈月睦」、三女「伊澤文」、次女「鹿島如恵」そして「深雪」と続きます。​始まりの家 [ 蓮見 恭子 ]​銀座で「ヘアーサロン宇奈月」を営む宇奈月家のある夏の物語です。女性向けですかね。飽きさせず、あっという間に読了。以下、ネタバレにもなるので、文字を薄くしておきますね。代理母出産がテーマかと思いきや、そんなこともなく、家族のお話です。最終的に、なんとなく物語の方向性は想像できますが、ひとつだけ気になるのは、葉月です。代理母出産はあきらめ、文に子どもが産まれて、そのお世話をしていくのだろうなーというのは想像できますが、夫との関係はどうなっていくのかなーって。夫の考えていることもよくわからないままだし。その点がちょっと消化不良でした。​​​​​​

  2018.11.15

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