重大発表をします。
↑この電茶壺(中国茶用電気ケトル)を輸入して販売します
・・・あまりに唐突なので、「何を言っているんだ、コイツは?」と思われていると思います。
順を追って、お話ししましょう。
<その電茶壺、どこで買いましたか?>
昔話です。
エコ茶会で、まだ私が淹れ手をしていた頃の話です(確か、第2回か第3回ぐらい・・・)。
「中国茶を始めたばかりなんです」という方が、私の使っていたヤカン型の黒い電茶壺(中国製)を見て、
「それ、どこで買いましたか?探してもなかなか見つからないんです」
と尋ねられました。
ネットショップで購入したものだったので、そのお店を紹介しました。
・・・が、紹介したものの、後で見てみると、既に売り切れ。
再入荷の見込みも立っていないようでした。
この質問、その後も多くの人に聞かれました。
「え、これ、そんなに人気商品だったの?」と思うぐらいに。
質問してきたみなさんに共通するのは、「中国茶を最近始めた」ということでした。
中国茶に興味を持ち始めて、色々道具を揃えていくと、
「中国茶館にあるような、あの自動でお湯が沸騰するケトルが欲しい!」
と思うのは、自然な流れです。私もそうでした。
特に中国茶の場合(ことに青茶、黒茶の類い)は、アツアツのお湯で淹れるのが、美味しさの秘訣だったりします。
使い勝手の良い電茶壺もしくは電気ケトルを持つことは、「お茶が美味しい」「淹れるのが楽しい」に繋がるキーポイントなんですね。
それが「探しても見つからない」というのは、入門者にとって優しくない話です。
そんなわけで、私は、
「ああ、なんでお店はこういうのをもっと入荷しないのだ。中国茶を始めたい人を、入り口で追い返しているようなものじゃないか」
と思っていました。
しかし、よくよく調べていくと、それには理由がありました。
<電茶壺を見かけなかった理由>
実は、法律的に「売っちゃダメ」だったんですね。
2001年に電気用品安全法が改正された影響で、特に2006年以降は電茶壺が出回らなくなりました。
電茶壺のような輸入電化製品は「PSEマーク」を取得しないと、販売ができなくなったのです。
2006年頃、「リサイクルショップで電気製品が売れなくなるかも!」と騒いでいましたよね。
あれも、この法改正での混乱の一つでした。
そういう法律になってしまった以上、現地で110V仕様の電茶壺を見つけたとしても、それには日本国内で通用する「PSEマーク」がついていないので、国内販売ができないのです。
<PSEマークって、取るの大変・・・>
「だったら、PSEマークを取ればいいじゃない」と言いたくなるのですが、これがなかなか大変なのです。
まず、電気回路が日本の安全基準に合ってるかどうかを調べなければいけません。
たとえば、電源ケーブルは日本で通用するPSEマーク付きのケーブルにしなきゃダメとか、色々細かい決まりごとがあります。
日本で売ることを想定していない製品では、なかなか通すのが難しいです。
この検査をその道の専門機関に依頼しようとすると・・・
大体、数十万円の費用がかかります。
そして、改良はメーカーにお願いすることになるので、結局、特注になります。
こうなると、1軒のお店がお客さんのためにと10台や20台程度の少量を輸入するのは、まず無理です。
この頃になると、中国茶のマイナーさをだいぶ理解してきたので、
「ああ、それじゃ採算とれないから、誰も輸入しない。そりゃ、出回らなくなりますよね・・・」
と、肩を落としました。
が、「これ、何とかならんものかね・・・」という思いは、ずっとありました。
<中国茶の世界は不親切すぎる!>
そもそも、エコ茶会の立ち上げに加担?したころから、
「中国茶の世界って、なんて初心者に不親切なんだ。入りたい人も、これじゃ入って来られないじゃないか」
という、疑問がありました。
というのも、自分自身が、中国茶を飲み始めた頃、
・必要な情報がどこにあるか分からず、得づらい
・人によって言うことが違う
・なんか、自分のところの商品やサービスにミスリードされてないか?
