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わたしの足跡

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2008.07.26
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本日は、昨夜から続いた雨が上がり、曇り空でした。

日本のグリーンバードという団体のフランス支部があるそうなのですが、本日パリ市内で、ゴミ拾いをされたそうです。

私も是非、次回は参加させて頂きたいとお願い致しました。

さて、本日は熊本在住の絵本作家の岸信子さんのお話です。

彼女の肩書きは、絵本作家であり、10人のお子さんをかかえる母親です。

彼女の講演内容が紹介されていました。

 「夢を追いかけて」

素晴らしい奇跡を生まれたお話です。

少々長くなりますが、素晴らしいので是非ご覧下さいませ。
.............................................................

 岸さんは小学5年生の頃から、2つの大きな夢をもっていました。


 1つは、本を読む事が好きで、
 とりわけ『赤毛のアン』が大好きだったので、
 『赤毛のアン』の舞台となった
 
 「カナダのプリンセス・エドワード島に行きたい」

 という夢でした。



 もう1つは、書くのも大好きだったので、
 
 「自分の本を1冊出版したい」
 
 という夢でした。

 
「追いかけ続ける夢は、いつかきっと叶えられるものですよ」
             
(モンゴメリー著『赤毛のアン』)


 特に、この言葉を岸さんは大好きで、
 ずっと夢を追いかけていこうと思っていたのです。




 岸さんは、夢を叶えるために行動をしました。

 プリンセス・エドワード島に行ったら、
 英語が話せなければならないから、英語を勉強しよう。

 そう考えて、中学になってから英語を一生懸命勉強しました。

 高校になると、仲のいい友達と観光地まで行き
 外国人を探して、英語で話しかける練習をしました。

 大学は長崎外国語短期大学に進み、
 休みの日になると、外国人を探し(?)を趣味としました。
 
 (幸い、長崎は観光地に外国人が多い!)



 ちなみに、ある日、こんな感動的なことがあったそうです。

 長崎の平和公園に
 一人ぽつんと
 外国人のおばあちゃんがいたのです。

 いつものように明るく話しかけると、
 おばあちゃんは、とうとうと自分の身の上を話し出しました。

 
 「日本には、愛する夫と来る予定でした。

  でも、夫は先日、亡くなったんです。

  私は、夫が行きたがっていた日本へひとりで
  旅立つことにしました。

  日本のいろいろな有名な観光地に行きました。

  いろいろな素晴らしいところを見て回りました。

  でも、一番うれしかったのは、
  
  いまこうしてあなたが私に話しかけてくれたことです。

  そして、話を聴いてくれていることです。」


 岸さんは、おばあちゃんのその話をきいて、
 涙が出るくらい嬉しかったそうです。
 
 「言葉は心と心をつなぐ橋なんだ」

 と、ますます英語を勉強するのが好きになったのです。
 
 

 大学を卒業すると、岸さんは熊本の地元の企業に就職。

 何年かして、大好きな人ができて、結婚しました。

 そして、次々を可愛い三人の子どもが生まれました。

 幸せな生活のはず、でした。



 しかし、子育ては大変だったのです。

 大好きな本を読もうと思っても、
 子どもが泣いていると中断しなくてはなりません。

 英語の勉強をしようと思っても、
 子どもがちょっかいを出してジャマをします。

 大好きな映画にも、コンサートにも行けません。

 いつも子どもを叱ってばかり・・・。

 夜、子どもたちの寝顔を見ると、しんみり反省し、
 
 「明日からは優しい母親になろう」

 と思うのですが、朝になるとまたガミガミ。

 毎日、同じことの繰り返しで、ストレスが溜まるだけでした。



 小学5年生から追い続けていた

 ●プリンセス・エドワード島に行きたい。

 ●本を出版したい。

 という長年の夢をあきらめていたわけではありません。

 
 でも、

 お金がない、

 時間もない、

 子育てでそれどころじゃない、

 そんな自分の現実の生活に落ち込みました。

 


