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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2009.03.31
XML
テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:旅行
茶工場を出て、さらに山道を登っていきます。
このあたりは、杭州の西・約50kmの地点で、天目山脈の東北端に位置しています。

辿り着いたのが、径山寺(万寿禅寺)です。

径山寺へ

このあたりは竹林が多いです。
竹林というと、孟宗竹のような太いものを想像してしまいますが、それよりは細いものが多い気がします。

竹林

万寿禅寺は、南宋時代、禅宗の五山十刹の頂点に君臨していた寺院で、多くの日本の修行僧がやってきたお寺です。
また、日本に多くの高僧を送り出したお寺でもあります。

径山寺入り口

このお寺からは、教典のみならず、紡績や製薬、豆腐、味噌(金山寺=径山寺味噌の名前にも残っています)など様々なものが日本にもたらされていると言われます。

その中の1つにお茶があり、茶の栽培法や製茶の技法のみならず、飲み方も持ち帰ったとのこと。
このお寺で僧侶たちによって行われていた”茶宴”。
これが日本の茶道のもとになっているのだとか。

それから、今も使われる天目茶碗の”天目”ということば。
まさにこのお寺の位置する天目山脈です。

さらに、静岡茶の始祖として知られる聖一国師もこのお寺で勉強しています。

・・・ちょっと挙げただけでも、これだけ日本との関わりがあるわけです。
中国と日本の歴史的な深い関係を感ぜずにはいられません。
#径山寺の詳しい話は、地球にやさしい中国茶交流会碧眼猫さんにお聞き下さい(←逃げた)


お寺自体は再建されたものですが、この鼎だけは唐代から伝わるものだとか。

佛鼎


さて、金時計の社長(←しつこい)の電話のおかげで、お寺の方が案内役についてくださいました。

お若い方だったのですが、少しお話を聞いていると、

この人はスゴイ

と思い始めました。

まず気づいたのが、訛りの少ない非常に綺麗な中国語を話します。
そして、話の運び方が論理的で、かつ私たちの関心事に的確に合わせて紹介してくださいます。
言葉の端々に聡明さを感ぜずにはいられません。でも、全然嫌みがないんです。
私、大して中国語ができないのにそう思うんですから、よく分かる人が聞いたら相当スゴイのではないかと。

話だけでなく、立ち振る舞いが素晴らしく、目の輝きが澄んでいます。
ですので一行は、みんな口々に「素晴らしい方だ」と。
きっと、将来の高僧になる方だと思います。

本物の人物というのは、国境や言語を越えて伝わるものなんだと思います。

聞けばこのお寺でも、3人の日本人がトップになったことがあるそうです。
唐代の阿倍仲麻呂もそうですが、良い人物は国籍を問わず受け入れる。
こういうところは、大陸中国の懐の深さを感じるところでもあります。


さて、今回の高級評茶員講座は、中国側は中国茶葉学会が主催のものに参加しています。

そんなことで「茶葉学会から来まして」と中国側のアシスタントの方が挨拶をすると、「茶葉学会の方ですか!」と大歓迎モードに。
茶葉学会、スゲー(←なんで若者言葉w)

そんなわけで、お茶と日本との交流というところに重きを置いて、境内を解説付きで案内していただきました。
まったく、ありがたいことです。

大雄宝殿

見学しながら、色々なお話を伺いました。

禅堂

今でも東福寺との交流は盛んにしているとか、茶道関係の方がよく訪れるとか。

蔵経楼


お寺の奥には龍井という井戸があります。

飲んでみて下さい!

と、水を汲み上げるポンプを押しながら、ピュアな目でこちらを見てきます。

龍井

え?生水飲んだら、あたるんじゃないの・・・

と、旅行者の基本中の基本の意識が頭をもたげます。

とはいえ、それも失礼な話。

恐る恐る、手ですくって少し口に含みました。


なに、この甘いの?


甘くて旨いのです。

イメージいただくとすれば、中国緑茶を煎を重ねて淹れ続け、色がすごく薄くなって、だらーんとしたときの、ほのかな甘みと旨み。
水だけなのに、そんな甘さと旨さがあります。


好山好水、出好茶

と言いますが、まさにこの山の環境とこの水があってこその、径山茶なんだと思います。
旅行、時には勇気も必要ですね(^^;)


お寺の奥の方には茶畑があり、お茶を作っているのだそうです。
噂では、そこの茶樹は径山茶の原種に近いとか。
雨でしたので、見学は叶いませんでしたが、相当美味しいお茶なんじゃないかなぁ。。。


・・・と思っていたら、一通り見学が終わった後、

お茶を飲んで行かれませんか

との信じられないお誘いが。


何という、ありがたいお言葉(T_T)

と思ったものの、そこは節度というものがあります。
実はお茶工場のパッキングに時間がかかり、お寺への到着が遅れたので、既にお寺の開放時間を過ぎていました。
最初は丁重にお断りしたのですが、「是非」と客殿に通されます。


そこで出てきたのが、ガラス蓋碗に入った径山茶。

頂いた径山茶


うま~い(^^♪


去年のお茶なのですが、まさにあの龍井で飲んだ水の甘さがあって、さらにそこに径山茶のやさしい甘さが加わって、なんとも甘露甘露♪な一杯でした。

茶葉


お茶のもてなしの心。

それって、こういうことかも

と思いました。

いつまでも記憶に残る一杯だと思います。


素晴らしい方に出会えたのも、お茶のご縁。

真面目にお茶の勉強をしていて本当に良かった!

と感じた径山寺の訪問でした。

私が言うと意外に思われるかもしれませんが、お茶の魅力って、人との出会いにもあると思うんですよね、やっぱり。


この後、猛スピードで山を駆け下り、杭州市内へ。
ホテルで、歓迎の宴席を持っていただきました。
いつも気の良いおじいさん(←親しみ込めてます)の兪先生もお越しになって、楽しくお食事。

明日から、いよいよ梅家塢で勉強開始です。


続く。


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お茶って素晴らしい!





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Last updated  2009.04.04 13:15:10
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