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テーマ:中国茶好き集まって!(926)
カテゴリ:茶館・茶藝館・カフェ・サロン
奈良市の旧市街地で昔ながらの街並みが保存されている奈良町(ならまち)。
その中心地付近にある「奈良町資料館」のすぐそばに、日本茶と中国茶の豊富なラインナップを揃えるお茶屋さんがあります。 心樹庵さんです。 一軒家の町屋を改装して営業されており、店内の空間は照明などにもこだわった凛とした雰囲気。 入り口付近はお茶の物販コーナーがあり、さまざまなお茶や茶器が取り揃えられています。 1回分のお試しパッケージなどもあり、カフェではありますが、お茶を買いに来るだけでも気軽に立ち寄れる感じです。 続いて、カウンター席とテーブル席があり、奥には小上がりの座敷席。 中庭から光が差し込み、町屋ならではの風情が楽しめます。 店頭にはランチやスイーツとお茶のセットといった看板が出ています。 こうしたところだけ取り上げると、ややもすると、観光地によくある町屋を改装した雰囲気だけ良いカフェなのでは・・・と思われてしまうかもしれません。 が、オーナーさんご夫妻のお茶にかける情熱や信念には物凄いものがあります。 私、店頭に「日本茶インストラクターがいる店」の看板が掛かっていたり、日本茶のメニューが先に来ていることから、「日本茶の方から入って、中国茶も取り揃えてきたお店なんだろうか・・・」と勝手に思っていました。 が、お話を伺うと、ご夫婦共に東京の中国茶専門店で働いておられたそうで、中国茶をトコトン追求されていたそうです。 それが日本のこだわりを持って生産される作り手の方と出会い、日本茶の面白さに開眼していった・・・という流れだとか。 ・・・このパターンで日本茶に関心を持つと、ちょっと凄いことになることを、私は知っています(笑) その凄さというのは、こちらのお店の茶譜(メニュー)を見ると一目瞭然。 個性的な品種や作り方を追究したお茶や茶農家さんの名前がズラリと並んでいます。 日本の品種茶を追いかけている人だったり、個性的な香りや味わいを追究するマニアは、きっとこの時点で大歓喜(笑) もっとも、ここまでやるお店は、それなりにあります。 しかし、さらに凄いと思うのが、同じ作り手さんの、製法・季節の違うものや品種違いのお茶などもメニューに並べているところ。 「違いを飲み比べてみたい」というお茶好きさんは、気持ちを鷲づかみにされること請け合いです。 今回、飲ませていただいたのは、地元・奈良にある月ヶ瀬健康茶園さんのムーンロックプレミアム。 どれにします?と聞かれたのですが、茶譜には「春摘み」「夏摘み」「秋摘み」と揃っています。 「え、ダージリンみたいですね」と聞くと「いえいえ。春、夏、秋で畑が違うんです。1つの畑はワンシーズンしか摘まない」とか。 なんですか、そのマニアックなお茶はw で、プレミアムって何?という話なんですが、手摘みだ、と。 人件費の高い日本で手摘み。普通、あり得ません。 しかも玉露とかじゃ無くて、紅茶ですよ、紅茶。 茶葉と茶がらを見たら、完全に東方美人のような仕上げ。 飲んでみてもウンカの蜜香と発酵による香りと味わいは、まさに東方美人を思わせます。 使われている品種である、べにひかりの品種香が出ているので、「あ、なんか違う」と区別できますが、これは当てるのは難しい(^^;) ていうか、日本でこんなお茶あるんですね、と驚くばかり。 ・・・と、こういう飲み方だったり、お茶が取り揃えられているお店なのです。 こういうお店、そうはないですよ。 もちろん、”まにあっく”な飲み方ばかりではなく、非常に親切にお茶の相談に乗ってもらえるので、初心者さんも安心。 お値段がお手頃なお茶も多いので、このへんのバランス感覚が良いです。 中国茶の方も充実ぶりが凄くて、主要な銘茶は六大分類を含め、ほとんど取り揃えられています。 その中でも、岩茶は品種別に十数種類。単ソウも香り別に、やっぱり十数種類。 ・・・なんですか、この商品ラインナップは(^^;) これだけ種類が多いと、全然動かないお茶も出てきて「劣化してる・・・」なんてことに、なりがちです。 が、こちらの場合、そうならないように毎回封を切り立てになるよう、あらかじめ小分けにしているそうです。 なので、お茶はいつもフレッシュ。これも簡単にできることではありません。 中国緑茶も主要銘柄は普通に取り揃えていますが、「何ですか、そのお茶は?」というのまであります。 たとえば、四川省は蒙頂山の新品種・雪蘭。 レモンの香りのする緑茶という非常に珍しいお茶です。 それから福建省の紫雲洞螺。 初めて聞きましたが、最近少なくなった印象のある豆香のある炒青緑茶。三杯香や廬山雲霧的な。 うーん、この手の緑茶は珍しく、しかも美味い。 よく見つけてきますねー、と感心しきりでした。 お話を伺っていると、これだけの種類のお茶があるのに、新しいお茶や取引先の新規開拓を全く怠っていないようです。 一度、馴染みの取引先ができると、後はオートマチックにサンプルを試して、金額を決めて・・・になりがちなものなんですが、そうはしていないというのが、やっぱり凄いな、と。 お店のWebサイトには「茶の本質をとことん追求する」と書かれているのですが、行ってみたらその意味が非常に良く分かりました。 観光地にありながらも超実力派のお店と言えるのではないかと。 ネットショップもされているので、そこを見るだけでも茶譜の充実ぶりが実感できると思います。 お店のある奈良町は、昔ながらの建物があり、カメラ片手に散策するのも楽しい街です。 観光とあわせて、お茶好きさんなら是非訪問してみたいお店と言えるのではないかと思います(^^) 心樹庵 住所:奈良県奈良市西新屋町22 電話:0742-27-3083 営業:11:00~17:00 定休:日曜・月曜・祝日 http://ryuuoukutu302.wix.com/shinjuan 中国茶情報局の紹介ページ 日本全国茶館・茶荘巡り一覧 にほんブログ村 関東の方に朗報!今年のエコ茶会に出店いただきますよ♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.05.31 06:55:07
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