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カテゴリ:理想郷プロジェクト(あったら、いいな)
今年の春から、月に1回ほど、市立図書館をたずねるようになった。
あらかじめ、書評や推薦コメントに従って論理的に、 ネットでみたい本を検索してからいく。 のだけれど、 それ以上に、おもしろそうな気配のする本に出合ってしまう。 「こんな本があるんかい!」と、棚からボタモチ、目からはウロコ。 やっぱりね、 書店にはならんでいない本に、魅かれるものが多い。 マイナーで、少数派で、探そうったって、簡単には見つからないような。 書店で買えない本にこそ、図書館のダイゴミがある。 売れないはず本や、一過性の本を、蔵書してくれている図書館の太っ腹に、 感謝感激。 自分が敬愛する同世代の作家さんたちは、20年くらい前に「一人前」になっていて、売れてはいなかったけれど、かなり楽しいものを書いていたのさ。 図書館が最新刊を複数購入することが、問題になっているけれど、 それはたしかに、売上を妨害するよね。 でもね、図書館ではじめて知った『読書会』という本は、アフィリエイトで検索しても古本しか出てこない。文庫化されたけれど、それも絶版みたい。 こうなれば、図書館の出番です。図書館がなければ、まず、出会えなかったはずの本です。山田正紀さんと恩田陸さんが、『半村良』さんの本を読んで語らう。 【中古】 読書会 /山田正紀,恩田陸,笠井潔,萩尾望都【著】 【中古】afb』 好きな者には、もう、大変。でも、多くの方々は、素通りする本。 10月に図書館でであった本、『日本SFアニメ創世記』に至っては、楽天アフィリエイトでは、一冊も引っかからない。 出版社と作家さんの努力が、図書館の存在により、ヘリテイジとなった。 昔、レンタルCDが華やかな頃、発売から何か月かの、レンタル禁止期間があった。 あれは、うまい対策だったような気がする。適正な調整ができればね。 人気作家の作品が古書店に並びはじめるのは、発売から、3~6か月くらいかな。 公共図書館が、発売から1年ほど貸出停止(禁帯出)期間を設ける。 そのかわりに、出版社が図書館には割引で納品してくれたら、いいような。 昔、「『マディソン郡の橋』は10か月まちです。」という張り紙を、公民館の図書室に見た。 読みたいときが、うまいとき。 図書館が、複数の本を必要とするのは、間違いない。でも、数年後には、デッドストックかも。 絶版本を図書館がキープしてくれることで、お気に入りの作家さんに深く近づくことができる。「本読み」たちが、図書館で「お気に入り作家」さんに出会う機会が増えて、次回作にたいする期待と興味がうまれる。 版を重ねられない若手や、メジャーになり切れない作家さんに、目が向けられる機会を、図書館のなかに残されている。 そんななかから、よいスパイラルが生まれるんじゃないかな。 本職のひとたちが、真剣に考え抜けばね。 「本屋大賞」の投票者の方々にきけば、 「まだ売れる本」と、「売れないけれど失くしたくない本」 なんて区分もできるんじゃないかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年12月24日 22時22分27秒
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