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カテゴリ:エッセイ
『裸のつきあい1』
2008/04/10
 温泉が大好きである。
 日本人に生まれて良かったというのは大げさな言い方でもなんでもなく、裸で知らない人同士がお風呂につかってボーっとしている光景は、いろんな場所を旅してきたが今までお目にかかったことはない。温泉には色々な思い出があるが、一番昔のものは、私が小学生の頃、父親の仕事の都合で秋田に住んでいた頃まで遡る。

 まんじゅうふかし、というその妙な名前の温泉は、一般に想像する『温泉』ではない。ベンチが置いてあり、その下を温泉が通っている、そのベンチに座ってお尻をあたためるという変わった趣向の温泉で、そこに母とふたりでお互いの尻餅をつつきあいながら戯れたのを思い出す。着衣で楽しむものなので男女で入れる場所のはずだが、なぜかそこに父がいた記憶はない。やはり温泉といえば、女同士、男同士の仕切りがある話になるのだろう。

 先日武尊牧場でのスノーボードの帰りに寄った温泉は、花咲の湯という片品の温泉施設だ。なかなか新しくて綺麗な温泉なのだが、私は専ら沼田にくると丸沼方面に行ってしまうので、この温泉のある道を通らずに下まで降りてしまうことが多かった。だから、今回は久しぶりの武尊牧場で、それこそ2年ぶり…、つまり花咲の湯も2年ぶりということになる。ちなみに、2年前のその日も武尊牧場は大雨が降っていて、それなのに私たちは今回と同じようにずぶぬれになりながら滑っていた。

 屋根がついて少し趣が変わった露天風呂に入っていると、あとから「地元のおかあさん」たちがドヤドヤと入ってきた。帰りの車の中で「このあたりの人たちはどんな仕事をしているんだろうね。」と友人が話していたのを思い出し、なんとなく会話に耳をそばだててみる。話題は仕事のことではなくて、誰かの噂のようだった。

 その後私のお決まりコースのサウナに入っていると、やはりそのおかあさん連の中の数人が入ってきた。ひととおりまた誰かの噂話をしていたが、サウナは露天風呂と違って人によって耐性が異なり、滞在時間もまちまちである。やがてひとり去り、二人去り、一人の女性と私を残して、サウナの中は静かになった。と思ったのも束の間、

「ああ、気持ちいいねえ、今日はさみいから、なおさらだねえ」

思わず後ろを向いてしまったがそこには砂時計の砂がさらさらと時を数えているだけだった。つまり私に話しかけていたのだ。

「あ、そうですねえ」
意表をつかれたためにずいぶん間の抜けた返答だったが、彼女は気にした様子もなく話を続ける。

「3日来られなかったから体調が悪くてねえ、ほんとは毎日来てるんだよ。血行がよくなるからいいんだよ、温泉はねえ。」
「はあ。」
「人間は血管だよ、血管のよしあしで健康かどうかきまる、ほんとうにそうだよ」
「そうなんですか」
「そうだよ、あたしなんかね、2年前に血管詰まっちゃってさ、アハハ。たいへんだったんだよ。仕事のせいなんだけどね、ずっと座って同じ体勢で図面引いたりしてさあ…。でもね、退院してからここに毎日通うようにしたら、ここ1年はまったく病気しないんだよ、医者も驚いちゃってさあ…、女手ひとつで子供育ててね、でもみんなもう嫁に行ったし、気楽なもんだよお…」
 
 こちらが相槌を打とうが無反応だろうがお構いなしに喋り続けるおかあさんの話を聞いていて、なにやらあたしの頭の中にひっかかるものがあった。このあとに続くのはひょっとして「わかいときに連れ合いをなくしちゃって、以来本当に大変だったのよ」ではないのか?

「…上の子供が小学校3年のときに旦那が死んでさ…」
やっぱり!そうしたらきっとその次は「でも最近は保障制度がしっかりしてきてるからね、なんとか育てられたよ」だ。

「社会制度に助けられて、子供三人も育てることができたけどさ、まったく忙しくて大変だったんだよ…」

…ビンゴ!

 結論。私は、このひとに2年前もここで出会っている!
 あのときは露天風呂でこのひとに捕まって、危うく2時間コースになるところだったのだ。
ちなみに車の中での友人の問いに「女の人もみんな働いていて、図面引いたり専門的な仕事もやってるみたいよ」と答えていたのはこのひととの出会いがあったからだ。

懐かしいような、不思議なような。
でも元気でいてくれて、よかったよ…花咲温泉のおかあさん。また来るから、そのときもまた同じ話を聞かせておくれ…。


思わず購入した温泉まんじゅうスティッチは、スティッチファンの母へのお土産。↓

【群馬限定】温泉まんじゅうスティッチ ビーズストラップ

 

 





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最終更新日  2008年04月15日 12時16分51秒
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