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テーマ:中国茶好き集まって!(926)
カテゴリ:お茶
ふらっと立ち寄った書店で、この本を見つけました。
極める紫砂茶壺 著者の池上さんといえば、上園茶荘の林さん監修で『極める台湾茶』を出された方ですね。 中国茶「極めるシリーズ」第2弾というところでしょうか(^^) 紫砂茶壺 お茶を勉強する身としては、確かに良く知っておかなければならない分野ではあります。 工夫茶には欠かせないものですし、文人茶の歴史を語る上でも、はたまたどんな茶壺を買えば良いのか、アドバイスを求められることもよくあることです。 ・・・が、正直、私は蓋碗使いを自称していますし、美術で3より上の評価をもらったことがないぐらい審美眼に自信が無く(苦笑)、骨董などまるで分かりません。 「有名作家の物だ」「骨董的価値が高い」と言われても、私は「美味しくお茶が入って、使いやすく、形が気に入っていて、コストに合っていれば、それで良いんじゃないの」としか思っていませんので、紫砂茶壺に関しては深入りをしないでおきました(^^;) 作り方とか材質、お茶との相性には興味があるんですけどね。 ですので、紫砂茶壺については、基礎的な知識しかありません。 例えば、たたら製法で作るとか、恵孟臣、陳曼生あたりの代表的な茶壺の形とか、良い紫砂が現在は採掘できないとか。 ・・・とはいえ、厄介な肩書きを持ってしまっているので、中国茶に関する苦手な分野は一通り潰さなければいけません。 どうも読まないわけには、いかなさそうな本です(((((^^; #そんなヤツが本の感想を書いて良いのか、というのが大いに疑問。まあ、個人的意見です(^^;) しかし、手にとって、ひっくり返し、裏面の値段を見て少々悩む小市民・あるきち(笑) パラパラとめくると、カラー写真の美しいページも多いですし、この値段も致し方ないかと購入しました。 で、この週末で一通り読んでみました♪ 本は3部構成で、”鑑賞編””知識編””実用編”の3つから構成されています。 ”鑑賞編”では、伝統的で基本形となるような茶壺の美しい写真が並びます。 これらの茶壺は、この本のために宜興の作家さんに発注して作っていただいたもののようです。 審美眼の無いあるきちでも、「ほほー」と唸ってしまうような美しい茶壺が、1つ1つ丁寧に紹介されています。 写真も色々な角度から撮影されていて、美しさが伝わってきます。その茶壺にまつわるエピソードや形状の理由なども掲載されていますが、これが過去の文献などに結びついていて、結構マニアックなところもあります。 ”知識編”では、茶文化の歴史について簡単に紹介され、そのあと明代の文人茶から、茶壺がどう発展してきたのかについての基本的な流れが解説されています。 そして宜興の紫砂茶壺づくりがどう発展してきたのかと宜興の陶土についての記述があります。 紫砂茶壺が茶文化の中で果たしてきた意義と、宜興がなぜ紫砂茶壺の一大産地となったのかが分かるような内容です。 このあと、ちょっと唐突な感もあるのですが、著者と宜興の作家の方との手紙のやりとりが掲載されています。 正直、「何故、ここで急に手紙?」と思ったのですが、このやりとりの中に、宜興紫砂の本質にググッと迫るものがあるような気がします。 最後に”実用編”ということで、紫砂茶壺の作り方が、陶土づくりから形成、焼く過程まで、詳しく紹介されています。 その上で、どのような選び方をすればよいか、扱いはどうするべきかについても紹介されています。 私の志向性からいくと、いちばん参考になるところですね(^^;) 初心者向きかというと、ちょっと荷が重い気がしますが、ちょっと詳しく紫砂茶壺を知りたいとなると、現時点で入手できるのは、この本ぐらい。そういう意味でも価値のある本ではあると思います。 #正直、読者層を絞り込むのが難しい。前著同様、詳しいところと食い足りないところが併存している感じなのです。「帯に短し襷に長しだけど、これしかないから読むしかない!」というのが本音です。 読み込むだけでなく、美しい茶壺の写真を眺めているのは結構楽しいかもしれません♪ 奥深い紫砂茶壺の世界♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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