今週の火曜日、静岡で開講された「発酵茶マイスター塾」でお話をさせて頂きました。
これは静岡県が付加価値の高い発酵茶生産技術を普及するために行っている、リーダー人材の育成セミナーで、今回は若手の生産家・茶商の方が、二十数名参加されていました。
紅茶コースと烏龍茶コースの2班に分かれ、これまでに4回、製茶研修などの勉強をされており、これが最終回。
今回は特に若いメンバーの多い期だったそうで、まさに今後の静岡の茶業を担っていく人たちの会でした。
そもそものきっかけですが、エコ茶会でもお世話になっている県の職員の方から、この会の参加者の方に「日本で人気の中国茶・台湾茶を紹介して欲しい」という打診がありました。
「え、私で良いのですか?」と思いつつも、エコ茶会でお世話になっている静岡の生産家の方々に、多少なりともご恩返しができるかも、ということで承りました。
が、後で講師の方々の顔ぶれを確認してみると・・・
塾長は『中国黒茶のすべて』(※昨年8月に改訂版が出ました)の著者の坂田先生に、副塾長は野菜茶業研究所の茶業研究監だった武田先生。
さらに技術講師は、先のブログ記事の本で紹介されている
丸子紅茶の村松二六さんに、「茶匠と語ろう」でもお馴染みの伊久美の齋藤安彦さん、
森内茶農園の森内吉男さん、
人と農・自然をつなぐ会の杵塚歩さん。
さらに当日、紅茶の講師は、尾張旭市の
TEAS Liyn-anの堀田さんがされるとのこと。
・・・これ、日本のお茶業界の”ドリームチーム”ですよね。
これだけのメンバーを集められる静岡県は、やはり日本のお茶業界の中心なのだと改めて感じました。
と同時に、ますます私がいる理由が分かりませんw
まるでメジャーリーグのオールスターゲームの中に、県大会止まりの高校球児が混じったような感じです(^^;)
ただ、承った以上はきちんと情報提供せねばということで、あれこれ準備をしました。
なにしろ、お話を聞いていただくのは生産者と茶商の方です。
一般消費者向けの入門講座とは、必要とされる情報が、かなり異なります。
まず考えたのが、中国茶愛好者が十分に”嗜好品”として楽しめる水準のお茶とは、「どのような品質で」「どのような価格なのか」を明確にすることでした。
これから烏龍茶の生産を行う人たちが、スーパーの特売品クラスの烏龍茶をイメージして製造しても、これはエコ茶会に来るようなお茶好きさんには買ってもらえません。
そもそも、このようなお茶は、人件費の高額な日本ではコスト的に割に合わないでしょう。
まずは、中国茶愛好者が飲んで「美味しい」と感じる水準のお茶を飲んでもらうこと。
そして、そのお茶の適正な価格を示して、ビジネスになるかどうかを判断していただくこと。
これに尽きるかと思いまして、今回は試飲したお茶の値段を開示しました。
試飲用のお茶選びの基準は、
・日本のお茶好きさんが、手を伸ばせば(orネットを叩けば)誰でも買えるお茶
・嗜好品として十分に味わって楽しめる品質
・品質と現地相場のバランスに加え、通関費用、適正利潤を盛り込んだフェアな値付けがされているもの
と設定して、国内の数軒のお店から代表的な烏龍茶8種を調達しました。
60分間のセミナーなので、8種類は明らかに多すぎます。
が、最低限、これらの味と香りのパターンは経験しておいていただかないと・・・と、半ば無理矢理飲んでいただきましたw
あとは、エコ茶会にいらっしゃっていたり、ブログなどを書いているような、中国茶・台湾茶飲みの方の声をお届けするようにしました。
たとえば、1つの決まったお茶をずっと飲む、というよりも、気分やシーンに応じてお茶を飲み分ける、という方がほとんどだということ。
消費スタイルが変化しているので、パッケージも変えなきゃいけませんよー、というご提案もしました。
また、Twitterのフォロワーさんに中国茶や台湾茶にハマるきっかけになったお茶を伺っていたので、そのリアルな傾向なども。
これがきっかけとなって、新しいタイプの発酵茶が生まれたら、それは中国茶・台湾茶好きの方の貢献も多少はあったと言えるでしょう。
今年もエコ茶会に出店されると伺っているので、ご意見を直接したい方は、エコ茶会のブースへお越し下さいw
それにしても、今回参加していた方は、高齢化が叫ばれているお茶の世界ではちょっと信じられないような若手の方々でした。
中国茶・台湾茶好きさんも意見を出しながら、こうした方々と日本発の美味しい烏龍茶や国産紅茶が出来ていくといいなと思いました(^^)
お話を聞いて下さった受講生の皆様、講師の皆様、様々な準備やアシスタントをして下さった静岡県茶業農産課の皆様に感謝申しあげます。
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