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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2009.09.30
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カテゴリ:茶の種類・品種
最近は、すっかりグルメブログ(それも比較的B級・・・)と化していましたが、ここは一応、お茶のブログです(^^;)

今月は、ジェットコースターのような1ヶ月だったので、ほとんど家でお茶を飲むこともなかったのですが、久しぶりに雲南毛峰を淹れてみました。

雲南毛峰茶葉


雲南大葉種を用いて作られる、雲南省の緑茶です。

雲南のお茶は、緑茶でも紅茶でもプーアルでも「あ、雲南のお茶だ」と分かるような、ちょっと個性的な香りを帯びています。品種の香でもあり、製法の香でもあります。
このお茶も、さっとお湯を少量注いで香りをみると、やはり雲南な香りがあり、さらに柑橘系の不思議な香がします。

雲南毛峰


味はとてもしっかりしていて強さを感じますし、柑橘系の爽やかな香りと口の中に残るサッパリ感が心地良いお茶なのですが、意外に甘みもあります。
このお茶、案外、秋に向いてるかも、と思いました。



さて、雲南大葉種といえば・・・
#タイトルとこの流れで、既にピンと来てしまった方もいるかも。


最近、話題の新型インフルエンザ。

これに関連して、お茶のカテキン類の機能に注目が集まっています。
その機能とは、殺菌効果。

カテキン類といっても種類は豊富なのですが、その中でも、よく取り上げられるのがエピガロカテキンガレート(EGCG)という、きわめて力強い名前の成分だったりします。
確かにウイルスにすらも勝ちそうな名前ですね(^^;)

先日、この成分を”加工”し、インフルエンザ治療薬に応用する技術が”特許”を申請中であるというニュースがありました。

asahi.com


「カテキンに効果あり」となると、脚光を浴びてくるのが、”大葉種”の品種を使った”緑茶”です。
多くの緑茶で使われている小葉種よりも、大葉種は品種特性としてカテキン類の含有量が圧倒的に多いためです。

手元にある『中国茶樹品種志』によれば、広義の雲南大葉種の1つである[孟力]海大葉種。
この品種のポリフェノール類は一芯二葉の春茶の乾燥茶葉中に32.8%。そのうちカテキン類は18.2%含まれているとされます。

中国緑茶の代表選手・龍井茶の主力品種、龍井43号のポリフェノール類の含有比率は18.5%で、そのうちカテキン類は12.1%を占めます。
日本茶の主力品種・やぶきたは、カテキン類の含有量が13.9%と言われていますので、これらの品種と比較すると、雲南大葉種はカテキン類の含有量が多いことが分かります。
↑日本茶の資料が少なくてすみません。日本茶も勉強しなきゃ・・・

また、カテキン類(いわゆるポリフェノールです)は酸化発酵させると、一部がテアフラビンやテアルビジンなどの色素に変化してしまう(=成分が減る)ため、緑茶の方が効率よく成分をとれるわけです。
#このようなことは、評茶員の勉強をすると出てきます。


さあ、ここまでの情報で、某テレビ番組が健在だったら

「インフルエンザ予防のために、雲南緑茶を飲もう!」

と、きっと放送していたことでしょう((((((^^;



しかし、早合点してはいけません。
先のニュースで、成分を”加工”した、と強調しましたが、

普通に飲んだって、効かないよ

と、記事にはきちんと書かれているんですね(^^;)

体内で分解されないように”加工”しなければいけないと。
それがなかなか難しくて、ようやく実現できたから”特許”なんです。


そういう説明を一切端折って、

なんか、お茶はインフルエンザに効くみたいよ

と消費者に誤認させるような売り方は、まったく感心しません。
少なくとも、お茶屋を自認するお店には、やって欲しくありません。


そりゃ、目先の売上は稼げるかもしれませんが、長い目で見るとマーケットを壊すだけだと私は思います。
これで「効かなかった」となったら、雲南の緑茶に対しての悪印象だけが残るんじゃないかと。

「花粉症には凍頂烏龍茶」という報道の影響で、「なんだ、これは?」という凍頂烏龍茶もどきのお茶が、市場に出回った悪夢が思い起こされます。
あれを飲んで、「凍頂烏龍茶は美味しくない」と感じた方がいたであろうと思うと、お茶好きとしては、目眩がしてしまいます。

効能先行では、農家や消費者のいずれにもメリットをもたらさないのです(コストしか見ませんから)
悪いのは、お茶ではなく、その売り方です。


だいたい、健康への効能を謳って販売をするのなら、ちゃんと勉強して裏付けを取ってから書かないといけません(それでも、一歩間違うと薬事法違反です)。

その姿勢もなく、俗説に依ったテキトーなことを書いて売りさばこうというのは、お茶への愛が無いというか、

お茶屋の品格はどこへ行った?

と言いたくなってしまいます。
#おお、久しぶりに吠えてしまった((((((^^;


販売業者の方には、正しく、フェアにビジネスを行ってもらいたいものです。
農家と消費者を繋ぐ、大事な存在なのですから。


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嘘はいけません(`´)





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Last updated  2009.10.05 01:25:19
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