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テーマ:中国茶好き集まって!(926)
カテゴリ:お茶のイベント・勉強会など
花曇りの4月4日・清明節。
笹塚区民会館で三清茶会が開催されました。 講師は今古茶籍の百大先生。 三清茶、歴史とお茶の結びつきがよく感じられるものなので、なかなか面白いんです(^^) <三清茶とは?> 三清茶とは、三清(梅の花、松の実、佛手柑)を煮出したお湯で淹れるお茶のことです。 南宋の高宗(大観茶論を著した徽宗皇帝の子)が臣下に対して三清茶をふるまった記述があり、これが文献に見られる最古の記述のようです。 このお茶を、こよなく愛していたのが清の乾隆帝。 生まれながらの皇帝であった彼は、ストイックな祖父・康煕帝、父・雍正帝とは異なり、やや派手好み。 南方への巡幸で獅峰山へ立ち寄り、自ら龍井茶を植えるぐらいのお茶好きでもあります。 乾隆帝は、杭州から新茶の龍井茶が届くのを待って、三清茶を使った茶会を開いていたようです。 このお茶会はかなり大規模なもので、多くの重臣たちも参加していました。 三清茶は、役人の心構えとしての意味合いも密かに込められていました。 今回は、三清茶を2段階方式で淹れました。 三清とお茶を一緒に蓋碗に入れて一度に抽出しても良いのですが、軽やかさを引き出すための工夫です。 まず、三清を淹れた蓋碗に熱湯を注ぎ”三清湯”をつくります。 1つ1つの材料が個性の強いものなので、さっと手早く抽出します。 そして、その三清湯を龍井茶の入った蓋碗に入れ、これまた手早く注ぎます。 そうして出来上がったのが、こちらのお茶。 とても爽やかな一杯でした(^^) 梅の香と松の実の味。アクセントとなる佛手柑の爽やかな香り。 それらの香りのあとに、しっかりと龍井茶の余韻が残るのです。 煎を重ねていくと、それぞれの材料の香りと味が互い違いに出てきて、とても変化が面白いお茶です。 今回の三清茶は、1つ1つの材料に徹底的にこだわっていました。 梅の花は、黄山の山奥にある梅の花を、雪の中、農家に取ってきてもらったもの。 名付けて、雪梅花。 香りが段違いに良く、特に2煎目にはフワッと立ち上る香りが絶品でした。 松の実は、女真族の故地でもある満州地区、それも北朝鮮の国境に近い長白山付近の松の実を用意しました。 マイナス20度の極寒の世界に、簡さんがわざわざ出向いて購入してきたもの。 松の実自体も実際にお茶請けとして召し上がって頂きました。 今回は、マツボックリもセットでお出ししましたが、松の実がこの中に入っているというのは、想像しにくいので、なかなか受けていたようです(^^) 佛手柑は浙江省の金華市でとれたもの。 主役の龍井茶は、今年、寒波で多くの産地が被害を受けたのですが、その中でも奇跡的に被害の少なかった麗水市遂昌県の遂昌龍井を用意しました。 品種はおそらく烏牛早だと思うのですが、軽快なトーンのお茶で、今回のサラリと淹れる三清茶にはよく合っていたと思います。 ・・・と、いずれも劣らぬ産地のものを取り寄せての贅沢な三清茶だったのでした。 三清茶のあとは、遂昌龍井のみをじっくりと味わいます。 今年の3月11日に摘まれた遂昌龍井です。 産地の遂昌県は、浙江省の南部。 温州市からさらに内陸に入った麗水市の管轄下にある県で、山の中にあります。 山に囲まれた特殊な気候の地域だったので、今回の寒波の影響が小さく止まったようです。 軽快でありながら、しっかりと春の一番茶らしい余韻を持ったお茶でした。 このお茶を味わいながら、今年の茶産地の状況を百大先生が解説しました。 先日まで簡さんと一緒に茶産地を尋ねて回っていたので、現地の写真をたくさんスクリーンに映しての解説でした。 獅峰山や梅家塢の最初の新芽が駄目になってしまい、二番目の新芽を摘んでいる様子や鳳凰山の水不足と寒波の影響で立ち枯れてしまった茶樹など、現地に行った人ならではのお話でした。 * * * * * * 今までに例のないお茶会で、色々と至らない点もありましたが、ご来場頂きましたみなさまと関心を持って頂いたみなさまに感謝申し上げます。 ありがとうございましたm(_ _)m 来年もやるかも? ※この三清茶のセットは、今古茶籍さんのネットショップで購入できますので、よろしければお試しください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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