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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2008.09.09
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カテゴリ:お茶
とある日のこと。
近所のジャスコのお茶売り場をフラフラしていました。

どうしても、中国茶のコーナーに目が行きます。
ちょっと前までは、それなりのグレードの茶葉も置いてあったのですが、最近はほとんどティーバッグに取って代わられています。


お茶は、100g1000円を超えると「高い!」というのが、普通の感覚のようです(既に伝聞形)
日本茶のPB商品の価格を見ると、そのラインに抑えてあるので、「ああ、このへんが売れ筋なんだろうなー」というのが分かります。

・・・お茶好きの方の感覚とは、ちょっと違うと思いますけど(^^;)


中国茶・台湾茶の場合、それなりに美味しいと思えるお茶は、店頭価格で少なくとも100g1500円以上にはなってしまいます。厳しくなる一方の通関のための農薬検査費用などを考えると、その価格も致し方ないかと。
でも、それだと多くの消費者がちょっと高く感じてしまうので、量販を旨とするスーパーマーケットには、置きづらいのでしょう。

そんな背景や昨今の急須のない家庭の存在を考えると、お手軽なティーバッグだらけになるのも、まあ仕方ないかな、と思います。


そんな中で、キラッと光る商品を発見したので、即買い(←めざとい)

それがこちら。

有機龍茶パッケージ

有機龍茶(ゆきろんちゃ)

三重県の竹尾茶業さんというところが作っている、国産の烏龍茶です。
ホームページも大変充実しており、お茶作りに真摯に取り組んでいらっしゃる様子が伝わってきます。
日本茶の世界では、かなり有名なのかもしれません。

1993年から有機栽培に取り組んでいるそうで、このお茶もその畑でできた夏のお茶を使って半発酵茶に仕上げているとのこと。

有機龍茶茶葉

茶葉の形状を見る限り、発酵度の高い、紅水烏龍あたりを目指した作りみたいですね。
でも、茶末がちょっと多いですね(^^;)

まあ、このお茶、夏茶を使っていることもあって100g480円と、とてもお手頃。
もちろん、機械摘みの機械仕上げだと思いますが”国産”の”有機栽培”ということを考えると、破格の安さと言っても良いと思います。
ですので、細かいことを言っていたらキリがありません。十分、許容範囲です。


最初は、推奨の淹れ方で淹れてみたのですが、茶末のせいか、どうも渋みが勝ってしまっていけません。

・・・ということで、茶葉を少な目にして蓋碗に入れます。
で、熱湯に近いお湯を注ぎ、すかさず茶こしを乗っけた茶海にあけます。
これなら、渋みも出てこず、香りも引き出せ、なかなか良い感じです(^^)

有機龍茶茶水

とてもあっさりとしたお茶です。
小葉種から作った国産紅茶に近いか?と思いつつも、発酵度はその手前で止まっている感じで、スッキリとした味わい。
聞香杯で香りを聞くと、香りはほのかに甘く、微妙な変化があります。
口に含むと、頬のあたりに少し甘さが残るのですが、余韻はあまりありません。
夏茶らしく、さっぱり感の強いお茶です。

少し冷ましてからから飲むと、とても飲みやすく、甘さも感じやすくなります。
爽快感のあるお茶なので、サラッと淹れて冷茶にすると、夏場には良いかもしれません。


とまあ、多少淹れ方に気を遣う必要はありますが、数煎楽しめる上に、お手頃価格というのが嬉しいお茶です。
なにより、国産烏龍茶という選択肢があるのは、消費者にとって歓迎すべきことかと(^^)



でも、中国や台湾の烏龍茶と比較してしまうと、値段が違うとはいえ、正直ちょっとつらい。

もちろん、品種の問題というのはあると思いますが、今後の国産烏龍茶の将来を占う上でも、やはり理由をつきとめておきたい。

・・・というわけで、鑑定杯登場w

有機龍茶水色 有機龍茶葉底

で、分かったこと。

高温時の香りに生っぽさが出ているので、発酵の過程に課題があるような気がします。
製造工程を見ていないので茶葉からの推測しかできませんが、萎凋の初期に茶葉の青っぽさを抜き切れないまま、発酵が進んでしまったのではないかと。
一気に発酵を進める製法を採用しているのかもしれません。


・・・とまあ、こういう指摘をするのは簡単なのですが、これを現実的に改善するとなると、なかなか難しい。

なにしろ発酵の技術は、烏龍茶作りの肝の部分。
簡単に機械化できるようなものなら、中国や台湾の烏龍茶産地の方々は、あんなに苦労しません(^^;)

茶葉の状態を見ながら手作りでやれば、そこそこの出来にはなるでしょうが、それではどう考えても採算ベースには乗りません。
なにしろ、手作りでこの発酵度まで上手に引き上げるには、徹夜は絶対覚悟。そこまでの労力をかける価値があるかどうか(=見合う価格で販売できるか)です。
そもそも、日本茶の品種で、烏龍茶として望むような香りと味わいが引き出せるかどうかというと・・・。
お茶の品種も”適材適所”なのです。


とはいえ、悲観することもありません。
国産烏龍茶への取り組みは、まだ始まったばかり。研究途上です。

一部では、金萱や四季春のような烏龍茶向け品種を、日本で栽培する茶農家さんも出てきていると聞きます。
日本の気候・風土でどのような味になるかは分かりませんが、お茶好きとして、日本で烏龍茶を作ることに努力している農家の方には、その先駆者精神に声援を送りたいと思います。

いつの日か、国産の美味しい烏龍茶と出会えることを願って(^^)

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Last updated  2008.09.09 23:00:56
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