|
テーマ:中国茶好き集まって!(926)
カテゴリ:個人的なつれづれ
歩き倒しの旅から帰ってきて、あれこれバタバタしている、あるきちです。
旅行記、しばしお待ちを。。。 さて、「何でコイツは、こんなにマニアックなことを勉強しているのだ」ということに対しての回答を。 実は、すごく単純な動機でして、 1.美味しいお茶を色々と飲みたいけど、変なお茶は極力買いたくない 2.美味しいお茶をずっと飲むために、農家の努力を正当に評価し、適正な価格で買いたい というのが、その回答です。 え、それだけ? と思われるかもしれませんが、実はこれをきちんとやろうとすると、かなりマニアックにならざるを得ないのですよw 詳しくご説明いたします。 * * * * * * 1.色々なお茶を飲みたいけど、変なお茶は買いたくない 私が、中国茶や台湾茶の世界にディープに足を踏み入れたきっかけは、20年ぶりに訪れた台湾。 店の名前まで書いてしまいますと、新純香さんで親切に色々な種類のお茶を試飲させてもらい、 お茶は、こんなに旨いもので、たくさんの種類や個性がある飲み物だったのか! と、美味しさと味や香りの多彩さを再発見したことに始まります。 #意外に、よくある理由ですよね(^^;) 台湾在住の頃から飲んでいましたので、台湾烏龍茶歴は一応20年以上ありますが、意識して飲み出してから、そんなに時間は経っていないのです。 ええ、信じられないかもしれませんが、3年ぐらい前まではホントに普通の人だったんですよw 台湾烏龍茶だけで「おおっ、色々ある!」と思ったぐらいですから、中国大陸のお茶にまで手を出し始めたら、あまりの種類の多さに、クラクラとめまいがしました でも、色々飲んでみたいわけです。 なぜなら、その中には、驚くほど美味しいお茶があるんじゃないかと思うから(笑) #一種の青い鳥症候群? しかし、色々なお茶を飲んでいくにつれ、あることに気がつき始めました。 それは、 知識を持って防衛しないと、とんでもない散財をする ということです。 中国茶は、お茶の種類も多いのですが、グレードの違いもかなり大きいのです。 まさにピンからキリまで。 農作物なので当然なんですが、同じ名前のお茶(たとえば凍頂烏龍茶)でも、店によって値段が全然違って、味も全然違います。 でも、高ければ良いかというと、実はそうでもないのです。 お茶は嗜好品なので、高くても口に合わないのはありますし、安くても「旨い!」と思うこともあります。 散財を防ぎ、コストパフォーマンスの良いお茶ライフを送るためには、好みのお茶を上手に選ぶ方法を身につける必要があると感じました。 さらに、現地でお茶を買う体験が強烈でした。 台湾や中国の土産物屋的なお茶屋さんではなく、農家や茶葉市場、あるいはちとマニアックな専門店に行ったりすると、あまりに自分が何も知らないことに愕然としました。 日本で流通している蘊蓄やお茶屋さんの耳学問をつなぎ合わせたぐらいでは、お茶を選ぶことはできないし、会話も成立しないのです。 「どんなお茶が欲しいのか?」と聞かれても、希望を伝えることすら、できないわけです。 ”自分がイメージしているようなお茶を出してもらうこと” これが存外難しいことに気づくわけです。 「香りの高いお茶」「甘さの強いお茶」と言っても、それは上手く伝わりません。 主観に大きく左右される味や香りを言葉で伝えるのは、ものすごく難しいのです。 それでもめげずに、色々なお茶屋さんで試飲するうちに、お茶の味を左右する”変数”を押さえれば、かなりの確率で好みのお茶に出会えることが分かってきました。 たとえば烏龍茶なら発酵の程度や焙煎具合、産地、季節など、客観的な事実を特定した方が、好みのものにありつける可能性は高くなります。 そうだ、これをきちんと勉強しよう と思ったわけです。 つまり、私は、 星の数ほどあるお茶の中から、自分が好みだと思うお茶をすくい上げる能力 を身につけたいと思っているのです。 変なお茶をつかまずに、美味しいお茶を存分に楽しみたい。 今古茶籍の簡さんの言葉を借りると、”お茶の消費のプロ”になりたいわけです。 そのためには、お茶の品種の違いや季節の違い、天候の違いによって味や香りはどう変わるか、というようなお茶の味に関わる”変数”について突き詰めていかないといけません。 その中には、「茶商だけ知ってればいいんじゃないの?」と思うこともあります。 でも、本気でお茶を選ぶためには必要なことなのです。 * * * * * * 2.