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テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:旅行
3日目と4日目をまとめて。
今日から、本格的に評茶実習を開始します。 担当いただいた先生は中国名茶図譜の編著者として著名な方です。 書いてある内容が結構カッチリしている方なので、ちょっと緊張気味だったのですが、ジョークを飛ばしたりする、とってもおちゃめな先生でした。 とはいえ、さすがはプロ! 製造現場にいたことが長い方だけに、お茶の外観と香りを見ただけで、「揉捻が強すぎるから、味はこういうふうになっているはず」等々、ビシバシと指摘ができてしまう方です。 最初は緑茶の評茶から。 評茶のやり方を簡単にご紹介しましょう。 評茶では、茶葉を5つの要素で審査します。 5つの要素とは、茶葉の外観、水色、香り、味、茶殻の5つです。 お茶の種類によって、品質面で重視されるポイントは違います。 それに合わせて、審査の配点を変えています。 この配点は、お茶の種類ごとに国家標準などで定められています。 例えば、名優緑茶(日本で名前を聞くようなブランド緑茶)の場合は、外観30点、水色10点、香り25点、味25点、茶殻10点と、外観をやや重視した配点になっています。 一方、烏龍茶は外観15点、水色10点、香り35点、味30点、茶殻10点と、香りを重視した配点になっています。 それぞれの評価ポイントは、”評語”と呼ばれる審査用語を用いて表現します。 審査用語には、良い評価の時に使う言葉、イマイチな時に使う言葉などがあり、その茶葉の状態を見て適切な言葉を当てはめていきます。 例えば、龍井茶の外観は、”扁平光滑(平らで表面に産毛が無く滑らか)”な状態でなければいけませんし、碧螺春ならば”被毫(産毛に包まれている)”な状態でないと、良い評価ではない、などです。 そして、その言葉に応じた点数を各項目ごとにつけ、最後に総合評価を出します。 こうしたプロセスを経ることによって、お茶の品質を特定していくわけです。 さて、そんなわけで緑茶の評茶に取りかかったわけですが・・・ 私、困ったことに、点数が先生と合いません(-_-;) 評茶員はお茶の値段を決めることが1つの目的ですので、点数が一致しないのは大変マズイのです。 原因は、手心を加えすぎたことでした。 例えば、緑茶の場合、水色は生き生きとした緑色であることが求められます。 しかし、例えば大葉種を使った緑茶になると、カテキン類などの成分に違いがあるので、やや黄みがかってしまうことがあります。 これを、「大葉種の割には頑張ってるから」と少し甘く評価してしまっていたのです。 こういうことをしてしまうと、審査結果には大きく隔たりができてしまいます。 統一基準で評価しなければならない評茶員的には、これではいけません。 黄色っぽくなったら、それなりの点数に引き下げなければいけません。 そんなことを修正しながら、お茶を利き、メモをとりつづけます。 時には、これは”黄緑”か”緑黄”かと、色の定義の議論にもなり、頭が混乱します。 結構つらい作業です。。。(-_-;) とはいえ、先生は問題点を探るという点では、さすがプロ。 茶葉の問題点の指摘内容は明快で、大変勉強になりました。 まあ、その理解した内容と自分ができないことのギャップで苦しむわけですが。。。 翌日は紅茶、烏龍茶と評茶実習が続きます。 紅茶は紅茶の審査用語がありますし、烏龍茶は烏龍茶の審査用語があります。 これをきちんと覚えていないと、茶葉を前にして、まったく表現ができなくて困ることになります。 頭の中で、ぐるぐると審査用語が回る毎日。 しかも烏龍茶の審査は、道具が違います。 このようなものを使います。 5gの茶葉と110ccの蓋碗を使い、2分、3分、5分と3煎淹れます。 その間、香りを聞いて、水色(すいしょく)を確認し、それを書き留めなければいけませんから、大忙しです。 いったい、何種類のお茶を利いたんでしょう? 紅茶のブロークンティーや火入れの強すぎる鳳凰単叢などには、すっかり口の中の感覚を麻痺させられました。 そんな苦行?を経て、台湾烏龍茶の評茶に移ったとき、思わず口をついて出た言葉は”うまい”でした(^^;) 理論を勉強するのは難しくありませんが、それを実践して確実に行っていくというのは本当に大変なことです。 先生、「これは練習するしかない」と。 予習(練習)不足を現地で深く反省するのでした。 続く。 結構ハードです(^^;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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