カテゴリ:Day
満月の下を歩く。
秋の月は眩しくて、 いつもは暗闇に同じ間隔で街灯が電柱の足下を照らす道も、 今日は粉雪が降った後のように一面薄く輝いている。 満月の下を歩く。 見上げた月は冴え冴えと輝き、 その透き通った光を反射するかのような虫の声が、 静寂という名の喧噪を奏でている。 満月の下を歩く。 いつもは街灯の横を通る度に自分の影が現れては消えていくが、 今日はそんな影の横に薄い影がもう一つ。 その影はどこまで行ってもいつまで歩いても、 今日だけはちゃんとついてくる。 いつもは見えにくいものだけど、 いつもちゃんと見ていてくれる。 いつもちゃんとついてきてくれている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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