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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2007.09.06
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カテゴリ:お茶
いよいよ台風直撃間近。
ですので、大人しく家でお茶してます(^^;)

本日のお茶は、本山(ほんざん)

安渓鉄観音で有名な福建省安渓県で作られているお茶です。

マイナーなお茶のようですが、実は知らないうちに飲んでいた可能性もあります。


<色種>
安渓地区では、色々な品種のお茶が栽培されています。

メジャーなところをあげると、鉄観音、黄金桂、本山、毛蟹などです。
どのお茶も、多くは鉄観音と同じ製法で作られています。見た目も結構そっくりさん。


ただ、品種が違うとやはり個性が違うもので、鉄観音の持つ良さ(戻りの甘さ、香りの高さ、透明感のある味etc...)は、他の品種では出てきません。

ですので、ご当地・安渓(厦門)では、

「鉄観音こそが最高!」

とお茶屋さんは口を揃えて言い、それ以外のお茶は積極的にオススメされません。
「黄金桂や本山、毛蟹が欲しいんだけど」というと、不思議な目で見られます(^^;)(体験談)。


そんなわけで現地に行きますと、鉄観音以外のお茶は、おしなべて日本よりも低評価で、安価に販売されています。
これら鉄観音種以外のお茶は、全部ひっくるめて、

色種(しきしゅ)

と呼ばれています。また、いろんな品種をブレンドして、色種という名前で販売されています。

日本だと、伊藤園の「金の烏龍茶」の影響もあってか、黄金桂の人気も悪くないようで、結構良いお値段だったりします。でも、確かに安渓鉄観音の良いものを飲んでしまうと、ちょっと粗が目立ちます。

また、日本で売られているペットボトル茶には、色種を使っているものは結構多いのですが、現地のお茶屋からすると、

日本人は色種なんてヘンなのが好きだね

と思われている可能性が、なきにしもあらずです((((((^^;


<ニセモノ鉄観音?>
さて、先程、鉄観音と色種は「似ている」という話がありました。

そうなると、さすが中国。

鉄観音と称して、

・色種を混ぜる(ブレンド茶) → 鉄観音1%未満みたいなお茶だったり((((((^^;
・色種を鉄観音と詐称する → 明らかなサギ


というお茶が結構出回ることになります。

あるいは、茶摘み~農民が市場で生茶葉を販売~製茶~お店への過程で、

知らぬ間に混じる

ことがあります。

というのも、安渓の茶農家では、自分で製茶せずに、茶摘みまでという人が結構いるそうなのです。
そういう人が、摘んだばかりの生茶葉を市場に持ってきて、製茶メーカーに買い取ってもらう、という流通をしているそうなので、こういうことが起こりうるわけです。
#そういうお茶は茶畑の素性が分からないので、農薬やら重金属の問題が怖いですねぇ。。。

そんなわけで、安渓の中でも、鉄観音以外の品種をあまり作っていない感徳などの新しい産地の方が、混ぜものの可能性がないから良い、などという話もあります。


安渓鉄観音は有名&ブランドであるがゆえに、ちょっと怪しいお茶も結構多いのです。
ですので、鉄観音と色種の違いが分からないと、

鉄観音を買ったつもりがニセモノだった・・・

などということが起こりかねません((((((^^;

中国では(というか、多くの国では)、知らない人は知らない人なりの商売をされてしまうので、現地に買い付けに行くなら、鉄観音を嗅ぎ分ける舌も必要なのですねぇ。
#こんな話も。中国茶都で



・・・ということで、今回はその中でも鉄観音に似ていることから、

小観音

とも呼ばれる、本山と安渓鉄観音の味の比較です。

比較といえば、鑑定杯登場(爆)


<茶葉の比較>

まずは乾燥状態の茶葉を見ます。

本山茶葉安渓鉄観音茶葉

うーん、並べるとどちらか分からない(^^;)
でも、よく茶葉の香りを嗅ぐと違うんですね。

鉄観音の方が独特の柑橘系?な香りがあります。


<茶水比較>
実は、鑑定杯にお湯を注ぐ時に、どちらがどちらだか分からなくなりました(苦笑)

水色もそっくりさんだし~

どちらがどっち?

(左:サンプルA)(右:サンプルB)


・・・しかし、実は簡単に答えが分かってしまったのです♪


香りが全然違うんですね。

答えは、左のサンプルAが本山。右のサンプルBが鉄観音です。


本山の香りは、悪くはないのですが、平板。単調なのです。
一方の鉄観音はかぐわしいばかりの華やかな香り。

飲んでみると、ますますそれがハッキリします。

本山は、まさに平板。墨絵の世界。
決して不味くはなく、あっさりとした飲みやすいお茶なのですが、余韻がない。
一口飲んで、

お茶の味。以上。

という感じで、ちと物足りない。

本山茶底

一方の鉄観音は重層的。油絵の世界。
華やかな香りがあり、戻りの香りも良く、舌に広がる甘さがあります。
これは、圧倒的に美味しい(^^)
一口飲んで、

香りでおっと思ったら、次に甘さが開いてきて、口の中に広がっていく

口の中での変化が楽しいお茶です。さすが、安渓鉄観音(^o^)

鉄観音茶底


うーむ、これは飲んだら一発の比較実験ですね(^^;)

しかし買うとなったら、試飲ができるばかりとも限らないので、やはり茶葉の香りを覚え込む必要がありそうです。
※注:あるきちは、お茶屋ではありません。ただ現地で騙されたくないだけです(^^;)

今日のお茶:水出し台湾烏龍茶(昨日の出がらしで作った)、本山・安渓鉄観音(華泰茶荘)

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現地で買うのは結構大変?


結構メジャーな安渓鉄観音

かなりマイナーな本山






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Last updated  2007.09.07 01:55:40
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