と思うことがあったんですね。
こうなると、持ち前の「ヒトバシラー精神」がフツフツとしてくるわけです。
「こういう不親切なことを、できる範囲で少しずつ片付けていけば、新しい人が入りやすくなるんじゃないか」
ということで始めたのが、「Teamediaプロジェクト」です。
その結果、
・専門用語が難しくて、よく分からない → 中国茶ワードバンクを作ろう
・そもそも、どこに中国茶の店があるか分からない → 中国茶のお店・教室のデータベースを作ろう
・イベントがどこでやっているか知りたい&告知をするのが大変 → イベント案内を作ろう
・内輪の人だけで盛り上がっているようなイベントでは、新しい人が入って来られない → エコ茶会大規模化
・同じ蘊蓄が使い回されているだけでつまらない&現地の実情から乖離してガラパゴス化している → 現地のニュースを翻訳して紹介しよう(中国茶ニュース)
など、自分が初めて中国茶の世界を覗いたとき、「困ったね」「変だよね」と感じていたものに、少しずつ手を入れて行っています。
もっとも、まだまだ着手したばかりなので、全然満足できるレベルではありませんが。。。
ただ、この手の「情報」というのは、目に見えないものです。
傍から見ると、何をしている人なのか、さっぱり分かりません。
やはり、具体的な「モノ」を動かす必要があるなあ、と感じていました。
そこで思い当たったのが、あの電茶壺の問題だったわけです。
<製品の分解から始めました>
実は、うちの父が電気製品の輸入商社をやっており、中国や台湾から、色々な電気製品を輸入していて、PSEマークがお手の物の世界の人だったんですね(笑)
昨年の夏、この電茶壺の話を相談し、台数がある程度読めるのなら・・・ということで、話が具体化しました。
まず、中国側の組むメーカーをどこにするかが問題でした。
数社の製品をサンプルとして取り寄せ、分解して比較してみたのですが、あまりのレベルの低さに愕然としました。
内部の構造が「夏休みの工作」レベルだったので、「これは下手に輸入すると火災が起きかねん・・・」と電気製品の怖さを痛感しました。
その分解作業の中で、今回組むことになったメーカーが技術的にもデザイン的にも優れていることを実感しました。
ただし、そのままでは日本の安全基準は通らない(PSEマークが取れない)ので、改良が必要です。
最初は、間に人を入れて改良の交渉をしていたのですが、埒があきません。
そこで、うちの父に現地に出向いてもらって、流れを変えました(中国駐在歴が長かったので、このへんは流石です)。
訪問が功を奏したのか、メーカー側が意欲的に改善に取り組んでくれるようになりました。
こちらも、日本側の要望を安全とユーザー視点の両面から伝え、納得のいく製品ができるまで、何度も試作を行いました。
メーカーさんに煙たがられそう、と思いつつ。
結果、中国国内モデルとは全く別物に仕上がったのが、昨年の9月頃。
このままならエコ茶会で発売できるかも・・・というところまで来ました。
が、ここで、例の尖閣の問題が発生。。。
一度は話が立ち消えになりかかったのですが、とりあえず8個ほどサンプルを送付してもらい、国内での反応を見ることにしました。
昨年10月のエコ茶会では、一部の茶席で使ってもらいました。
結果、淹れ手の方から、上々の反応を得ることができました。
この反応を元に、今年に入ってから、巻き返し活動に。
様々な問題もクリアになり、ようやくご案内できるようになりました。
この間、アベノミクス効果で当初の3割近くも円安が進んだのは大誤算でしたが、お値段は当初の設定通り、1万円を切る価格で提供します。
製品は現在、工場で生産中で、まもなく完成の見込みです。
<重大発表というぐらいなので、台数が・・・>
100V仕様は委託生産になるため、製造ロットが大きくなりました。
その数ですが、ズバリ、
1000台注文しました
さすがに、ここまでの数量になると、私が手売りするのでは追いつきません(^^;)
いろいろな中国茶専門店の方に話を伺うと、お客様から電茶壺の問い合わせは結構あるそうです。
その声に応えられるよう、積極的に卸売りをしていきたいと考えています。
中国茶に興味を持った人が、身近なお店で、使い勝手の良い電茶壺を、適正な価格で、買える
という「当たり前」の状況が生まれないと、やっぱり新しい人が入って来られないと思うのです。
いろいろなお店の方と協力して、みなさんのお手元にお届けできるようにしたいと思います。
<お茶好きのみなさん、是非ご協力下さい!>
こんなストーリーを背負って、日本に久々に上陸する電茶壺です。
肝心の製品ですが、デジタル温度計付きで、リアルタイムにお湯の温度が分かるという、これまでに無い、優れものの電茶壺です。
もしよろしければ、是非お求め下さい(^^)
また、良く行かれる中国茶専門店などがありましたら、
「今度、電茶壺を輸入する会社があって、卸もやるみたいですよ」
と、一声ご紹介いただけると嬉しいです。
製品の詳しい情報は、こちらのページに載っていますので、是非ご覧下さい。
中国製は故障が心配ですが、その辺のサポートもきちんとやろうと思っています。
ちょっとだけオトクなネットでの先行予約販売もやっているので、オンラインショップも是非覗いてみて下さいね☆
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