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カテゴリ:素敵な本
セヴァン・スズキは1992年6月、12歳でE.C.O(Environmental Children's Organization)を代表して
地球環境サミットで伝説的なスピーチをした女性です。 E.C.Oを9歳で立ち上げサミットには子供だけで資金を調達して参加したというので驚いた記憶があります。講演の内容は『あなたが世界を変える日』という本にもなっています。 彼女は日系カナダ人でもあり、地球温暖化防止の京都会議など含め、何度か来日しています。ここでは余り有名ではないと思いますが、五年前、22歳のときにも来日してスピリチュアルな土地、阿蘇にて講演した内容を紹介したいと思います。 ------ 今日、ここでお話ができることはとても光栄です。この美しい阿蘇の谷に来て皆さんと共に楽しい時を過ごせるなんて本当に素晴らしいことです。ここは、カナダの私の故郷にとっても良く似ているんですよ。 (中略) 地球のこの環境が私たちを生かしてくれている、ということを人々は忘れつつあります。阿蘇に住んでいる皆さんにはあまりに当然のことですね。そう、明白です。私達が口にする食べ物や飲み物で、かつて生きていなかったものはありません。つまり、自然がなくなったら私たちはこの地球に存在しえないということです。ところが、コンクリートやガラスに囲まれた生活をしている多くの人がこのことを忘れています!21世紀という新しい世紀が始まって私たちの世代はますます地球そのものから離れています。ビン入りの飲み水を買い、遺伝子組み替え食品を食べ、かつてない大きな車を運転しています。 私達が、今までのように自然との強い繋がりをもつことのできる最後の世代ではないかと考えると、とても恐ろしくなります。若者達はますます外から室内へと閉じこもり、子供達はそれほど庭で遊ばなくなりました。遊ぶ庭さえ持たない子供が大勢います。まるで、自然がなくても私たちが生きていけると言わんばかりの社会です。同時に、うつ状態や絶望感が私たちの世代に蔓延しつつある特徴と言われています。(この二つの現象には)何か関連があるのでしょうか? ここでは、皆さんは阿蘇・久住国立公園に暮らし、自治体の中で共有し、持続可能な農業を共に行っていますが、これらは都市に住むほとんどの人々が経験することもない、はるかに多くのものです。ここに、こうして立っていて、皆さんといっしょに居るというだけで、何かとても強いものを感じます。自然や地域社会から切り離されていることが、人間が持続不可能な生活を続けてしまう理由の一つであり、未来のことを考えもせずに私たちの資源をむさぼり尽くしている理由の一つなのです。さらには、これが絶望感やひいては自殺の要因の一つになっていると思うのです。私たちの価値観のどこかがおかしい。 私たちは今、改めて私たちの価値観を見直すべきです。私たちに本当に必要なものが何なのかを決めることから始めなければなりません。私たちが未来にほしいと思うものは一体何でしょう? ちょっと想像してみてください、もし、この阿蘇の自然が皆さんの周りになかったとしたら、そして、この地域社会がなかったらどうでしょう? 想像することさえ難しいでしょう、違いますか?ところが、大多数の人にはこの自然環境がないのですよ。 先住の人々は、土地には尊厳があるといいます。人は土地とのつながりがあるからこそ生きてこられたのです。ここに暮らす皆さんにはお分かりでしょう。私たちは決してこのことを忘れてはなりません。 10年前リオの地球サミットに参加して以来、私は多くの集会に参加し、協議会などにも出席しましたが、この10年間、そういった会議に出席したことでたどり着いた結論は、変化は政治の指導者たちからは起こらないということです。私たち自身が地球の環境について知り、私たち自身が環境について学び、いかに私たちが地球の環境に影響を及ぼしているのかを認識し、そうして、この地球環境を尊敬の念をもって取り扱う決心をするのです。 では、どうすれば「変化」に関わることができるのでしょうか? 今回の日本の講演旅行でも薦めている、皆さんにも簡単にできる2つのことがあります。 まず一つは、外へ出て自然の中へ入っていくこと、そして、もう一つは、自分の食べるものが何処からきているのかを学び知ることです。 私は皆に自然から学ばなければならない、とうったえています。まず、外へ出ましょう! 公園へ散歩に出かけましょう! キャンプに行きましょう! そして、この阿蘇のような所へ出かけてみましょう! または、(それが出来ないというのなら)少なくとも窓辺に種を植えて観察してみましょう! 自然とは何か、という感覚をもち続けることはとても大切なことです。そうしなければ、どうして自然が重要なのかが分かるでしょう? 次に、食べ物について言えることは、あなたの周りにある自然環境が食べ物となり、それがあなたの身体の一部になるということです。このことは(あなたと)あなたを取り巻く環境との関連付けを始めるのに良い手段でもあります。問いかけてみてください、あなたが食べるものはどこからきていますか? どういう風に育ったのですか? どこで育ったのですか? (自然との)繋がりを持たない人々や都会に住む人々は、こういったことを考えもしませんし、ましてや私たち人間が、実はこの地球、つまり土から生まれた食料そのものだ、ということなど知る由もありません。ところが、この二つの点については、ここ阿蘇に住んでいらっしゃる皆さんは、すでに実行なさっていることです。土と密接に関わり、ご自身の食べるものをご自身で栽培なさっている! 日本やカナダの都会に住む人々はこの阿蘇の地から学ばなければなりませんね。 一方で、私は、この阿蘇に住んでいる皆さんが、(当然と思って)手にしているものを高く評価なさることを強く望みます。ここは、日本の人々が土と密接に暮らすことの出来る、残された土地のひとつといえます。私は、日本の都会の子供たちがこういった農園にやってきて、土にまみれる姿が見たいと思います。 “挑戦”に直面したとき、土地は尊厳を保ち、地域社会は支えてくれます。皆さんが受け継いできたものを、そして皆さんの地域社会を誇りに思ってください。土から得ながら生活をすることは誇りです。土とつながっていることは誇りです。なぜなら、それは日本に住む多くの人々や、カナダのほとんどの人が手にすることの出来ないものだからです。 今日は本当にありがとうございました。ここでお話できたことを光栄に思います。 (http://www.asofan.net/suzuki/index.htmlより抜粋) -------- いかがでしょうか、12歳のピュアでまっすぐな講演とはまた別の味がありますね。 今、私たちは地球のいやしを祈ると同時に、自身の生活のなかで食やライフスタイルそのものを振り返るべきときだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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