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テーマ:中国茶好き集まって!(926)
カテゴリ:お茶
最近、仕事が忙しく、とても疲れ気味。
そういう時は、身体は正直なもので、お茶のセレクトが甘さを求めるように自然と変わっていきます。 不思議~。 というわけで、本日のお茶は、この前、台湾で買ってきた意翔村茶業の蜜香烏龍茶。 別名を貴妃茶ともいいます。 このお茶、 東方美人の親戚 といえば、一番分かりやすいかもしれません。 そう、ウンカによって作り出される、独特の香気と味を持ったお茶なのです。 <ウンカの話> ウンカ(=チャノミドリヒメヨコバイ等)は、台湾の茶園であれば、ほとんどの場所にいる害虫で、芒種を過ぎた夏の暑い時期に発生します。 ウンカやヨコバイの種類は非常に多く、日本でもイネの害虫として知られています。 さて、このウンカは茶畑に飛来し、茶葉に付着して、茶葉の汁を吸います(咬む、という表現はどうも間違いらしいです)。 その時、同時に、ウンカの持つ分泌液が茶葉に入るのですが(蚊に吸われると、かゆみ成分が体内に入るのと同じですね)、そうなると茶葉は黄緑色に変色し、さらに丸まり、縮んでしまいます。 こうなったお茶を普通のやり方で製茶しても、色の変色した茶水になってしまうため、販売できなくなってしまいます。 つまり、夏にウンカの大群が茶畑にやってきてしまうと、基本的には 茶畑、全滅 というのが、今までの常識だったわけです。これは、はっきり言って、農家の死活問題です。だから、害虫なんですね。 そこで農薬を散布して、その害をなくす、ということをしていました。 ところが、ウンカに吸われた茶を、「勿体無い」と感じた客家の人たちが、重発酵・軽焙煎の方法で作り上げたのが、いわゆる東方美人茶です。 この独特の製法の研究を進めていくうちに、ウンカに吸われた茶葉のプラスの面を茶業改良場が注目するようになってきました。 それは、 ウンカに吸われても、そのお茶を美味しく製茶できるのであれば、農薬使わなくていいじゃん という、人にも農家にも自然にもやさしい、逆転の発想です。 こうした研究を受けて、各地でウンカの働きを積極的に活かした茶作りが広がっています。 それが、この蜜香烏龍茶であり、花蓮縣や台東縣で生産されている蜜香緑茶、蜜香紅茶です。 さらには、 #今、私の中で、飲んでみたいお茶No.1です♪ (訂正)梨山の工場で作っているのですが、梨山茶というわけではないようです。大変失礼致しました・・・ <蜜香烏龍茶のこと> このお茶が出てきたのは、1999年の台湾中部地震以降のことです。 この地震で、凍頂烏龍茶の主産地である南投縣の鹿谷地区なども、大きな打撃を受けました。 土砂崩れなどで、メタメタの状態になった茶園を復興するとともに、建て直しの為にも、 更に優れたお茶(=高く売れるお茶)が必要だ ということで、製法の研究を進めて作られたのが、このお茶なのです。 2002年には、凍頂貴妃茶という名前で正式に登録され、2005年には台湾の農業界では最高の栄誉となる「神農賞」を受賞しています。 そういう意味では、このお茶は、農家の執念のお茶といっても良いのかもしれません。 製法としては、東方美人は、重発酵・軽焙煎でしたが、このお茶は、発酵度は25~30%。焙煎は4~6分火ということですので、軽発酵・重焙煎のお茶といえると思います。 凍頂烏龍茶と東方美人の良いところ取りのお茶 というのがこのお茶の売り文句だそうです。 さーて、難しい話はこれぐらいにして、早速飲んでみましょう♪ まずは、茶葉。 こんな感じで小ぶりですが、シッカリと焙煎を施されています。 木柵鉄観音みたいな茶葉ですが、色が少し浅いので、発酵度は少し低めなのかなぁと思ってみたり。 温めた蓋碗に入れてみると、ふわりと果物系の香りが(^o^)丿 そして茶水。 色は少し深めの色合いですが、少し発酵の高い凍頂程度の色です。 しかし、何より、香りが素晴らしい~。 鳳凰単叢とかにありそうな果物系の香りです。 口に含むと、フワーッと香りが口の中に広がります。 喉に落ちても、香りがフワンフワンしてます(^^♪ でも、案外、味はさっぱり系。この辺、さすがに凍頂です。 ちょっと冷まして飲むと、甘い甘い♪ なかなか楽しませてくれるお茶です(^o^)丿 古典美人よりも、少しあっさりした口当りですが、香りが濃厚という不思議なお茶でした。 これは夜に飲むとリラックスできるお茶になりそうです(^^♪ 今日のお茶:祁紅-禮茶(遊茶)、蜜香烏龍茶(意翔村茶業) (参考文献)『台湾找茶』呉徳亮・著/撮影 ↑楽天では、唯一、華泰さんだけ取り扱いがあるみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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