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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2008.03.09
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カテゴリ:お茶
先週、NHKのBSハイビジョンで放送されたものを、ようやく見ました。
自宅には見る環境がないので、実家に連絡。録画をしておいてもらったのです。

シルクロードなど、歴史的な”道もの”に滅法弱い、私。
しかも、「茶馬古道」と聞いては見逃すわけにはいきません(^^)


NHKと韓国のKBSの共同製作という形になっていますが、スタッフロールや映像の作りかたを見ると、実際には韓国KBSで撮影・製作されたもののようです(どことなく韓国映画orドラマ風なんですね)。

2日連続で、第1話が「交易キャラバンが行く」、第2話が「命の道 祈りの道」となっています。

お茶の話はもちろん出てきますが、どちらかというと茶馬古道という道によって繋がる人々の生活とその人間ドラマを捉えた番組でした。
今まで見たこともないような景色、シーンが数多く登場し、とても見応えがあります。
「シルクロード」を初めて見た時に近い衝撃かも。
#ちと長いですが


<余談:茶馬古道について>
茶馬古道は、茶のふるさと雲南省の南部から、四川省を抜け、チベット、さらにはネパール、インドへと抜ける道です。

かつて中国にあった王朝は、北方の騎馬民族に対抗するために良質な馬を必要としていました。
一方、高原地帯で野菜が不足し、乾燥も著しいチベットなどの高山地域では、ビタミン+水分の補給源として茶が生活必需品となっていました。遊牧民族で、お肉をよく食べるので、その消化のためにも茶が必要だったようです。

チベットで産する優秀な馬と、中国で産するお茶。
このお互いを交換するために、拓かれた道が茶馬古道です。
両者の交易の記録は、唐代からあるのだとか。特に宋代には「茶馬司」と呼ばれる役所が設置され、茶と馬の貿易は国家の独占事業として管理されます。国家の貴重な税収源となる一方、馬と茶の交換比率の見直し次第で、チベット(吐蕃)の国力を左右されるほどの影響を持つようになります。

交易に際して使われるお茶は、馬で運びやすいように固められ、安価で保存も利く黒茶。辺境地区で主に消費されるので、辺茶ともいわれます。
16世紀半ばまでは、四川省産が中心だったようですが、その後はより安価な湖南省産へ比重が移っていったようです。
黒茶といっても、有名なプーアル茶よりも、黒磚茶・千両茶・康磚茶といった比較的ラフな材料で作ったものが中心です(そんなに美味しいものではありません(^^;)。
これをチベットの人々は、バター茶にして飲みます。味より栄養です...



さて、番組の感想をば。
#ネタバレ・・・

まず、全編通じて、とにかく美しい風景!目がハート
高山地帯特有の空の近さのもと、溜め息が出てしまいそうな渓谷、草原をキャラバン隊は歩きます。


そして驚くべきは、茶馬古道が”昔ながらの形で”交易路の現役であること。
シルクロードは、今やほとんどが舗装された自動車道路に切り替わっていますが、茶馬古道はまだそこまで整備されていません。

いまだに崖を這うような細い「けもの道」のような道であり、そこを馬やヤクの背に荷物を載せたキャラバン隊が歩いています。昔にタイムスリップしたような感覚です。

キャラバン隊というと、何だか軽い印象を受けがちですが、まさに命がけの旅。
崖づたいの今にも崩れそうな道をヨタヨタと馬が歩いてみたり、馬も人間もワイヤーロープでぶら下がって川の対岸に渡ってみたり、馬がぬかるみにはまって動けなくなったり、馬の背に乗せた積み荷が崩れ、道行く人や馬たちを襲ってみたり。

その模様は、

川口浩探検隊も真っ青雫

です(年齢バレますね...)。

そうした命がけの旅をする理由は、本当に生活のため。
厳しい山間の高原地帯での生活。塩やお茶という生活必需品を補うために、また生きていくための食料を得るために、やむにやまれず人々は危険な旅に出て行きます。

シルクロードは、どちらかというと東西交易のメインストリートであり、珍しい品を運んでいる道という印象がありますが、こちらの茶馬古道は、まさに高山地域に生きる人々の命をつなぐ道。無くてはならない茶や塩を求めての、生活のかかった道です。


生きていくための必需品、食料・塩・茶ですら不足する、厳しい高原地域での生活。
そんな人々のよりどころになるのは、やはりチベット仏教だったのでしょうか。
番組では、四川省から2100kmも!五体投地を繰り返しながら、6ヶ月かけてラサへ巡礼に行く人たちの様子がクローズアップされています。
その思いたるや、並大抵ではありません。
#「活仏」が、ピカピカのトヨタ・ランドクルーザーで現れた時は、思わず「ヲイヲイ」とツッコミを入れたくなったのですが、そういう私が邪推なのですね(-_-;)


また、キャラバン隊の通る道に、大規模な発破で自動車の通れるような道路が建設されていく様子が映るシーンがあるのですが、それを呆然と見つめるキャラバン隊のメンバー。その目に何が映ったのか。
改革開放による経済発展が、彼らに何をもたらすのか。ちょっと考えさせられてしまうシーンでした。


もちろん、お茶の話も出てきまして、雲南の茶樹王の映像や、少数民族の方が飲むお茶のやり方、四川省雅安の黒茶の製造工場の様子、プーアルの七子餅茶の作り方と重さに秘められた秘密など、なかなか見られない映像が満載です(^^)


・・・ということで、まんまと制作者側の意図にはまってしまったような気もしますが(苦笑)、なかなかに見応えのある番組ですスマイル
明日、10日(月)の14:00から、BSハイビジョンで再放送があるそうなので、見られる環境がある方は是非ご覧下さい(^^)
詳しくはこちら


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NHKさん、地上波でも再放送をお願いします!(受信料は払ってます)





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Last updated  2008.03.10 00:28:06
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