カテゴリ:Night
朝、少し静かで少し空気が透き通って見える校舎に入ると、
なぜか少しの戸惑いと少しの気恥ずかしさを感じる。 定時制に来る前は毎朝のように見てきた風景なのに、 いつものようにお昼休みの喧噪の中を出勤するのとは違っているから、 足音もつい抑え気味になる。 職員室もどことなくすがすがしい空気が流れていて、 まだ半分眠っている頭にも心地よい。 カバンを置いて、眠気覚ましの一服へといつもの非常階段へ。 朝露に濡れてひんやりした壁に手を添えながら、最上階手前の踊り場に向かう。 今日も暑くなりそうな予感を孕んだ風に吹かれながら下を見下ろすと、 グラウンドでは陸上部員がトラックにハードルを並べ、 野球部員が秋に向けてキャッチボールをはじめている。 彼らの先には、竈に入れたばかりのパン生地のような入道雲が、 朝日を浴びてゆっくり立ち上がろうとしていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.08.04 01:18:19
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