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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2012.05.19
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カテゴリ:Welcome中国茶
茶芸師の話が出ましたので、続けて日本にある色々な資格の話を。

その前に「資格取得」は中国茶の学習にどう活かせるかを検証しておきます。

<資格のメリット・デメリット>

資格というものは、ある一定水準の知識と技術を要求しています。

資格があるからには、それを効率的に学ぶための「教育プログラム」が存在しています。
実は、これがノウハウの固まりなのです。

こうしたプログラムは、難しい内容を短期間で詰め込むために、「コンパクト」に「体系立てて」学べるものになっています。

つまり、こうしたプログラムに乗っかってしまえば、

効率良く短期間で集中的に学べる

というのが、資格取得を取り入れる最大のメリットです。
ダラダラやるより、ある程度、チャチャッと身につけたいという時は便利です。

また、一緒に勉強する仲間(ある意味「戦友」)が増えるので、お茶つながりの友達「茶友」ができます。
お友達が増えれば、より中国茶の世界が楽しくなるかもしれません。

あとは、誰かに「○○の資格を持っています」と言えるので、「ちゃんと勉強しました」という証明にはなるかもしれません。
#資格は実力の証明にはなりませんが、勉強したことの証明にはなります。

一方、デメリットもあります。

まず、独学する場合に比べると、受講料やら試験料やら、認定料やらを払い込むことになりますので、費用が何かとかかります。
もっとも、自分で色々なお茶や茶器を買い、試行錯誤しながら回り道することを考えると・・・結構いい勝負かもしれません。

あとは、学んだ先の団体が、あまり熱心に活動しなかったりすると、「自分の保有している資格は、なんだか誇りに思えないなぁ。。」なんてことがあるかもしれません。
このへんは発行している団体の意気込みだったり、実績を見るしかありません。
もしくは、”自分で運営に参加して組織を変える”かです(笑)

そんなメリット・デメリットを踏まえた上で、まずは、中国茶関連の資格を一度整理します。

<日本で取得できる資格>

「国家資格」と「民間資格」があります。
中国茶に関しては、当然ながら日本政府は関与していませんので、国家資格といった場合、中国政府が出している資格のことです。

具体的には、

茶芸師 → 茶芸館のスタッフを育成するプログラム
評茶員 → 茶葉の生産~流通の品質管理を行うスタッフを育成するプログラム
茶葉加工工(制茶師) → 製茶に携わる人材を育成するプログラム


という資格があります。

これらの資格は、基本的には、その道のスペシャリストを養成する資格です。

日本人の感覚からすると、やや狭い範囲をカバーする資格だと感じます。
多分、「もう少し広い範囲を勉強したい」という方が、ほとんどではないかと。


その場合は、日本の各団体・教室が発行している民間資格になります。

日本の中国茶団体が発行している資格には、だいたい

インストラクターなどの「指導者資格」
アドバイザーなどの「普及者資格」


の2つがあります。

たいていの団体では、行き着くところは指導者資格で、その前のステップとして普及者資格を位置づけているところが多いようです。

具体的に言うならば、

指導者資格は、

「中国茶あるいは茶芸を教える教室を開ける(体系立てて人に伝えられる)」程度の知識と技術


を目指しており、

普及者資格は

「中国茶の初歩的なアドバイスができる(よくある質問に答えられる)」程度の知識と技術

を目指しているように感じます。

中国茶をある程度知りたい方(平面をなぞりたい方)なら、普及者資格で十分。
もう少し詳しく知りたい方(深さの部分を知りたい方)は、現時点では指導者資格まで進まないと、本当に知りたいことを教えてもらえないと思います。

私の見ている限りでは、指導者資格にせよ普及者資格にせよ、消費者として「もう少し詳しく知りたいから取得している」という方が半数以上だと思います。


プライベート資格と団体発行資格

なお、民間資格は発行団体によって、以下のようにも分類できそうです。

・お店や個人の発行するプライベート資格
・団体発行資格



まず、プライベート資格の方ですが、これは文字通り、お店や教室が発行するものです。
いわば、そのお店や教室の講座を受けて、試験などをパスした修了証・卒業証のようなものです。

このように書くと、「大したことがない」ようにも感じられますが、そうとも言い切れません。
たとえばXiangLe中国茶サロンのインストラクターコースのように、有力な卒業生の方があちこちで活躍している資格もあります。
一般的な通用度は低いと思いますが、時には知る人ぞ知る・・・な実力派のプライベート資格もあるのです。


続いて団体発行資格です。
これは、日本の中国茶に関する団体が発行している資格です。

日本茶や紅茶は、日本茶インストラクター協会、日本紅茶協会のように資格を発行する組織が、基本的には一本化されています。

が、中国茶の場合は、ややこしいことに、いくつもの団体があります。
そして、それぞれが独自資格を発行しています。

傍から見ると、「似たようなことを教えてるよね」と思うのですが、資格同士の互換性はほとんどありません。
具体的には、「ある団体で初級資格を取ったら、中級資格は別の団体で」というのが出来ません(※)。最初から、やり直しになってしまいます。
どんなに上位の資格を取っても「他の団体に行ったら、ただの人」なのです。
理不尽ですが、そういう仕組みになっています。
※ただし、中国の国家資格は発行団体が国なので、編入を認めるケースも中にはあるようです。

以前、「中国茶の資格発行団体は、いくつあるんだろうか・・・」と調べてみたことがあります。
”資格発行(もしくは国家資格ツアーの実施)をしていてWebサイトを持っている”団体だけでも、10団体ありました(^^;)

多くは「○○協会」のような名称で、非営利組織の形態を取っています。
そのうち法人格を持っているのは、設立順にNPO法人日本中国茶芸師協会一般社団法人日本台湾茶協会NPO法人中国茶文化協会の3団体のみで、他は任意団体です。
規模も大小さまざまで、中にはWebサイトの更新が滞っていて、活動の実態がよく分からないところもあります。

これらの団体は、設立経緯やバックにある会社やお店、中国側の提携先の違いなど、まちまちです。
お互いに思惑や譲れないこだわりも、色々あるのでしょう。
Webサイト上で他の団体をけなしているところすらあります。

こんな状況ですので、大同団結することは、残念ながらしばらく無いと思います。

個人的には、こういう状況も中国茶を学びにくくしている原因の一つだと思います。
これだけあると、初めての方はどこへ行ったらいいのか、分かりませんからね。
せっかくの勉強してみたい気持ちも萎えてしまいます。

<各団体の特徴を知るには?>

この状況が変わらないとなると、これから勉強する側としては、

・組織の運営がしっかりしており、
・きちんとした教育プログラムがあり、
・事後のフォローもしっかりとしていて、
・資格を持っていて、ある程度誇りに思えるようなところ


を選んでいく必要があろうかと思います。

この情報源としては、正直、クチコミしかありません。

が、複数の団体を掛け持ちしている人というのは、流派を掛け持ちする人が少ないのと同じ理由で少なく、お互いの実態がよく分からないのです。


そこで、

Webサイトに情報が掲載されている
テキストや会報を見たことがある
私が関係者や所属メンバーの方を知っている


という、いくつかの大きめな団体について、ざっくりと特徴を紹介してみたいと思います。


続く。


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こういう話もあまり聞けませんよね(^^;)





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Last updated  2012.05.19 23:05:56
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