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暖かな光が差し込む、日曜日。窓際に椅子を持ってきて、ゆったりと腰をかけて本を開く。窓から入ってくる心地良い春風が、ページをめくる。 昨日から読み始めたのは『博士の愛した数式』。その中に登場する<220>と<284>の関係の話。「神の計らいを受けた絆で結ばれ合った数字なんだ。美しいと思わないかい?」 ~『博士の愛した数式』32P~それぞれの約数の和…<220>1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284<284>1+2+4+71+142=220普段は別々の場所に存在して、別々の生活をしている、それぞれの数字。でも実は、しっかりと繋がっている。ふと外に目をやると、てんとう虫が1匹。自分の名前を知ってか知らずか、布団の上で日向ぼっこをしている。青空に舞った1匹ぼっちのてんとう虫。その小さな体に背負った<7>つの星とを結ぶ絆が、どこかにあることを祈ったりした。そして…もう2つの数字に絆を見つけようと、目を閉じる。4月30日、暖かな光が差し込む、日曜日。雲ひとつない青空と、春風が心地よい。