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テーマ:中国茶好き集まって!(926)
カテゴリ:Welcome中国茶
さて、ここまでの情報があれば、一通りお茶は飲めると思います。
そこから、どう深めていくかなのですが、これは人それぞれです。 駆け足とはいえ、一通り中国茶の世界を巡ってみると、自分が興味を引かれるポイントというのが見えてくると思います。 たとえば、 ・もっと美味しいお茶を探してみたい ・お茶の味わいと香りの違いについて、もう少し詳しく突っ込みたい ・このお茶が生まれた背景や歴史、いわれをもっと知りたい ・もっと上手にお茶を淹れたい ・美しくお茶を淹れたい ・茶器について、もう少し詳しく知りたい ・中国の茶文化全般についてもっと知りたい ・お茶の歴史について知りたい ・現地でお茶を買いたい ・お茶を飲む空間・茶席を演出してみたい などなど。 これまでの記事は、そうした自分の興味を発見するまでのガイドです。 ここからは、自分が興味を持ったことを、どう学ぶか・学べるかという話に入っていきます。 まずは、多くの人が気になるであろうことについて。 お茶の味や香りの個性が生まれている部分をどう深めるかをご紹介します。 <同じ名前のお茶でも、香りや味が違う?>たとえば、あるお店で購入した、凍頂烏龍茶の味と香りが気に入ったとします。それが切れてしまい、別のお店でなんとなく凍頂烏龍茶を買ってみたところ、全然思っていたものと味と香りが違う・・・ 同じお茶の名前なのに、なぜ? ということが良くあります。 また、お茶のグレードもピンからキリまであり、なぜこんなにお茶の値段が違うのか、といぶかしく思われることもあるでしょう。 このようなことに興味を持たれた方は、お茶の味を左右する要因を学んでみると良いかもしれません。 <お茶の味を左右する要因>お茶の味を変えている要因は、大体以下のような5つの要因が考えられます。あ、これは私が経験上で分けたオリジナルの分類ですので、正しいとは限りませんが(^^;) ・製法 発酵度の高さ・発酵の行わせ方 焙煎の程度 作り手の個性 など ・茶樹 お茶の品種の違い 茶樹の年齢 根の張り方 など ・土地 産地の気候特性 標高 土質 日当たり、水はけ など ・気候 製茶時期(春、初夏、秋、冬・・・) 茶摘み前後の天候 生育期間中の気候 など ・保存 保存の状態 製茶・焙煎からの期間 など こうした項目が1つでも違うと、同じ名前のお茶でも、違った風合いの茶に仕上がります。 飲んでみて「これは何か違うな」と思ったら、原因は大体、上記の中にあります。 これらの違いを理屈の上で説明するのは、割に簡単です。 が、実際にどう違うのかを理解するためには、やっぱり飲むしかありません。 少しずつ、製造時の条件が違うお茶を飲み比べてみて、 なるほど、これが春茶と冬茶の違いか 発酵度が高いと香りがこう変わるのか というようなことを、1つ1つ確認していきます。 違いを舌に覚え込ませる作業が必要です。時間がかかります。 かなりの数を飲み、ある程度の傾向が掴めてくると、 発酵度が高めで、焙煎も少し強めにした梨山茶が好き。特に冬茶。 のような、ややマニアック?な回答が出来ることになります。 こういう回答が出来ると、どんなメリットがあるか?ですが、 自分好みのお茶にありつける確率が高くなる というメリットがあります。 たいていのお茶屋さんは、「これ、なんだか美味しいから買って来ようか」と漠然と仕入れてくるのではありません。 上記のような条件を考え・伝えながら、仕入れを行っているのです。 プロの共通用語なんですね。 お茶屋さんに対して、上記のような言葉を使って伝えられると、向こうも一発でお茶のイメージを解します。 「とにかく香りの良いお茶」のような言葉では、漠然としすぎていて、残念ながら伝わらないんです。 現地のディープなお茶屋さんや産地に行く際は、これができるかどうかは大事なことだったりします。 プロの方がやっていることを真似ようというのですから、なかなか大変です。 しかしながら、よく使われるものというのは、やっぱりある程度決まっています。 そういうものだけでも覚えておくと重宝します。 たとえば、台湾茶を例に取ると、 ・発酵度が高いものと低いものの比較 ・焙煎が強いものと軽いもの、かけていないものの比較 ・お茶の品種による味の違い ・主要産地ごとの風合いの違い ・標高の違い ・春茶と冬茶の違い ぐらいをクリアしていたら、まず困らないと思います。 日本のちょっとこだわりのあるお店では、このような条件を明示して販売しているケースもあるので、「教材」となるお茶の入手も比較的容易かと思います。 逆に言うと、これ以上はマニアックすぎます。 「農家まで行って直接買い物をしたい」とか「自分でお茶を作りたい」とか、「お茶を仕入れて販売したい」という人なら、突っ込んで行かないと太刀打ちできませんが、一般人には必要ありません(^^;) より突っ込みたい場合は、お茶の製造法や成分の話を詳しく学べる評茶員の講座を受講するのもありかもしれません。 <中国茶は奥が深く、難しい?>中国茶は奥が深い、あるいは難しいと言われる理由の1つは、今回見て来たように、お茶の種類の多さ(幅の広さ) × グレード・個性の違い(奥の深さ) という組み合わせの数が、とても多いというところにあります。 種類の多さを平面とすると、グレード・個性の違いは高さ方向に相当します。 言うなれば、三次元の構造になっているのです。 #プーアル茶とかになると経年変化とかが加わってきて、四次元の世界になります。むーん、ますます難しい(その分、製法などのバリエーションは減るのですが)。 「お茶はハマるとキリがない」といわれますが、それはこの奥深さゆえです。 特に中国茶の場合は、平面方向にも広いですから、ますますディープでとっつきにくい印象なんだろうと思います。 とはいえ、上記のような「三次元の構造になっている」ということと「同じお茶なので、味を左右する要素は大体同じ」ということを知っておくと、中国茶はそんなに怖い世界でもありません。 1つのお茶で「公式」をつかんでおけば、あとは応用問題なので。 ・・・とまあ、中国茶にはそんな性質があります。 中国茶の学習は最初の骨組みの部分をババッと作り上げた後は、焦らず、じっくりと時間をかけて、ゆるりと進めていくのが良いのではないかと思います。 とにかく、時間がかかりますので。 幸いなことに、お茶は健康への悪影響は少なく、むしろ好ましい効果があるものです。 中国茶は、ほどほどのペースで進めている限りは、一生つきあえる趣味になると思いますよ(^^) 続く。 にほんブログ村 最初に教えてもらっていたら回り道しませんでしたねぇ。。。(-_-;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.18 00:02:13
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