農家の努力を正当に評価し、適正な価格で買いたい” 私、美味しいお茶は、ずっと作り続けていて欲しい、と思っています。 そのためには、農家の努力を正当に評価し、”安く”ではなく”適正な価格”で買ってあげることが必要だと考えています。 美味しいお茶を作るのには、相応のコストがかかります。 機械で摘むよりも、手で摘む方がコストがかかりますし、除草剤を撒くよりも手作業で雑草を取る方がコストがかかります。 このような努力とコスト高を消費者が評価せず、値段の安さのみを追いかけるようになると、良いものを手間を掛けて作っている良心的な茶農は、生活が立ちゆかなくなります。 そうなると、美味しいお茶は手に入らなくなり、かわりに掛けるべきコストを省いた、いい加減なお茶ばかりが流通することになります。 これは困ります。 やっぱり農家が苦労したことを、きちんと消費者が理解してあげなければいけません。 「このお茶は高いけれども、こういう苦労をしているから、相応だよね」 と買ってあげる人がいないと、美味しいお茶は消えてしまうのです。 私、祖父母の家が農家だったので、農家の悲哀をよく知っています。 ですので、農家の努力を正当に評価できるようになりたいと考えました。 できあがったお茶を飲んで、 「ああ、これはこういう手間をかけていますね。素晴らしいお茶ですね」 と理解してあげられたら、農家の方はきっと嬉しいに違いない。そう思うのです。 お料理だって、一緒ではないでしょうか。 「美味しい」といってもらえるのは、もちろん嬉しいと思いますが、たとえば普通よりも時間をかけて下ごしらえしたものを、きちんと評価してもらえたら、さらに嬉しいんじゃないかと思います。 #イヤミな蘊蓄にならないように、気をつけなければいけませんがね(^^;) ネスカフェのコマーシャルではありませんが、 ”違いの分かる飲み手” でありたいと思っています。 そんな飲み手が、海を越えた日本にもいると分かれば、きっと農家の人たちの誇りにもなると思うのです。 特に、拝金主義的になりがちな中国では正当な努力のものが軽視され、見てくれのものに流れやすい傾向があります。 きっと、努力が報われないと感じている農家もいるはずです。 そんなときに、絶望せず、 俺の努力を分かってくれるヤツは、日本にいるんだ と、美味しいお茶を作り続けてくれたらなぁ、と思うのです。 ・・・で、このようなレベルに達するためには、やっぱり色々勉強しなければいけないのです(^^;) 産地はどんな気候で、どんな地形の場所なのか 製茶の作業はどのようにしてやっているのか 難しい作業はどういうところがあるのか 普及品と高級品の違いは何か などなど。 そんなもの、知る必要があるのか?ということを押さえておかなければいけません。 どー考えても、マニアックになりますねw 評茶員というのは、こうした勉強をするベースを作るには、良いプログラムだったわけです。 中国側に対しても、「高級評茶員だから情報をくれ」と言った方が、色々な情報にアクセスできますし。 #内容については、全面的に賛成というわけではないのですけどね。 * * * * * * ・・・とまあ、長々と書きましたが、このような理由で、ちとマニアックな領域に踏み込んでお茶を勉強しながら飲んでいます。 あと、「美味しいお茶って、こんなに美味しいんだ!」ということは、多くの人に知って欲しいと思うのです。 確かなお茶を求める飲み手が増えれば、マーケットが拡大し、ビジネスチャンスが生まれる。 ビジネスチャンスのあるところには、優秀な人が集まります。 つまり、良いお茶を作る人が増えます。そして、優秀な人同士で、競争が起きます。 その競争が適正なものであれば(安かろう悪かろう競争にならなければ)、好循環になります。 もう、美味しいお茶がたくさんありすぎて、しかもお手頃価格で、どのお茶飲むか困っちゃう こうなるのが、理想なのです。 その担い手になる人(正しいお茶を取り扱うお茶屋さんだったり、魅力を伝える人だったり)は、徹底的に応援したいと思っています。 その方々が頑張れば、美味しいお茶の愛好者が増えるわけですから、マーケットが広がるのです。 そうなると、 むふふ・・・ 美味しいお茶が、安く、たくさん手に入るようになるw ・・・結局、私って自分勝手なヤツということですね((((((^^; 単純な理由なんですが、なかなか難しいのです(^^;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[個人的なつれづれ] カテゴリの最新記事
|