先週の土曜日、特定非営利活動法人中国茶文化協会のオープンセミナーが開催されました。
撮影班で入っておりましたので、写真付きでご報告を。
#個人的には撮影禁止にするつもりは全然無かったんですけどねぇ。。。
今回のテーマは「茶の原産地と文化を訪ねる」で、講師は「茶の原産地紀行」などの著書でも有名な松下智先生でした。
お茶の原産地とティーロードの探求ということを研究されて50年以上という大先生です。
最初の30分ほどは、概論的な部分。
なかなか専門的なお話・地名・名前がポンポンと出てくるので、結構聞き応えのある内容でした。
先生は嗜好品として、「お茶」と「ビンロウ」というのが象徴的な存在だという説を展開されておられました。
お茶が普及していくと、ビンロウを咬んでいた文化が廃れ、お茶に切り替わっていくのだとか。
さらに、フィールドワークの結果として、どうやら茶の原産地は雲南省にありそうではあるが、少数民族の喫茶文化などを調査していくと、茶文化の発生地は違うのではないか?と、お話されていました。
お茶の扱いに長けている少数民族として、何度も名前が出てきたのが、ヤオ(瑶)族。
彼らに残っている喫茶の風習などについて、貴重な写真を元に紹介いただきました。
中国というのは、漢族ばかりではなく少数民族の方にまで踏み込んでいくと、実に奥が深いな、と感じました。
お茶というキーワードで、中国を知っていくということも、なかなか面白いとあらためて思いました。
実際に茶産地に行かれた話は、面白いエピソードの数々。
山の斜面に真っ直ぐに引かれた道で登るのが大変だった、という話などでは大笑いでした。
もっともっとお話を聞きたいところでしたが、時間を気にされたようで、1時間ちょっとの講演となりました。
個人的には、もう少し、先生の面白いお話を引き出すような工夫をきちんと組み込むべきだったな、という反省がありました。
なにより、時間ももう少し無いと、ちょっと厳しかったですね。
これ、次回は改善したいと思います。
一度お話を聞いていたら、違ったと思うのですが。
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さて、この協会、昨年12月に設立されたばかりのよちよち歩きの協会でありますが、志だけはかなり高く持っています。
ややもすると、
「お茶屋とくっついて資格ビジネスを始めたか」
と思われてしまいそうなのですが、実体は全然異なります。
中国茶の業界をグルリと見渡すと、1軒のお茶屋さんや1人の先生の頑張りだけでは、どうしようもない問題というのが横たわっています。
具体的に問題を挙げていくと、2時間ぐらいのセミナーになってしまいますので割愛します(笑)
こういう問題を解決するには、ある程度、力を結集して当たらなければなりません。
そのためには、受け皿となる組織が必要です。
ただ、数多ある既存の組織では、なかなか難しい、と思いました。
どこかのお茶屋さん・会社の影響を極力排除した形で設立され、フェアに運営されている協会でなければ、安心して協力してくださらないだろう、と思うのです。
そこで「公益的な器」として、私物化の困難なNPO法人というガラス張りの組織を1つ立ち上げたというわけです。
NPO法人となると、何でも情報開示しなければいけないので、ハッキリ言って上場企業並みに面倒です。あえて茨の道を選んだのには、それなりの理由があるのです。
#資格ビジネスをやるのに箔をつける意味での法人化なら、もっと面倒のない一般社団法人か会社組織にします。
「立ち上げ」といっても、とにかくスピードが必要なので、既存の組織をNPO化するという手法をとりました。
あちこちでお話を聞いていると、業界的には「もう、待ったなし」のところまで追い込まれていると感じています。
そこで多少の毀誉褒貶はあるだろうけれども、軌道に乗るまでの時間を短縮できる、この方法で行こう、と。
現時点では、やや中途半端と思われる布陣になっているのは、こういう事情があるためです。
収益基盤がある程度見えてくれば、事務所も独立させる予定ですし、協力して下さる方を積極的に役員登用していっていますので、見た目の印象もそのうち変わってくるだろうと思います。
構想はとにかく色々あり、一つ一つお話ししたいのは山々ですが、まだできていない話を言っていても仕方がありません。
まずは一歩一歩、足場を固めて行き、粛々と色々なもの・しくみを作っていく予定です。
まさに「妄想」を「かたち」にする、実務家の腕の見せ所だと思っています。
#こういうことを仕事でやってきましたから、超・得意分野ですw
そんなわけで、お茶好きのみなさまには、
「どうも、面白そうな組織ができた」
と、ちょっとだけ注目いただけると幸いです(^^)