非売品。
(…青…よし♪)目を開いた瞬間に映る、磨りガラスの色によって…兄やんの一日が……結構決まったりする☆ 白、灰色…つまり曇とか雨の場合。ヒッキーな面も持ち合わせる兄やんは、部屋で映画を見たり、本を読んだり、ギターを弾いたり。 一転、青だった場合…まず起きた時からテンションが高い♪と言うか、体がうずいてきて二度寝どころじゃなくなる。「行ってきま~す♪」とりあえず、もう4年の仲になる原付に乗ってキーを回す。少しうるさくなってきたエンジンが鳴り響く。でもそれは、小さな旅の始まりの合図…♪(よし…今日は芸術の秋でも堪能してくるかな!^^)アクセルを回す、壊れかけの原付が走り出す。秋の風が心地よい。色づき始めた木々の葉の間に見える空が青い。毎日のように見ている景色でも、旅の中では、一つ々々が新鮮。日々を過ごす何でもない、家の前の通りでさえ…例えば、どこか地球の裏側のような遠いところから来た人にとっては泪を流して感動すほどの場所かもしれない。…『旅』ってなんかそんな気にさせる。そして、辿り着くまでの、あの感じ♪磨りガラスの青。どこにも売ってないその青は兄やんにとって、小さな旅の始まりを予感させる、特別な色だったりする。