日本全国茶館巡り-神戸岩茶荘(神戸市中央区)
三宮駅のすぐそば。にしむら珈琲さんの裏手にあるビルの2階に岩茶を専門に扱うお店があります。こちらの神戸岩茶荘さんは、ちょっと異色なお茶屋さんといえるかもしれません。というのは、入口にこのような看板が出ております。漢方薬局との併設店舗という珍しいパターンです。こちらのお店のWebサイトを見ていると、岩茶の健康への効能という面への言及が多いので、非常に訝しく思っていました。「お茶は効能で飲むんじゃなくて、美味しいから飲むんだろ」が、私の持論なもので。が、それはこうした中医的なバックボーンがあるから、ということのようです。納得。#どうしてこんな一等地でお茶屋ができるんだ?という疑問も解消wお昼の時間帯に行きましたので、ランチを注文することにしました。こちらのランチは、薬膳要素のあるメニューでお粥とお茶がセットになっているもののようです。デザートも付いて1,000~1,200円という設定です。ちょっとボリュームがありそうな八角風味の肉団子薬膳粥を注文してみました。この手の薬膳メニューは、身体には美味しいかもしれないけど、美味しくないよね、というのが多いのですが、こちらのランチは効能を抜きにしても美味しく食べられますね。八角も効いてはいますが、日本人が敬遠するほどでは無いので、食べやすいのではないかと。これなら、なかなか納得感のあるランチではないかと思います(^^)さて、肝心の岩茶です。ブレンドの岩茶ということだったので、あまり期待していなかったのですが、これが意外や意外。なかなか濃厚な香りのある伝統的な作り方の岩茶ですし、何よりしっかりと岩韻がほのかに感じられますね。分量は分かりませんが、正岩茶(もしくは半岩茶)がキチンと入っているように感じます。ランチに付いているお茶でこのくらいのレベルのお茶を出してくるということは、ちゃんとした正岩茶を扱うお店なのかしら、と思います。値付けを見ても、結構良いお値段を付けていますし。岩茶というのは、安定的に仕入れるのが非常に難しいお茶です。特に岩韻のハッキリした正岩茶となると、生産範囲が限られているので、かなり売り手側の強いお茶です。そんなわけで、お値段はここ10年ほどで、どんどん上がってきています(毎年20%前後上がることも良くありました)。買い手側としては、今までの水準のお茶が欲しければ、値上げを甘んじて受け入れるしかありません。もし、その金額は出せない、ということになれば、売り手側から下のグレードのお茶を提供されます。で、岩茶はグレードが落ちると、岩韻などは望むべくもなくなります。ゆえにお店が「ウチは値上げしません!」とか言っているのを見ると、「うーん、ここのお店のお茶は大丈夫か?」と思ったりもします。#岩茶だけでなく、大陸のお茶は大体こういうサイクルに入っています。日本のお茶業界からすると信じられませんが、それが今の中国茶です。その点、こちらは岩茶の身体への効果にこだわっている分、値上げを受け入れて、キチンとしたお茶が届くようになっているのかな、と思います。身体に響くような岩韻のあるお茶じゃないと、効きませんからね。機能性を重視した分、良いお茶がきちんと入手できるようになっているとも言えます。訪問したとき、お店では、ちょうど養生の講座が行われていました。お茶と養生を絡めた講座があるというのは、ここのお店の大きな特徴でしょうね。漢方とか中医とかの勉強をしつつ、お茶も知りたいという方には、特に良いお店かもしれません。効能よりも美味しさを求める方にとっても、きちんとした岩茶を入手できる先として、訪れる価値はありそうです。神戸岩茶荘住所:神戸市中央区琴ノ緒町5-4-5 三琴ビル2階電話:078-251-9898営業:10:00~20:00定休:火曜日、隔週水曜日http://www.gancha.com/中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村ちょっと異色なお店ですね