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テーマ:戦争・平和(87)
カテゴリ:茶の湯・生け花
大正12年生まれの裏千家第15代お家元 鵬雲斎大宗匠は、海軍に入隊後、特攻部隊にいらっしゃったそうですが、(私の父も大正12生まれで海軍に入隊していまして、晩年よく当時の話を聞かされましたので、何処か重なってしまうのですが)当時のお話しの中で、同隊員の一人が突撃前に仲間とお茶を頂きたいので、茶箱(お茶道具)を貸して欲しいと頼まれたそうです。
その茶箱は、鵬雲斎大宗匠のお父様(第14代お家元)が持たせて下さった大切な茶箱だったようです。 勿論お貸しになったのですが、その隊員は茶箱と一緒に突撃してしまい、戻られなかったそうです。 しかし、その大切な茶箱はあくまでも物質でありますから、それよりも最後に最期に一服のお茶を飲めた隊員、またそれに纏わる様々な想いが、強く心に残ったことの方が、より尊いことであるでしょう。 鵬雲斎大宗匠は、ご自身は任務を遂行できないまま、ご帰還なさった事に無念さを感じていらっしゃいます。 その想いに、本日は涙しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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