 ある日、尊敬する先輩ママに言われました。

 「子どもって、あっという間に大きくなるの。
  子どもが小さくてお母さんを頼っているのは今だけよ。
  今が一番いい時・・・
  今を楽しまなくっちゃ」

 
 (わかっているけれど、それができないのよ・・・)

 と、はじめは反発していた岸さんですが、
その先輩ママの言葉が転機となり、ある決心をします。

 そこから、岸さんの生活は変わっていきます。

 そして、岸さんの後の「奇跡」につながるのです。



 「決心」に至る岸さんの心境は次のようなものでした。


 今、子育てに手一杯の現実で、
 夢を追いかけているとストレスが溜まるばかり・・・。

 あれもできない、これもできないという理由を
 子どものせいにしている。

 それは、おかしい。

 大好きな人と結婚できて、3人の子どもに恵まれたのに、
 この現実を受け入れないのは、自分がよくない。

 自分が変わろう。




 岸さんの「決心」はこうでした。

 「今しかできないことを楽しもう。
  
  この現実を否定してしまう夢なら、
  今は、ひとまず横に置いておこう。
  
 (押入れにしまって、ガムテープをしておこう。)

  大切なのは今、この時だから」



 岸さんはその決心を具体的な行動で表わしました。
 そして、その行動を習慣としました。
 それは、毎日「良かったノート」をつけるということです。



 この「良かったノート」は、
 岸さんが小学5年生のときに、
 
 大好きだった物語『少女パレアナ』
 の少女パレアナに習って名づけたノートです。



 『少女パレアナ』の主人公、パレアナはプラス思考の女の子です。

 コップに少ししか水が残っていなくても、
 
 「わあ、よかった。こんな暑いときに、水が飲めてうれしい!」

 と言うような子なのです。

 小学5年生の彼女は、自分もこんな女の子になりたいと思って、
 パレアナのように「良かったノート」をつけていたのです。



 岸さんは、その当時の自分を思い出し、
 また毎日「良かったノート」をつけることにしました。

 その「良かったノート」には、
 子どもたちのことが書かれるようになりました。

 長男が今日、こう言ったとか、次男がこうして嬉しかったとか・・・

 小さなうれしかったこと、
 良かったこと、面白かったことを見つけて書き留めておくのです。



 たとえば、まだ幼い長男との楽しい感動的な会話。

 
 あるとき、長男が聞きました。

 「お母さん、どうして空にお星さまがあるか知ってる?」

 「えっ、どうしてかな?・・・」

 「お母さん、知らないの?
  じゃあ、教えてあげようか」

 「うん、教えて」

 「それはね・・・

  空がさびしくないようにだよ」

 (この子って、なんて詩人なのー、と母はいたく感激)


 その日の「良かったノート」に書きました。




 また、次男との楽しい会話。


 ある日、次男が叫びました。

 「お母さん、大変だ、おっことしちゃた。」

 「なに?なにをおこっとしたの?」

 「鼻くそだよ」
 
 「えっ?鼻くそ・・・」


 この次男は鼻くそを丸める趣味があったのです。

 「ああ、だいぶ大きく育てたのになあ」

 「そ、そう。どこにいったのかしらね。
  見つからなかったら、また育てればいいじゃない」(笑)


 こんな話を、
 その日の「良かったノート」に書きました。



 そうしているうちに彼女は気づきます。

 子どもって、大人と全然違う発想をする。

 何て面白いんだろう。

 何てユニークなんだろう。

 何て可愛いんだろう。

 子どもという時期は、今しかない。

 子育ては今しかできない。



「良かったノート」は3年間続けました。

 毎日、楽しかったこと、面白かったこと、うれしかったことを
 発見していきました。

 それ以後は、「良かったノート」が必要となくなるほど、
 毎日が楽しかったこと、面白かったこと、うれしかったことの
 連続となりました。

 「子育てって、本当に楽しい!」

 次々、子どもが生まれ、
 いつしか彼女は、10人の母親になっていました。


制限文字数がありました。一旦切ります。
                            つづく

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最終更新日  2008.07.27 07:48:20
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